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zoom RSS 第956回 ダイエットで低鈍した代謝率は長期化する?

<<   作成日時 : 2016/08/15 13:01   >>

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前回に引き続き、国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDK)Dr Kevin D. Hallの研究論文をもう一つ紹介します。彼は米国TVダイエット番組 “The Biggest Loser” の参加者を6年間追跡調査しました。30週間のダイエット終了時に体重は58.3 ± 24.9 kg減少し、1日の安静時代謝率も610 ± 483kcal減少しました。しかし、6年後には体重は再増加したが、安静時代謝率は同じ年齢/体格の人たちと比べて、499kcal/日も低かったことが報告されています。

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Obesity
2 MAY 2016
Persistent metabolic adaptation 6 years after “The Biggest Loser” competition

目的:
TV “The Biggest Loser” コンテスト参加者の安静時代謝率(RMR)と体組成の長期的変化を測定すること。

方法:
体組成は二重エネルギーX線吸収によって、安静時代謝率は間接熱量測定によって、ベースライン、30週間のコンテスト終了時、および6年後にそれぞれ測定した。


結果:
“Biggest Loser”コンテスト参加者16名の内14名を追跡調査した。
コンテスト終了の時点では、体重は58.3 ± 24.9 kg (P < 0.0001)減少し、安静時代謝率は610 ± 483 kcal/day (P = 0.0004)減少した。
6年後には、体重は41.0 ± 31.3 kg (P = 0.0002)リバウンドしており、安静時代謝率はベースライン時よりも704 ± 427 kcal/day(P < 0.0001)低くかった。代謝適応は−499 ± 207 kcal/day (P < 0.0001)、つまり、同じ年齢/体組成の人の平均値と比べて安静時代謝率は1日当たり−499 ± 207 kcal低くなっていた。
体重の再増加はコンテスト終了の時点では代謝適応と有意に関連していなかったが(r = −0.1, P = 0.75)、6年後により大きな減量を維持している人は、同時に代謝の低下も大きかった(r = 0.59, P = 0.025)

結論:
継続的に減量努力を続けると、落ちてしまった代謝率は身体が十分に適応して経時的に解消されていくものではないようである。

ご参考
2型糖尿病の患者向けインターミッテント・ファスティング/低炭水化物高脂肪ダイエットのエキスパートとして著名なカナダの腎臓専門医Dr. Jason Fungは、Dr Kevin の 下した“スローダウンした代謝率は経時的に回復しないという”結論に対して激しく異論を唱えています。彼が引用している資料の中から胃バンディング/バイパス手術に関する研究論文を二つ挙げておきます。胃外科手術では代謝率の落ち込みも緩く、回復も見られたことが報告されています。

Am J Clin Nutl' 2003 ;78:22-30
Long-term changes in energy expenditure and body composition after massive weight loss induced by gastric bypass surgery

肥満外科手術はファスティングダイエット同様にカロリー摂取を厳しく制限します。しかし、下表が示す通り、安静時代謝量はベースライン62.7%/追跡調査64%で有意な変化は認められていません。

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Obesity 2014 Dec
Metabolic adaptation following massive weight loss is related to the degree of energy imbalance and changes in circulating leptin

Biggest Loser(BLC)に比べて、RYGB (胃バイパス手術)での代謝率の落ち込みは緩やかで、且つ、経時的に回復しています。

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マイコメント:
この種のニュースがダイエッターのやる気を削ぎかねない惧れがあることは否定しませんが、研究の目的が、テレビ番組 “The Biggest Loser” コンテスト参加者の安静時代謝率(RMR)と体組成の長期的変化を測定することと明記されています。いちゃもんばかり付けずに、今後の研究の叩き台の1つとして前向きに捉え、ひいては之を凌駕するシステマティックレビュー/メタ解析を発表してもらいたい。プライベートなブログで述べる専門家のコメントや意見は、エビデンスのヒエラルキーとしては低い。

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