第526回 リバウンド vs 胃迷走神経/レプチン


目標体重に減量しても維持できているのは約5%の人達のみで、大半は2年以内におデブちゃんに逆戻りしていると云われます。
何故か?

『胃の迷走神経求心性は満腹信号を伝達するが、高脂肪食により肥満になることで損なわれ、通常食に戻し減量しても正常には戻らない。また、通常では摂食を調整することで知られるレプチンも、高脂肪食のケースでは迷走神経求心性の感度を鈍化させる』ことが、オーストラリアAdelaide大学より発表され、International Journal of Obesityに掲載されました。

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International Journal of Obesity
30 July 2013
Altered gastric vagal mechanosensitivity in diet-induced obesity persists on return to normal chow and is accompanied by increased food intake

背景と目的:
胃迷走神経の求心性繊維は、機械的刺激に応答して満腹信号を伝達する。これらの求心性の感度は食餌誘発性肥満で減少している。レプチンは主として脂肪組織から分泌されるが、胃上皮細胞から分泌されるレプチンは、リーンマウスの機械的刺激に対する迷走神経求心性の応答を増強するが、高脂肪食(HFD)によって誘発される肥満マウスでは阻害効果を有する。本研究では、肥満での迷走神経の求心性機能およびレプチンへ反応の変化が、高脂肪食で肥満になったマウスに標準的な実験固形飼料(SLD)を割り当てることで可逆性が認められるか探求した。

方法:
生後8週間の雌C57BL/ 6マウスに、SLD(N=20)またはHFD(N=20)のいずれかを24週間与えた。更に、第3グループにはHFDを12週間与えた後SLDを12週間与えた(RFD N=18)
in vitro胃食道迷走神経求心性の調剤を用いて、胃迷走神経求心性の機械的感受性及びレプチン(0.1–10 nM)の調節効果を測定した。逆行性トレースと定量的RT-PCRを用いて、胃からトレースされた全体結節および特定の細胞体でのレプチン受容体mRNAの出現を決定した。

結果:
24週間後、HFD/RFDマウスのいずれも、SLDマウスと比較して体重、生殖腺脂肪量、レプチン血漿、血漿インスリン、毎日のエネルギー消費量が増加した。 HFD/RFDマウスはテンション受容体機械的感受性が低下し、レプチンはHFD/RFDマウスのテンション反応をさらに阻害したが、SLDマウスでは認められなかった。 SLD/RFDマウスの両方から粘膜の受容体がレプチンによって増強されたが、HFDマウスでは影響は見られなかった。 LEPR出現は全体結節では変わらなかったが、HFD/RFDマウスの粘膜求心性では減少した。

結論:
高脂肪食(HFD)誘発性の肥満による胃の迷走神経求心機能の崩壊は、体重減少維持を予防する潜在的メカニズムを提供する食事の変更ではその可逆性が不十分である。

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