第533回 変形性膝関節症でお悩みの肥り過ぎの方へ!


変形性膝関節症を抱えている人は世界で2.5億人いると云われています。
「10%減量することで、膝の痛みが軽減し、早く歩けるようになり、可動性が改善する」、そして「減量方法は、食事制限のみや運動のみより、“食事制限+運動”が最も効果的である」ことが、ウェイクフォレスト大学のStephen Messier教授を筆頭とする研究チームから報告されました。

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JAMA
September25 2013
Effects of intensive diet and exercise on knee joint Loads, inflammation, and clinical outcomes among overweight and obese adults with knee osteoarthritis

重要性:
高年者の慢性痛や障害の主因といわれる変形性膝関節症の発症には、“生体力学的(膝関節へ負荷)”および“炎症性”の二つの経路があり、いずれも肥満によって悪化する。 

目的:
「運動のみ」に比べて「食事+運動」および「食事のみ」で10%以上の減量をすれば、機械的/臨床的な改善効果が見られるかを判断することである。

設計、設定、被験者:
単盲検、 18ヶ月、無作為化臨床試験
ウェイクフォレスト大学でJuly 2006 ~ April 2011に実施
食事管理及び運動介入は大学施設ベースで行ったが、運動群は在宅オプションを可とした。
被験者は地域在住の454名の過体重/肥満者、年齢55歳以上、BMI:27~41

介入:
・食事+運動
・食事のみ
・運動のみ

補足説明
運動については、低中強度のウォーキングと筋トレを、1日1時間x週3回とした。
食事制限は個人差を考慮して、女性は最低1100kcal、男性は最低1200kcalとした。

主要評価項目および測定:
一次評価:膝関節の圧縮力と血漿IL-6レベル
副次評価:自己申告による痛み(範囲 0-20)、機能(範囲 0-68)、健康関連ライフの質(範囲 0-100)

399名(88%)が試験を完了した。
食事+運動グループの平均減量は10.6 kg (11.4%)で、内訳は食事グループ8.9 kg (9.5%)/運動グループ1.8 kg (2.0%)であった。

18ヶ月後の膝圧縮力は、食事グループ(平均2487 N; 95% CI 2393~2581)の方が運動グループ(2687 N; 95% CI 2590~2784, pairwise difference [Δ]exercise vs diet = 200 N; 95% CI 55~345; P = 0.007)に比べて低かった。

IL-6濃度は、食事+運動グループ(2.7 pg/mL; 95% CI, 2.5~3.0)と食事グループ(2.7 pg/mL; 95% CI 2.4~3.0)の方が、運動グループ(3.1 pg/mL; 95% CI 2.9~3.4; Δexercise vs diet + exercise = 0.39 pg/mL; 95% CI −0.03~0.81; P = .007; Δexercise vs diet = 0.43 pg/mL; 95% CI 0.01~0.85, P = .006)に比べて低かった。

食事+運動グループの方が、痛み (3.6; 95% CI, 3.2~4.1)機能 (14.1; 95% CI, 12.6 ~15.6)ともに・・・食事グループ(4.8; 95% CI 4.3~5.2)及び運動グループ(4.7; 95% CI 4.2~5.1, Δexercise vs diet + exercise = 1.02; 95% CI 0.33~1.71; Ppain = 0.004; 18.4; 95% CI 16.9~19.9; Δexercise vs diet + exercise, 4.29; 95% CI 2.07~6.50; Pfunction <0 .001)に比べて低かった。

食事+運動グループ(44.7; 95% CI 43.4~46.0)は、健康関連ライフの質も運動グループ(41.9; 95% CI 40.5~43.2; Δexercise vs diet + exercise = −2.81; 95% CI −4.76~ −0.86; P = .005)に比べて改善した。

結論:
変形性膝関節症を抱えている過体重/肥満者を被験者とした実験18ヶ月後の結果は、運動グループに比べて、食事+運動グループ及び食事管理グループの方が減量及びIL濃度低下ともに大きかった。因みに、膝圧縮力の低下は運動グループよりも食事グループの方が大きかった。