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zoom RSS 第959回 新説 “Insulin-Carbohydrate Model” Part-2

<<   作成日時 : 2016/08/28 16:36   >>

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Dr David Ludwig vs Dr Stephan Guyenet
Dr David Ludwig vs Dr Kevin Hall

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Ludwig Responds to Whole Health Source Article

(注)グリーン文字はGuyenetの反論です。

7. 高インスリンが主として肥満をもたらすのであれば、体重減少は正のフィードバックプロセスでしょう。言い換えれば、体重が減少するに連れて、更なる体重減少が容易になります。なぜなら、減量自体が食間および食後の両方で、インスリンレベルを低下させるからです。(15,16)
しかし、私たちの観察では反対に、インスリンレベルの低下(負のフィードバックプロセス)に関係なく、減量すればする程にいっそう難しくなります。

上記の理由付けは、インスリンレベルとインスリン作用を合成しています。
従来の食事方法に基づく減量では、脂肪細胞はインスリンに対して感受性を高めますが、もし食事が高GI値の儘だったら、インスリンの過剰分泌をもたらし、脂肪細胞へ非常に大きなアナボリック効果を及ぼします。その結果、脂肪の貯蔵レベルが標準以上であっても、飢餓の生理機能・・・空腹感の高まり/代謝率の低減/ストレスホルモン産生の昂進といった状態・・・に体を押しやり、カロリー供給の増加ポーションは脂肪となっていきます。
これがほとんどの人が体験するカロリー制限について回る困難(いわゆる停滞期)といえます。


8.血中のグルコースとインスリンを高レベルに導く食品は、結果的に空腹感をよりく高めることにはなりません。一般的な食品38品目を調べた最も包括的な研究によると、GI値とその後の空腹感の間には関連性は認められず、インスリンレベルと空腹感は逆相関することが分かっています。つまり、インスリン分泌を高めた食品は満腹感をもたらす傾向があったということです。(17)

高GI食の代謝問題は食後数時間で生じます。 Guyenetが引用した文献は20年前のもので食後2時間の血糖とインスリン反応を調べたものです。
広範囲に亘ってレビューしたように[Ludwig]、高GI食品の持つ代謝問題は食後遅いタイミング(3〜5時間くらい)、つまり、代謝燃料の可用性が減少したときに出現します。[Ludwig, Walsh, Ludwig, Roberts]
初期効果(血糖値の高騰)と遅れて現れる効果(代謝燃料の減少)を識別できていない分析は有益ではないでしょう。


9.血糖値とインスリン変動(低血糖)を低減する食事は、体重管理に効果的な方法ではありません。このことは2ヶ月以上の RCTsで繰り返し示されてきました。(18、19、20、21、22、23)
その中には、Ludwigグループによる18ヶ月の研究が含まれ、低GI食が標準的な低脂肪食と比べて体重、脂肪減少、並びに被験者の満足度が同様であることが示されています。(24)
これらの研究は、繊維含有量/カロリー密度/タンパク質/美味の交絡栄養因子を大抵はコントロールしていません。換言すると、低GI食は大抵がホールフードベースとなっています。


食事に関する行動研究の多くは推測を制限しておりノンコンプライアンスに苦しみます。主要栄養素と体重についての長期的な行動研究の多くは、介入の不十分さや長期的な行動変容に固有の課題が原因となって、有意な群間差を見いだせていません。
従って、これらの研究が減量について目を見張るような群間差を示していないのも驚くことではありません
確かに私たちはもっと良い行動方法を考え出す必要がありますが、食事の本質的な有効性は、食事を割り付けるfeeding試験のようなより質の高い研究が必要であると理解します。

2年間の食事介入試験+4年間の追跡調査を行ったイスラエルの DIRECT研究やDiOGenes研究などベストで最大規模の研究群が、低炭水化物食と低GI食の優位性を非常に明確に示しています。[Shai, Larsen]
加えて、Guyenetは我々の18ヶ月の臨床実験における主要な発見 “Insulin-Carbohydrate modelへの特別な関連性” を無視しています。

