第357回 脂肪吸収をブロックするペプシコーラ!?


定性的な作用を定量的な効果にすり替えて針小棒大に宣伝するのは、今やダイエット業界の常識となっています!
水溶性食物繊維は吸収を抑制しますが、吸収を遅延させるだけの話なのに、いかにもダイエット(減量)に直結するかのようなセンセーショナルな宣伝文句には辟易とします。

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サントリー食品は、490ml入りペプシスペシャルを11月13日(火)から新発売しました。
特長は難消化性デキストリン(食物繊維)の働きにより、食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて排出を増加させ、食後の血中中性脂肪の上昇を穏やかにするコーラ飲料と謳っています

難消化性デキストリンとは、じゃがいもやとうもろこしなどのデンプンをアミラーゼで加水分解し、未分解物より難消化性の成分を取り出し、精製させた水溶性食物繊維(合成食品)のことですが、その効果についての科学的根拠は不十分であることが指摘されています。
そんな合成食物繊維入りのペプシを、げっ歯類での実験結果のみを以て人間にも安全かつ効果的であるとし、而もトクホ(特定保健用食品)として消費者庁が許可していることに、米国では驚きと批判の声が上がっています。
おまけに、有害と見なされている砂糖や甘味料の含有量については、なぜか公表が遅れており、不信の目が注がれています。
レストラン・映画館・劇場・フードサービスで、16オンス(473ml)以上の砂糖・甘味料入りのソーダの販売が禁止された矢先のニューヨークでは尚更のことです。

栄養スペシャリストのMelina Jampolis医師は、「自然食品のオート麦、大麦、アブラナ科の野菜、種子類、リンゴの皮は、確かにコレステロールの吸収抑制の足しになるが、合成の水溶性食物繊維の難消化性デキストリン入りのペプシに関するエビデンスは存在しない」と云っています。
更に、“synthetic fibers to unhealthy foods and drink is like putting lipstick on a pig”、つまり「不健康食品に合成食物繊維を加えて飲むのは、豚に口紅を塗って装うのと同じである」、換言すると、“ソーダはソーダに過ぎず、それ以上の何物でもない”と非常に手厳しい。

参照記事:
Forbes誌 2011年11月13日
Pepsi's New Fat Blocking Soda Unleashed On Japanese Consumers
Yahoo News 2011年11月14日
Pepsi now selling ‘fat-blocking soda’

マイコメント:
特定保健用食品としては、キリンのメッツが先導しています。
その他のソフトドリンクやスポーツドリンクも、きっとトクホとして許可がおりるのでしょう。
トクホって、いったい何なんでしょうかね!
食品業界のロビイストの政治的/商業的な思惑が底流しているように思えます。

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アップデート2013.3.30
NYCのブルームバーグ市長の16オンス禁止令は、ニューヨーク州最高裁が2013年3月11日付けで差し止め判決しました。

参照記事:
ウオール ストリート ジャーナル
“NY州裁判所、特大サイズ炭酸飲料規制に無効判決”