第272回 スポーツドリンクの真実


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スポーツドリンクは、“スポーツ”というネーミングから、運動や競技を行う際には飲む必要があるものだと、殆どの人がそのように思っています。ところが、スポーツドリンクにはアスリートのパフォーマンスを有意に高める特別な成分は入っておらず、真実は、体内への浸透をコントロールし、正常な細胞活動に必要な酸塩基バランスを維持する物質である電解質が主成分として含まれています。

スポーツ飲料の種類

ハイパートニック(Hypertonic):
体液の浸透圧より高い。
より多くの炭水化物や電解質を必要とする長距離ランナーなどアスリート向け
例えば、VAAMなどのスポーツ飲料

アイソトニック(Isotonic):
体液の浸透圧とほぼ同じ(等張性)
平均的なアスリート向け
例えば、ポカリ、アクエリアス

ハイポトニック(Hypotonic):
体液の浸透圧より低い。
一般的にアスリートの競技中の浸透圧は2~3%程度まで糖分の浸透圧が低下します。ハイポトニック飲料は、運動時の浸透圧に近い状態に調整されたスポーツドリンクです。
例えば、アクエリアスクリアレモン、ポカリスエットステビア

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浸透圧
溶質(水に溶けている物質)は通さないが、溶媒(水)は通す性質をもつ半透膜を隔てて濃度の異なる溶液が接した場合、低濃度溶液の溶媒が高濃度溶液の方に拡散しようとする現象を浸透現象といい、その圧力を浸透圧といいます・・・日本血液製剤協会

浸透率
体液の浸透圧より低い飲料(ハイポトニック)は体内に早く吸収されます。
体液の浸透圧と同じ位の飲料((アイソトニック)や体液の浸透圧より高い飲料(ハイパートニック)は、体液の浸透圧より低くなってから体内に吸収されるので、ハイポトニック飲料に比べて体内吸収に時間がかかります。因みに、水やお茶は、ハイポトニック飲料と比べて浸透圧はかなり低いです。

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スポーツドリンクの真実スポーツドリンクは運動する人たちには大事なものですが、英国医師会ジャーナルBMJ(British Medical Journal)はJuly19 2012付けの記事 “The truth about sports drinks” で、『科学的エビデンスが十分ではなく、商業主義が先行しているのが実態である』と糾弾しています。
米国では酪農業界から年間3億ドルのお金が、宣伝費/支援金/基金/献金など様々の名目で、栄養士、大学教授、研究者、政治家、スポーツ選手、芸能人など個人や団体に支払われていることはお話ししましたが、同様にスポーツドリンク業界も水和研究の分野で科学者のスポンサーとなっており、スポーツ医学団体や欧州食品安全機関(EFSA)とのいわゆる馴れ合いが指摘されています。
科学者は、「アスリートランナーのレース中のパフォーマンス低下は、トレーニング量の問題ではなく脱水によるものである」と標榜し、更に、「水分補給は身体機能にとって不可欠で、発汗により体重が2%失われると、パフォーマンスに支障が生じ、4%で筋肉の運動作用が低減し、5%で熱疲労、7%で幻覚症状、10%で循環虚脱、熱射病が起こることが、研究結果が示している」と強調しています。
欧州食品安全機関(EFSA)への提出データには、持久運動のパフォーマンス改善効果に関しての明確なエビデンスは示されておらず、更に、「脱水により熱中症を引き起こす」ことを示した報告は、熱中症と脱水を起こすべく設定されているものばかりで、British Journal of Sports Medicineもこれを認め、“現実のフィールド条件に一致した熱中症と運動の関係に関して対照化実験がない”としています。


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肥満の危険性
人体は適温を維持するため発汗し、その過程で電解質が失われます。しかし、ホメオスタシス作用や腎機能によって調整されているので、特にスポーツドリンクを飲んで補充しなくても、そうは簡単に欠乏するものではありません。バランスの取れた食事をすることで、運動や生活活動に必要な量を摂ることが出来ます。

ところが、現実的には運動の如何によらず、ソフトドリンクと同じような感覚で多量に飲まれています。スポーツドリンクに人気がある理由は美味しいからで、多くのメーカーは、電解質を含まない水であっても、甘味料、砂糖、風味、色を添加して消費者を引き付けています。
特に米国で大問題となっている高果糖コーンシロップ(HCFS)が、スポーツ飲料や高カフェインのエナジードリンクにも多量に含まれているので注意を促したいと思います。
因みに、高果糖コーンシロップ(HCFS)は異性化糖、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合異性化液糖と名前を変えて表示されています。
具体的に言うと、アクエイリアスの成分表には“高果糖液糖、果糖”と表示されています!