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zoom RSS 第954回 筋トレ負荷およびアナボリックホルモンは筋肥大/筋力アップの決定因子ではない

<<   作成日時 : 2016/08/07 12:18   >>

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Resistance Training(RT=レジスタンストレーニング=筋トレ)が筋タンパク同化を促すことは御貴承の通りで、これまで筋肥大を最大化するには高負荷/低回数で行うことが推奨されています。カナダMcMaster大学のStuart Phillips et alはこの定説にメスをいれるべく、 低負荷(1RMの30%)でもオールアウトつまり疲労限界まで回数を行えば、高負荷(1RMの90%)のケース同様に筋肥大する旨の研究報告を2012年に発表 しました。しかし、トレーニング歴のない被験者を用いたこと、片方ずつ行うユニラテラルのレッグエクステンションだったことなどを指摘する声もあがりました。今般、Stuart Phillips et alはこれらの点を踏まえて、トレーニング歴のある若い男性を被験者とした全身RTの条件設定下で、筋肥大と筋力アップに低負荷/高回数による効果が得られるかどうか、加えて、運動後のホルモン濃度は筋量/筋力の変化と相関するかを調査しました。

画像


Journal of Applied Physiology
2016 Jul1
Neither load nor systemic hormones determine resistance training-mediated hypertrophy or strength gains in resistance-trained young men

トレーニング経験の無い若者を被験者として、片方ずつ行うユニラテラルでレジスタンストレーニングを高負荷or低負荷でやってもらったところ、筋肥大と筋力アップは両者同様の結果だったことを先行研究で報告した。

今回はトレーニング経験者に高負荷or低負荷で全身レジスタンストレーニングをやってもらい、筋肥大および筋力アップ並びに運動後のホルモン濃度との関連について調べた。

レジスタンストレーニング歴のある49名の男性(23 ± 1歳)を無作為に二つのグループに割り付けた。
高回数群(24名):1RMの〜30-50%の負荷でセット当たり20-25レップス
低回数群(25名): 1RMの〜75-90%の負荷でセット当たり8-12レップス
両群共に、レッグプレス、ベンチプレス、レッグエクステンション、ショルダープレスをオールアウトまで行った。
実験期間:12週間

骨格筋生検、筋力テスト、二重エネルギーX線吸収スキャン、及び全身ホルモン濃度の急性変化をトレーニング前後に行った。

1RMは両群共にベンチプレスを除く全種目で高まった(P < 0.01)
ベンチプレスでは高回数群9 ± 1kg、低回数群14 ± 1 kgだった(P = 0.012)

体脂肪と骨を除くLBM及びタイプTとタイプUの筋繊維の断面積はトレーニング後に増加し(P < 0.01)、有意な群間差は認めらなかった。
トレーニング後のアナボリックホルモンの高まりと筋量/筋力の変化との有意な相関性は認められなかった。

纏めると、トレーニング歴のある若い男性を被験者とした全身レジスタンストレーニングに於いても、高負荷/低回数および低負荷/高回数いずれもオールアウトすれば筋タンパク同化/筋肥大に同様の効果があることが分かった。
筋力IRMはベンチプレスを除いて両群間で有意差は認められなかった。
加えて、もう一つのカギとなる発見は、筋量および筋力の増強は運動後のアナボリックホルモン(テストステロン、成長ホルモン、IGF-1)濃度とは相関していなかったということである。

チームメンバーのMortonは、これらアナボリックホルモンは筋量増加には不可欠なものと信じられているが、これは全くのウソである。このような考え方は改めていく必要があるとScience Daily誌で語っている。

Stuart Phillips et alは、基礎にあるメカニズムがどのように作用しているのか、このトレーニング方法がどのような人たちに有効かなどを含めて、今後この領域について更なる研究を奨める必要であると締め括っている。

マイコメント
トレーニング歴のある被験者による研究は上記が初めてではなく、Schoenfeld BJ et al.が1.5〜9年のトレーニング歴のある若い男性24名を対象として実施しています。フラットベンチ、ミリタリープレス、ワイドグリッププルダウン、シーテッドケーブルロウ、バーベルバックスクワット、マシンレッグプレス、マシンレッグエクステンションを周3回x 8週間行い、“低負荷レジスタンストレーニングでも高負荷と同様の筋肉の成長が認められた”ことを2015年10月に報告しています。Schoenfeldは論文発表に先駆けてLyle McDonaldに論文コピーを送り意見を求めています。詳細は第853回 低強度 vs 高強度筋トレによる筋量アップ効果で詳述しているのでご参照願いたい。

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