1999年に私たちはInsulin-Carbohydrate modeの主旨として次の点を強調しました。
・インスリンの分泌や作用を高める諸要因が肥満を促すのかも知れない
・恐らく遺伝的な理由からであろうが、グルコースに際だった反応を示す人たちは、食事のGI値に特に敏感であろう。[Ludwig]

橋渡し研究、観察研究、およびfeeding研究がこの仮説をサポートしています。これらの研究群で分かったことは次のとおりです:

インスリン分泌は、高GI食を給餌した齧歯類の間で体重増加のばらつきがあったこと(R2 = 0.84, P < 0.0001)、低GI食を給餌した齧歯類の間ではばらつきがなかったこと(R2 = 0.003, P = 0.94)を予測した。[Pawlak]

Quebec Family Studyでは、インスリン分泌は、低脂肪/高GI食グループでは6年間の体重増加(R2 = 0.26, P < 0.0001)と腹囲の変化(R2 = 0.30, P < 0.0001)と関連したが、高脂肪/低GI食グループでは認められなかった。(P > 0.05) [Chaput]

我々の18ヶ月の臨床試験では、高インスリン分泌の人が低脂肪食より低GI食で有意に大きな体重減少を示したように、インスリン分泌は食事への反応に影響した。[Ebbeling]

インスリン分泌は、体重減少後に体組成の変化とは関係なく代謝(REE)との逆相関を予測した。[Hron]


10. 世界的に数十億の人たちが高GI食をとっているが太ってはいない。多くの伝統的な食事はデンプン比率が非常に高く低脂肪である。もし高血糖とインスリンスパイクを促す食品が肥満の主要因子であるとなら、これらの人々は肥満ではないでしょうか?          

異なる集団を比較する所謂「生態学的」研究は、最も質の低い疫学的データを含みます。中国の農民によって消費される白米はかれらを飢餓にならないようにするが、他の集団における効果については何も言っていません。さて、これらの人たちは都市に移動し高炭水化物食を取っているが、ハイレベルの身体活動をないがしろにし、肥満と糖尿病の割合が急騰している。すべての低脂肪食が本質的に不健康であると言うことではありません。
1970年代の初めに、米国人が脂質摂取を減らしたように、彼らもまた、ホールフルーツ、非デンプン質の野菜、或いはマメ科植物ではなく、高GIの穀物、ポテト、加糖を増やしています。


11. 私たちの脂肪細胞は血流から脂肪を吸収しているので、食欲が増加する/エネルギーレベルが低下するというエビデンスはありません。
このようなプロセスが実際に一般的な肥満で起こっていることを証明する論文は存在すると考えておられるようだが、Gary Taubesとあなたの作品を数多く読んだにも拘わらず、憶測や類推より具体的なものは見つかりません。わたしが出会った具体的な文献(上記item3&4)はあなたの主張と対立しています。


既存のパラダイムは役に立ちません。新しい考え方をする時がきました。
カロリーイン/カロリーアウトmodelでは、「体重コントロールは単に ’eating a bit less, and moving a bit more‘ すればよい。現代の食環境は多くの誘惑を醸し出しているけれども、それは最終的には意志力の問題だ」と言われています。

この考え方は、長期的な意思力よりバイオロジー(生物学)によってコントロールされていることを示す1世紀に亘る研究を無視しています。
実際に、政府栄養専門家食品業界がカロリーバランスに焦点を置き鋭意取り組んでいるにも拘わらず肥満は蔓延し続けています。

更に悪いことに、従来のモデルではカロリーバランスのコントロールが出来ない肥満者を責めます。カロリーバランスを意識的にコントロールするのが非常に重要だったら、1世紀前にカロリーの概念が創られる以前では我々はどのようにして大きな体重変動を避けたのだろうか?

