第468回 腐った魚は目で分かる!


最大手企業の某会長さんが、出来の悪い社員に喩えて、麻雀中に口癖のようにこう言っておられたことを思い出します。

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Psychological Science
June 3, 2013
Blood Vessels in the Eye Linked With IQ, Cognitive Function

“網膜の血管の幅が、認知症やその他の障害発症前の脳の健康状態を示し、IQと関連している” ことが新しい研究で分かりました。

IQのような知能テストが低い若い人達は、不健康や短命のリスクが高い傾向があるが、その関係を社会経済的地位や健康的な行動といった要因だけで十分に説明しきれない。
デューク大学の心理科学者Idan Shalev氏ら研究チームは、知能が脳の健康、特に脳に酸素と栄養を提供する血管系の状態を示す指標として役立つ可能性があるのではないかと考え、知能と脳の健康状態の潜在的なつながりを調べるために、眼科学領域のテクノロジーを活用することにしました。

非侵襲的な “デジタル網膜イメージング” と言う新方法を使って、目の奥に位置する網膜の小さな血管を見ることが出来ます。
そこで、Shalev氏ら研究チームは、網膜の血管は、脳の血管のサイズ、構造および機能と類似しているので、網膜の血管を見ることで脳内の血管の状態を調べようと考えたのです。

ニュージーランドのダニーディンで、1972年4月から1973年3月に生まれた子供1000人以上を対象として縦断的に追跡調査している “ダニーディン健康と発達に関する学際研究” を用いて調べました。

その結果は興味をそそるものでした。
網膜の細静脈が太いと、様々な健康状態、ライフスタイル、環境リスク要因を調整した後も、38歳の時点でのIQレベルが低いことが分かりました。

網膜細静脈が太い人は、一般的な認知障害のエビデンスを示し、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリ、および実行機能を含む神経心理学的な機能測定のスコアが低かった。
眼の血管の太さが、30代の人たちの精神的テストのスコアや小児期のIQスコアにさえも、僅かながらとは言え観察されたことは驚きだと研究者は語っています。

この知見は、健康の健康状態と認知機能が関連するプロセスが、以前に想定していた以上に、認知症の兆候や年齢による脳機能の低下が始まる何年も前に、早期に始まっていることを示しています。

“デジタル網膜イメージングは、眼の病気を研究するために、主に眼科医で今日的に使用されているツールです。 しかし、我々の初期段階における知見は、ライフスパンでの知性と健康状態の関連性を研究したいと思う心理科学者のための有用な調査ツールであることを示している" とShalev氏は語っています。

現在の研究では、網膜血管と認知機能との関係を推し進めるスペシフィックなメカニズムが明らかになっていませんが、脳への酸素供給を行う必要があるかもしれないと研究者は推測しています。

"網膜血管についての知識を深めると、ベターな診断や脳への酸素のレベルを高めるための治療法が可能となり、その結果、加齢に伴う認知能力の悪化を防止することができるであろう“、と研究者は締め括っています。