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zoom RSS 第303回 カロリー制限は長寿の秘訣???

<<   作成日時 : 2012/08/31 07:57   >>

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長寿の秘訣は熟睡と一小四多(小食・多出・多働・多忘・多接)と云われます。
しかし、米国NIH(国立衛生研究所)傘下のNIA (National Institute on Aging:国立老化研究所)がアカゲザルを使って実験した結果では、カロリー制限は健康面での幾つかの利点はあるが、寿命を延ばす効果はないことが分かり、Aug29 2012付け英国科学誌Natureに掲載されました。

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<Physiology Research>
Impact of caloric restriction on health and survival in rhesus monkeys from the NIA study
カロリー制限が健康と生存へ及ぼす影響(NIA研究):

適正栄養価の食事量をカロリー制限(CR)で10〜40%減らすことは、健康スパンや寿命を延ばすための最も堅牢な非遺伝的メカニズムであると云われており、カロリー制限は、老化や加齢に伴う疾患の背後にあるメカニズムを理解するためのツールとして頻繁に用いられます。

寿命を延ばすと云う観点に絡めて、カロリー制限は様々な動物の多くの慢性疾患の発生を遅らせたり予防することが報告されており、最近では、アカゲザルの免疫機能、運動協応性、サルコペニア(骨格筋減少症)抵抗性で有益な効果があることが報告されている。
しかし、米国NIA (国立老化研究所)による研究では、老若アカゲザルで行われたカロリー制限で寿命は改善しなかったことが判明し、National Primate Research Centers(国立霊長類研究センター)の一つであるウィスコンシン研究センター(WNPRC)が発表した“大人のアカゲザル(7-14歳)の実験で、30%のカロリー制限をすることで生存が延びた”という研究報告とは対照的となっている。

長年をかけてWNPRCと並行研究が広範囲に行なわれてきたが、WNPRCが齧歯類の実験の域を超えて、長命霊長類まで研究拡大したことは、重要な意味があると考える。

本研究は、健康効果、死亡率及び罹病率と、齧歯類の研究で示されたものとは切り離して、ヒト以外の長命霊長類でのカロリー制限による延命効果には、環境、栄養成分、遺伝学といった多様な因子が強い影響を与えることを示唆している。

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<News & Comment>
Calorie restriction falters in the long run
Genetics and healthy diets matter more for longevity.

カロリー制限は長期的には疑義あり!
遺伝学と健康な食生活が、長寿のためにはもっと重要である!

“これまで25年間を費やした研究を通じて、実験対照群より摂取カロリーを30%制限することで、アカゲザルの老化を遅らせ得ることが分かり、単に食事が老化を遅らせる引き金である”という意見への逆説として、Natureに今週発表されたNIA研究結果は、長寿のためには、単純なカロリー計算より遺伝学および栄養の組成が、もっと重要であることを示唆している。

約三十年前にメリーランド州ベセスダNIAに在籍中に、研究設計を担当したルイジアナ州立大学の老年学者Don Ingram氏は、"単純なカロリー減少が、そのような広範な変化を引き起こすと考えることは注目すべきことであった“と言っている。その関連話として、NIA資金提供によるサルの研究が始まったとき、短命の動物におけるカロリー制限の研究は、そのつながりを暗示していた。回虫の実験では飢餓が長生きさせることがわかった。その他にラットの研究では、餌を減じたラットは光沢のある毛並で若々しい活力を維持した。さらに、最近の分子研究では、カロリー制限或いはまたはそれを模倣した化合物が、老化を遅らせる実質的な効果を持つ遺伝子発現の変化のカスケードの引き金となるかもしれないことを示唆していた。

マディソンのウィスコンシン国立霊長類研究センター(WNPRC)で1989年に始められた研究は、2009年に “カロリー制限がアカゲザルの寿命を延ばした”と結論付けられた。
その研究では、加齢に関連する原因で死亡したダイエット群は13%で、対照群では37%であったことが報告されているが、その違いの理由の一つは、WNPRCの実験では不健康な食事が用意されており、カロリー制限群のサルが健康的だったのは、単に不健康な食事を少なく食べたからに過ぎないと考えられる。 WNPRCサルの食事はスクロースを28.5%含んでいたが、NIAでは3.9%であった。
一方、 NIAの食事は、魚の油や抗酸化物質が含まれていたが、WNPRCの食事は含まれていなかった。WNPRC研究を率いた老年学者Rick Weindruchは、“実験で用いた食事は、恐らく全体的に健康的なものではなかった”と認めている。

更に、WNPRC研究の対照群は、食事は無制限で恐らく沢山食べたと思われ、NIAでは一定量の食事が与えられた。WNPRC対照群はNIA対照群よりも重量が増えていた。
総じて、WNPRCの研究結果は、カロリー制限したことより、むしろ対照群に不健康な食事を与えたことが反映していると考えられる。
我々が研究を始めた時は、定説は“カロリーはカロリーである”ということだった。
“サルが食べたカロリーのタイプが大きな違いを生み出したことは明らかである”と、Ingram氏は言っている。

“カロリーはカロリー”という定説の下で、マウスでカロリー制限を研究するリサーチャー達は、血統間の遺伝的多様性に起因する混成結果に慣れっこになっていた。NIAのサルはインドや中国の血統筋で、WNPRCのサルはすべてインドであった。

マサチューセッツ州ボストンのハーバード大学医学部の遺伝学者David Sinclair曰く、カロリー制限の分子の影響も複雑である。キーとなる経路は動物により変わるので、老化が単一の遺伝子または単一の分子経路を標的することによって遅らせるという期待は薄れており、長寿のネットワークを整理するには10年はかかるかもしれないと言っている。

一方、カロリー制限がヒトの老化を遅らせるエビデンスは不十分である。
多くの観察研究が、平均体重の人が最も長く生きる傾向があることを示している。
ニューヨークのアルバート•アインシュタイン医科大学の老年学者Nir Barzilaiは、彼が研究対象としている百寿者は、遺伝学は食生活やライフスタイルよりも重要であると信じていると云っている。
因みに、彼は"彼らはぽっちゃり型だ"と付言している。

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