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zoom RSS 第336回 プラセボ効果は予測・管理できる!

<<   作成日時 : 2012/10/27 16:21   >>

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患者がある療法の有効性をポジティブに期待すると、疼痛を抑制する大脳領域が活性化し、ドーパミンなどの神経伝達物質が、 “プラセボ効果” に関与することが報告されています。
最近では、プラセボ効果は疼痛の分野だけでなく、薬物や臨床試験においても大きく取り上げられていますが、その詳しいメカニズムはまだはっきりしていません
患者が潜在的なプラセボ反応者か同定できると、患者のケアと臨床試験デザインに大きな好影響を及ぼすものと考えられます。

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PLoS ONE
Catechol-O-Methyltransferase val158met Polymorphism Predicts Placebo Effect in Irritable Bowel Syndrome
October 23, 2012

ドーパミンは “報酬” と”痛み”の両方に重要であることが分かっており、ベス・イスラエル・メディカルセンター(BIDMC)とハーバード大学医学部(HMS)が率いる研究チームは、ドーパミン経路におけるカテコール-O-メチル(COMT)val158met遺伝子多型に注目しました。COMT val158met遺伝子多型は、疼痛やパーキンソン病など、多くの症状の原因と治療に関与しており、3種類の遺伝子型グループ(met/met、val/val、met/val)に分かれます。因みに、metはメチオニン、valはバリンのことで、いずれも必須アミノ酸です。
met/met遺伝子型の人は、val/val遺伝子型に比べ、認知、人格の発現、意思決定、社会的行動に関連する脳の領域である前頭前野におけるドーパミン濃度が3〜4倍多いことが分かりました。

研究者は、2008年に行われた過敏性腸症候群(IBS)の患者262名(75%は女性)のプラセボ効果の研究データを基に、被験者を3つのグループに分けました。
プラセボ鍼治療は、20分セッション、週2回、3週間の期間で行われました。

1.ウェイトリスト群(waitlist):未治療
2.プラセボ鍼治療群(limited):ビジネスライクで、且つセラピー利点なし
3.プラセボ鍼治療群(augmented):治療効果を確信した温かいヘルスケアでのプラセボ鍼治療

被験者の遺伝子型と治療の種類を回帰分析した結果

・ウェイトリスト群では、met/met、val/val、met/valの3群で差異はなかった。

・ビジネスライクのプラセボ鍼治療(limited)では、val/val及びmet/valに比べ、met/metで僅かな改善が見られた。

・温かいケアでプラセボ鍼治療を受けた群(augmented)では、met/metはval/valより6倍以上の改善を示した。

・met/metはプラセボ反応の遺伝子マーカーであり、val/valはプラセボ無反応のマーカーと云える。


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この研究結果より、プラセボ反応の遺伝的素因を調べることで、患者の潜在的なプラセボ効果の予測とコントロールが可能となり、将来の新薬開発においても、臨床試験の規模、コストと期間の削減に大きな変化をもたらすものと考えられる。













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