第666回 ビートジュースのエルゴジェニック効果?


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ビートジュース(硝酸塩)にはエルゴジェニック効果、つまり運動パフォーマンスを向上する作用があると云われているが、サイクリストを被験者とした最近の研究論文では否定されている。本研究では、中距離エリートランナーを被験者として、ビートジュースが最大下走および1500mタイムトライアルでのVO2に及ぼす急性的/慢性的な効果を調べた。

Medicine & Science in Sports & Exercise
28 April 2014
Beetroot Juice Supplementation Does Not Improve Performance in Elite 1500-m Runners

方法:
被験者:8名の男性1500m走ランナー( VO2max 80±5ml・kg-1・min-1;パーソナルベスト3:56±9秒)
デザイン:無作為化、二重盲検、クロスオーバー
被験者を2群に別け、介入群にはビートジュース210ml(硝酸塩19.5mmol)、対照群には硝酸塩が含まれていないビートジュースを割り当てた。
期間は1週間区切りで8日間とした。
室内200mトラックで最大下トレッドミル走と1500mタイムトライアルをやってもらった。
急性効果(1日)と慢性効果(8日)を調べた。

結果:
血漿硝酸塩は、37±15から、615±151(急性効果)および870±259(慢性効果)に高まった。

VO2max50%,65%,80%条件下での違いは認められなかった(ml・min-1)
対照群
・急性効果 4194±90
・慢性効果 4216±95
介入群
・急性効果 4192±113
・慢性効果 4299±92

1500mタイムトライアルに有意差は認められなかった(min:sec±sec)
対照群
・急性効果 4:10.4±2.5
・慢性効果 4:11.4±2.7
介入群
・急性効果 4:10.7±1.5
・慢性効果 4:10.5±2.2

しかし、介入群2名のタイムトライアルは改善した(秒)
急性効果:5.8 & 5.0
慢性効果:7.0 & 0.5

結論:
中距離エリートランナーでは、VO2及び1500mタイムトライアルへのビートジュースの急性/慢性いずれの効果も2名を除き認められなかった。

マイコメント
タイムトライアルへのビートジュース効果は50/50ということか・・・

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