これに対して、Insulin-Carbohydrate modelは上述したように堅牢な科学に基づいて創られたものです。要約すると次の通りです。

・体はカロリー制限に対して空腹感を高め代謝率を下げて抗う。
これは減量の維持を経時的に難しくさせる生物学的な適応である。

・脂肪細胞が関与する代謝不全は、少なくとも或る肥満モデルにおいて、過食に先行することが断定的に示されている。

・高インスリン血症は脂肪組織でのカロリー貯蔵を促し、血中のカロリー濃度を低下させ、過食を引き起こし、延いては長期的な体重増加を引き起こす。
高インスリン血症の状態では、食事摂取量を制限することで体重増加の速度を減少させることができるが、過剰な脂肪蓄積は妨げない。

・高度に加工された炭水化物は、他のどんな食品よりもインスリン分泌を高める原因となり、体重増加と最も関連することがベストのコホート研究で示されている。[Mozaffarian]

・低脂肪食に比べて低GI食に利点があることが最も質の高い減量食の試験で示されている。

・GI値を低くすると体重減少に拮抗する生物学的な適応(エネルギー消費の減少を含む)を低減するように思われる。[Pereira, Ebbeling]

それ故に、Insulin-Carbohydrate modelは、カロリー制限が人体で欠乏の状態、延いては飢餓の特徴・・・空腹感の高揚やエネルギー消費の低減・・・を引き起こすことを主張します。
これは食事の質を高めること・・・特に高度に加工された炭水化物の摂取量を減らすこと・・・によって和らげることが出来、延いては長期的な体重減少をよりスムーズにもたらしてくれます。
殆どの肥満者は減量を達成せんとする強い欲求を持っています。しかし、従来型ダイエットでは上手くいかなくなると、それは意思力の欠如の問題であると責められる。Insulin-Carbohydrate modelではもっと尤もらしい説明を提供します。

もちろん、肥満の原因追及と個体差を完全に理解するには更なる多くの研究が必要でしょう。その時まで肥満関連疾患の公衆衛生の危機に対して、我々は新しく且つもっと有効な可能性のあるアプローチに広い心を持ち続けなければならない。


追記:
国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所Dr Kevin Hallによる研究論文に対しても、Dr. David Ludwigは、”Defense of the Insulin-Carbohydrate Model Redux: Response to Kevin Hall 2016 July 6” で異議を唱えています。
そこでは、当該研究はクロスオーバーデザインとなっておらず単なるパイロット研究に過ぎないこと、試験期間が十分でないことなどが指摘されています。しかし、本研究は代謝室で被験者を24時間に亘って完全管理していることを忘れてはいけないでしょう。
また、Metabolic Advantage についても言及しており、「低脂肪/高炭水化物食では10〜15%の減量後に代謝率が落ち込みましたが、低中炭水化物食は然にあらず、約325kcalの群間差が見られたとのことです。
確かにJAMAには、トータルエネルギー消費量の落ち込みは、低脂肪食(mean [95% CI]、-423 [-606 to -239] kcal/d)、低GI食(-297 [-479 to -115] kcal/d)、超低炭水化物食(-97 [-281 to 86] kcal/d)と記載されていますが、安静時代謝量の落ち込みは低脂肪食(mean [95% CI] , -205 [-265 to -144] kcal/d)、低GI食(-166 [-227 to -106] kcal/d)、超低炭水化物食(-138 [-198 to -77] kcal/d)で差は非常に小さくなっており、因みに、この研究では主要評価項目は安静時代謝量で、トータルエネルギー消費量は副次評価項目です。
加えて、metabolic advantageは低炭水化物ではなく、高タンパク質によるものだという研究報告もあります。
その他の内容は概して上記と同じなので、全文和訳は割愛することとしますが、いずれにせよ、Ludwigの反論がブログ記事であるのに対して、Kevinの仮説はAmerican Journal of Clinical Nutritionで公開された研究論文でありエビデンスとしての重みがちがいます。

最後に、
当該論争に対するマイコメントは詳述すると余りにも長くなるので、追って別の機会にしたいと思いますが、それはさて置いて、あなたはDr David LudwigのInsulin-Carbohydrate modelに納得しましたか? 或いは、あなたならどう反論しますか?






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