第428回 食事制限による筋肉の減少とサルコペニア


過体重や肥満の閉経後女性を対象とした研究で、食事制限のみでの減量では筋肉が有意に減少するが、中高強度の有酸素運動を追加的に行うと下肢の筋肉の減少量が和らぎ、サルコペニアの予防と治療に有効であることが分かった。

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Medicine & Science in Sports & Exercise
April 2013 - Volume 45 - Issue 4 - p 607–614
Influence of Diet, Exercise, and Serum Vitamin D on Sarcopenia in Postmenopausal Women

タイトル:
食事制限、運動、及び血漿ビタミンDが閉経後女性のサルコペニアに及ぼす影響

目的:
本研究の目的は、閉経後の女性において、12ヶ月間の食餌による体重減少や有酸素運動が、LBMおよびサルコペニアを定義する測定に及ぼす効果、並びに血清の血漿25 -ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)と年齢の潜在的な緩和効果を調べることである。

方法:
439名の過体重及び肥満の閉経後女性を被験者として、食事制限(118名)、運動(117名)、食事+運動(117名)、及び対照群(87名)に無作為に分けた。食事制限によるプログラムは、10%減量を目標とした。運動は、強度が中程度から高強度の有酸素運動を1日45分/週5日とした。体全体と四肢のLBMは、実験開始時と12ヶ月後にデュアルX線吸光光度法で定量した。骨格筋指数[SMI=ALM (kg)/height (m2)]とサルコペニア[SMI<5.67 kg•m−2]の有病率を算出した。血漿25(OH)Dは、競合化学発光イムノアッセイを用いてアッセイした。

結果:
食事制限による減量はLBMの有意な減少をもたらし、下肢のLBM及び骨格筋指数は対照群に比べ有意に減少した。
逆に、有酸素運動グループは下肢のLBMと骨格筋指数を有意に維持した。
食事+運動グループでは、食事制限グループに比べ下肢のLBMと骨格筋指数の減少が和らぎ、体全体のLBM及び下肢のLBMの有意な減少をもたらさなかった。
血漿25(OH)Dも年齢のいずれも、有意な介入効果は認められなかった。

結論:
食事制限に加えて有酸素運動で減量に行うと、減量中の下肢の減量が和らぎ、過体重や肥満の閉経女性のサルコペニアの予防と治療に有効であると考えられる。

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