第659回 コーヒー vs 2型糖尿病リスク


ハーバード大学公衆衛生大学院 Dr Shilpa et al. による研究で、“コーヒー摂取量を4年間1日当たり1杯以上増やしたら、その後4年間で2型糖尿病リスクは11%減少した”ことが分かり、欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌Diabetologiaに掲載されました。

画像


Diabetologia
April 2014
Changes in coffee intake and subsequent risk of type 2 diabetes: three large cohorts of US men and women

目的/仮説:
コーヒーや茶を飲むと2型糖尿病リスクが低減すると考えられているが、摂取量との関係については明らかになっていない。摂取量を変えると2型糖尿病リスクにどのように影響するのか各々4年単位で調べてみた。

方法:
Nurses' Health Study(1986~2006年)女性看護師48,464名、Nurses' Health StudyⅡ(1991~2007年)女性看護師47,510名、及びHealth Professionals Follow-Up Study(1986~2006) 男性医療従事者27,759名の3つの前向きコホート研究データを分析した。食事内容は食事頻度質問票を用いて4年ごとに調査した。自己報告された2型糖尿病の発症は追加の質問票で検証が行なわれた。

結果:
1663319人年の追跡期間中に2型糖尿病7269症例が記録された。
コーヒー1日<1杯を参照値(HR1.0)として、4年間コーヒーを1日1杯以上(変化の中央値=1.69杯/日)増やした参加者は、増やさなかった参加者に比べて、その後の4年間で2型糖尿病リスクは11%低かった(95%信頼区間3%~18%)
逆に、1日1杯以上(変化の中央値=1.69杯/日)減らした参加者では、リスクは17%(95%信頼区間8%~26%)高くなった。
茶の量は変えても2型糖尿病リスクとの関連は認められなかった。

結論/解釈:
本研究は、“4年間コーヒーの摂取量を増やすと、その後2型糖尿病リスクは低くなるが、逆に減らすと高くなる”という新たな知見を示している。

マイコメント
1日当たりの摂取量<1杯、1~3杯、>3杯の3群に分け、摂取量<1杯群を参照値(HR1.0)としています。2型糖尿病リスクは摂取量>3杯グループが最も低く、<1杯グループに比べて37%低かったそうです。
コーヒーに健康上の多くの利点があることは、これまでも複数の研究が示しており、本論文が示すように2型糖尿病リスクを低減する可能性があることも頷けることです。
しかし、本論文は変化量を調べたもので、摂取推奨量は導き出されていません。
早合点して飲み過ぎないように!
2型糖尿病は環境要因と遺伝的要因の相互作用によって発病する多因子性疾患であり、コーヒーはその中の一つの予防因子にしか過ぎないことを忘れないでください。
基本は、矢張りDon’t eat too much and move moreでしょう!