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zoom RSS 第957回 肥満の真犯人はインスリン?

<<   作成日時 : 2016/08/23 17:53   >>

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Harvard Medical School教授、Nutrition at Harvard T.H. Chan School of Public Health教授、New Balance Foundation Obesity Prevention Center at Boston ダイレクターを兼任するDr. David Ludwigは、肥満関連疾患の食事療法としてグリセミック負荷(GL値)を考え出したことでも知られており、炭水化物に関する一流の専門家です。
彼は、「肥満の主たる動因は、カロリーそれ自体の超過ではなく、遊離糖/ 精製穀物/その他の加工された炭水化物のような高GI食品の過剰摂取である」と主唱しており、この考え方を広めるため ‘Always Hungry’ という著書を出版しています。

それでは、ニューヨークタイムズ紙に彼のインタビュー記事が掲載されているので紹介します。

Q. この本の基本的なメッセージは何でしょうか? 

A. 根本的な前提は、過食があなたを太らせるということではありません。肥るプロセスで過食するのです。過激な発言に聞こえるかも知れないが、まさに1世紀に亘るサイエンスがこの考え方をサポートしています。これまで言われてきたように単純にカロリーを減らすやり方では、実際には状況を悪化させます。我々の体はカロリー制限への応答として空腹感を高め、且つ、代謝を低鈍させます。これはカロリーを節約しようとする生体反応なのです。そして標準的な低カロリーの食事では減量はますます難しくなっていき、延いては精神的な葛藤が生じます。


Q. しかし、我々みんな肥満は食べ過ぎによって引き起こされると言われてきました。
事実はそうではないのですか?


A. 私たちは肥満を過剰の状態と考えていますが、実は飢餓の状態に似ているのです。つまり、脂肪細胞に非常に多くのカロリーが貯蔵され、血中のカロリーレベルが低下しすぎると、脳はこの状況を解消しようとして空腹感を高め、過食することで一時的に気分がすっきりします。しかし、脂肪細胞に多量なカロリーの蓄積が続くと、食べ過ぎ→体重増加という終わりなき悪循環から抜け出せなくなります。こういう状況でカロリーを制限してもうまくいきません。


Q. 詰まるところ体重減少はカロリーイン/カロリーアウトに尽きるという社会通念とは非常に異なっています。

A. その通りです。喩えればアイスバスで熱を下げようとしているようなものです。
高熱で病院に行ったとしましょう。医師いわく、体熱はヒートバランスの問題である、つまり、体内が非常に熱くなり、体外に十分に放熱されていないのだと。これは物理的な見地からは事実です。そこで医師はあなたをアイスバスに入れることにしました。これは一時的には動作し熱は下がります。しかし、何が起こるか考えてみてください。あなたの体は激しく震えて収縮した血管は元に戻ろうとし、あなたは惨めな気持ちになってアイスバスから早く出たいと思うでしょう。アイスバスが熱冷ましに一般的な療法として行われていないのはこういう理由からです。


Q. あなたならこの喩え話の中で、どのように根本的な原因を治療するのですか?


A. もっとはるかに効果的な方法は、アスピリンのような薬を使用して低下させることです。
生物学を取り入れて正しい方法で食べると、上述の熱冷ましのように体重は自然と減少します。


Q. 過食ではないとするなら、肥満の根本的な原因は何ですか?

A. それは40年間に亘って食べてきた低脂肪/超高炭水化物食でインスリンレベルを高めます。インスリンは脂肪細胞へのカロリー貯蔵を過度に促します。わたしはインスリンは究極の脂肪細胞の肥料であると思っています。

1型糖尿病の人はインスリン産生能力が損なわれているので血糖値が高い。かれらの体重は常に減少している。1日5,000kcal摂取しても体重は減少する。彼らはインスリンがないと太ることが出来ないのです。逆も真なりで、糖尿病の人にインスリンを大量に与えると彼らの体重は必然的に増えるでしょう。

我々の体はインスリンによってカロリーを貯め込むようにプログラミングされており、カロリーの殆どは脂肪細胞に貯蔵される。もしあなたが多量のインスリンを持ったなら多量のカロリーが貯蔵される。このことはしっかりと科学的に確立されています。


Q. 肥満患者のインスリンはどうやって下げるのですか?

A. インスリンを低下させる最も簡単な方法は、食事から加工された炭水化物を減らしタンパク質と脂質を正しいバランスで摂ることです。高脂肪食は本当に代謝を変えるための最速の方法です。インスリンを低下させ、脂肪細胞を落ち着かせ、あなた方を空腹/渇望/過食のサイクルから解き放ちます。


Q. あなたが提唱しているプログラムはアトキンスダイエットであるように聞こえます。

A. いいえ、違います。アトキンスダイエットは超低炭水化物ダイエット(いわゆる糖質制限)で炭水化物はおろか果物も多く食べれません。多くの人はそんな厳しいダイエットを望まないし恐らく続けていくのに消極的でしょう。私としては、2型糖尿病のような非常に厳しい代謝問題を既に有する人たちを除いて、そんな制限的な療法は通常は必要ないと思っています。


Q. このプログラムではどのように取り組むのですか?

A. 私たちのプログラムは次の3つのフェーズに分かれます。
先ず、2週間は加工された炭水化物、加糖、総ての穀物製品を摂らないように指導します。
食する炭水化物は非デンプンの野菜、果物、豆類に限定します。
2週間後はホールカーネルの穀物、ジャガイモ(ホワイトポテトを除く)および少量の加糖の摂取は可とします。より低いセットポイントに至るまで行います。期間は数週間かも知れないし、顕著な体重問題を抱えている人なら何ヶ月もかかるかもしれない。


Q. 飽和脂肪酸についてはどのように考えていますか?

A. 飽和脂肪酸は公衆衛生の1番の敵ではないと考えています。とは言っても必ずしも健康食食品ではありません。飽和脂肪酸の種類は多数で体への影響も異なります。加工された炭水化物を減らしインスリンレベルを下げると、飽和脂肪酸を食しても早く燃焼するし体の周りにくっつきません。飽和脂肪酸について良いか悪いかと考えるのは止すべきです。
我々の食事プランはホールフード(自然食品)に基づいており、飽和脂肪酸も含まれています。しかし、オリーブオイル、ナッツ、アボカド、アマニ油などの一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸を多く摂るようにバランスは考えてください。


Q. 最後に、人々がこの本から何を得ることを望んでいるのですか?

A. カロリーカットすることで減量はいっそう難しくなり精神的な葛藤が生じますが、我々は体重増加の根底にある動因に対処すべく向かっていくつもりです。カロリーカットでバイオロジーは変わりません。バイオロジーを変えるには食べる食品の種類を変えなければならない。

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第172回 食事のバランス

ご参考:
GuyenetAlways Hungry’ に異論を申し立て、これにLudwigが応答しています。面白いと思うので追って詳しく紹介する予定です。






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