第65回 加齢と筋力低下

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高齢者と若者の筋肉疲労
Medicine & Science in Sports & Exercise掲載記事(2011年4月)
若者に比べて高齢者の筋肉疲労は、特に肘屈筋と膝関節伸筋の等尺性筋活動では少なかった。
しかし、激しい筋収縮活動では、特に筋力が低下した時に、高齢者の筋肉疲労が大きかった。
筋肉疲労のメカニズムを解明する為には、後者の結果を検証する研究が必要であると、研究者は結語しています。

参照資料
American College of Sports Medicine
「Systematic Review and Meta-Analysis of Skeletal Muscle Fatigue in Old Age」

加齢によって、筋グリコーゲンの代謝サイクルの鈍化や、耐乳酸能力の低下が生じることは十分に考えられることです。
ちなみに、運動中の筋肉の活動様式は3形態あります。
(1)アイソメトリック(等尺性筋活動):筋肉の長さが変化しないで力を発揮する
(2)コンセントリック(短縮性筋活動):筋肉が短く収縮しながら力を発揮する
(3)エキセントリック(伸長性筋活動):筋肉が伸ばされながら力を発揮する

高齢者の筋量・筋力の低下
加齢に伴う筋量及び筋力の低下に関しては、第30回の「骨格筋とインスリン実作用」を参照してくだい。
ノッティンガム大学のMichael J Rennie教授、Dr Emilie A Wilkesが率いる研究チームは、サルコペニアの研究を通じて、インスリンが筋タンパク質の分解を抑制すること、更に、このようなインスリンの作用は、加齢とともに鈍化することを発見しました。
サルコペニアとは、加齢に伴い筋肉量と筋力が著しく低下していく事をいい、これが高齢者の転倒や骨折の大きな原因だと考えられています。