第132回 ダイエット誇大広告にウンザリ!


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インターネットGoogleで「ダイエット」を検索してみると、ダイエット食品や器具、エステ、経験談など、検索結果の件数は、何と3億件以上もあるので、びっくりしました。それだけ多くの人達の関心事だからなのでしょう。勿論、全てを読んだわけではないですが、これらの多くに共通した特徴としては、出っ張ったお腹に悩む肥満のオジサンや、スリムで美しい姿になることに憧れている多くの女性たちの、ハートを掴むために、「ダイエットは、長くかかるし、とても辛いもの」というイメージを覆して、薬事法違反スレスレで、最大限にセンセーショナルな表現をしています。
誰だって楽をして、簡単に短期間に痩せられる方法があれば、それが一番です。
だからツイツイ甘い口車に乗ってしまって、失敗した人も少なくはないでしょう。

医薬品の場合は、医薬品副作用モニター制度や薬局モニター制度などがあり、厚生省の監視下にありますが、健康食品は社会的な規制が殆どありません。最近流行のアフィリエイトも企業の巧妙な販売戦術の一つです。個人がブログで商品を紹介し、売れたら企業が報酬を支払うというやり方で、個人は薬事法など眼中になく、お小遣い欲しさについつい熱が入り、過剰な商品宣伝をしてくれます。それは企業の思うつぼであり、企業は自らの手を汚して罰せられることはありません。

健康、ダイエット及びフィットネスは相互関連するもので、所詮は切り離して考えられるものではありません。しかし、医療的な見地から見た健康増進のための運動は、パフォーマンス向上や減量を追求するものではなく、スポーツやダイエット/シェイプアップ/バルクアップを志向する健常な人に、そのまま適用することには無理があります。身体活動のみならず、摂取についても同様のことが言えます。

東洋医学とダイエット(減量)を標榜する広告も頻繁に目に付くようになりました。東洋医学では、人の体は「心身一如」で、精神と肉体は互いに影響しており、病気とは、生体内の「陰」と「陽」のバランスの乱れに因って、自然治癒カや免疫力が崩れ、異常を起こしているものであると考えられています。換言すると、東洋医学とは、悪いところを根本から癒していこうという医学です。
「対症療法」と言われる西洋医学で治せなかった症状が、鍼灸により改善したことは身を以って体験していますし、経絡・つぼ療法による健康改善・健康増進・未病・病気治癒については異議を唱えませんが、ダイエット(減量)に直接的な急性効果があるとは蓋し言い過ぎです。

更に、ダイエット&フィットネスに関する生化学情報の中には、「定性的」に間違っていなくても、「定量的」に意味を為さないものが数多くあります・・・第2回の「筋肉を付けて基礎代謝アップという話は間違い」は一例です。しかし現実的には、健康増進の観点で定性的に間違っていなければ、それを針小棒大にセンセーショナルな表現をし、しかもダイエット&フィットネス関連にまで結び付けて、「定量的」に正しいかのごとく当てはめるケースが頻繁に見られます。

「骨盤ダイエット」、「ハリウッドダイエット」、「エンザイム(酵素)ダイエット」、「ビール酵母ダイエット」、「カプサイシンダイエット」、「ウォーターダイエット」、「コーヒーダイエット」etc/etc・・・数え切れないほど色々なダイエット方法が紹介されていますが、これらは多かれ少なかれ上述した類のものです。一つ一つ反論はしませんが、このブログに一通り目を通せば、それらの問題点を簡単に見抜けるようになります。

これまでのおさらいの意味からも、肥満のキーワードをざっと並べてみましょう・・・インスリン感受性と抵抗性、アドレナリン受容体、脂肪の分解と燃焼(脂肪代謝)の機能、エストロゲンとキセノエストロゲン、アディポカイン、リパーゼ、基礎代謝、血流、運動中のエネルギー消費量と運動後の安静時代謝量、UCP1&3、レプティンと中枢神経ンetc/etc・・・これらが肥満に関連することは事実です。
しかし、医学的/科学的な診断によって、こういった機能に支障があることが判明しているケース、超重度肥満者のケース、あるいはトップアスリートのように極限の体脂肪率を狙う場合には、鍼灸を含む諸々の療術的/対症的/戦略的な方法を取り入れることも検討するに値するでしょうが、あなたが一般健常者で体脂肪率が、男性15-35%、女性22-40%・・・(註)この体脂肪率は米国人のケースで、日本人に関するデータはありません・・・であれば、第1回の「ダイエットとウェイトマネジメント」に書いてあるように、摂取量<消費量の基本に則り、有酸素運動and/orウェイトトレーニングを行えば、女性なら綺麗な脚だけではなく、全身メリハリのあるスマートなボディ、男性であれば筋量アップした引き締まった体型に変身出来ます。
ダイエット&フィットネスを含むスポーツ科学・運動生理学の分野では、米国は一歩も二歩も進んでいます。然るべき科学的エビデンスをベースに、先ずはダイエットの王道を歩みましょう!