第437回 朝食 vs 肥満(思春期の女性)


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American Journal of Clinical Nutrition
2013 Feb27
Beneficial effects of a higher-protein breakfast on the appetitive, hormonal, and neural signals controlling energy intake regulation in overweight/obese, “breakfast-skipping,” late-adolescent girls

背景:
朝食抜きは思春期の一般的な食習慣で、肥満に強く関連付けられている。

目的:
朝食を抜いているポッチャリ型や肥満の若い女性が朝食を摂るとしたら、高タンパク質の朝食の方が、標準タンパク質の朝食に比べて、食欲、満腹感、食品モチベーションと報酬系、夜の間食の点で日々改善につながるかどうかを検討する。

デザイン:
無作為化クロスオーバーデザイン
試験期間:一週間
20名の女子(平均年齢:19±1歳、BMI: 28.6±0.7)を三つのグループに分けて、6日間の朝食を次の通りとした。

NP群:穀物ベースの標準タンパク質(タンパク質13g)の朝食350kcal
HP群:卵と牛肉がリッチな高タンパク質(タンパク質35g)の朝食350kcal
BS対照群:従来通り朝食抜き

7日目は試験日として、食欲と満腹感のアンケート、採血、夕食前の摂取感覚行動について脳MR検査、任意で夕食、夜の間食について10時間のテストを実施した。

結果:
高タンパク食/標準タンパク食に拘らず、朝食を食べることでBSに比べて毎日の空腹感が減少した。充足感はBSより朝食を食べることで増し、而も、高タンパク食の方が標準タンパク食より大きかった。
標準タンパク食では見られなかったが、高タンパク食ではBSに比べて日々のグレリン(摂食昂進)の血中濃度が減少し、ペプチドYY(摂食抑制)の血中濃度が増えた。

BSに比べて高タンパク食/標準タンパク食のいずれも、夕食前の脳の記憶を司る海馬、扁桃体、および中前頭部の皮質辺縁系の活性化を減少させた。
高タンパク食は標準タンパク食に比べて、扁桃体と海馬傍回の活性化の一層の低減をもたらした。
高タンパク食はBSに比べて、夜間の高脂肪食品の間食が減ったが、標準タンパク食では認められなかった。

結論:
朝食は、摂食調節をコントロールする食欲・ホルモン・神経信号に有益な変化をもたらした。朝食抜きに比べて、高タンパク食の朝食のみが、毎日のエネルギー摂取量に差は認められなかったものの、これら信号の更なる変化と間食の減少をもたらした。
これらのデータは、朝食を摂ると(特にタンパク質リッチ)、満腹感を向上させ、食品へのモチベーションと報酬系を弱め、ポッチャリ型または肥満の十代の女性たちの食事の質を向上させるための有用な戦略となるであろうことを示唆している。

マイコメント(補足説明)
“第402回の肥満に関するウソとホント”をご参照。
「推定」とは、科学的に正しいとも間違っているとも証明されていないが、多くの人に受け入れられている信念です。“朝食を規則正しく食べることは、肥満の予防に役立つ。朝食を摂らないと、あとで食べ過ぎる”という項目が、6つの推定の一つとして掲載され、そして、“2つのランダム化試験により減量効果は確認されず”とされています。