第686回 朝食習慣がエネルギーバランスと健康に及ぼす影響


“朝食あり” or “朝食抜き”と肥満との関連について2つの研究論文を紹介します。
今回は、リーンな成人を被験者として、朝食がエネルギーバランスと健康に及ぼす因果的役割を調べた英国Bath大学による研究報告です。
次回は、過体重および肥満成人を被験者として、朝食が減量に及ぼす影響を調べた米国Alabama大学による研究報告です。

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American Journal of Clinical Nutrition
First published ahead of print 2014 June 5
The causal role of breakfast in energy balance and health: a randomized controlled trial in lean adults

背景:
朝食が一日の中で最も重要な食事であるという一般的な考え方は、実生活で行われた朝食と健康を結びつける横断的観察研究に基づいている。

目的:
自由生活での朝食習慣とエネルギーバランスとの因果関係を調べるためにランダム化比較試験を実施した。

デザイン:
“Bath Breakfast Project”と呼ばれる本研究は、イングランド南西部のコホートにおける21~60歳の成人男女を対象としたランダム化比較試験である。
二重エネルギーX線で測定した被験者の脂肪量指数は、女性(21名)≤11 kg/m2、男性(12名)≤7.5 kg/m2だった。
エネルギーバランス構成要素(安静時代謝量/身体活動熱産生/エネルギー摂取)および24H血糖反応を測定した。
被験者を無作為に2群に振り分け、1群には毎日11:00前に朝食≥700kcal を割り当て(朝食あり群)、もう1群には12:00迄何も与えず空腹状態とした(朝食抜き群)。
実験は自由条件下で6週間に亘って実施した。
血液/生検など健康マーカーをベースライン及び追跡期間に測定した。

結果:
一般的な考え方に相反する結果が示された。

・朝食への代謝適応は認められなかった・・・安静時代謝率は安定して11kcal/日以内であった。

・その後の食欲は抑制された・・・摂取量は朝食あり群が朝食抜き群よりも大きかった(539kcal/日 95%信頼区間157~920kcal/日)

・身体活動性熱産生は、朝食抜き群より朝食あり群の方が著しく大きかった(442 kcal/日; 95%信頼区間34~851kcal/日)

・BMI/脂肪量については、ベースラインおよび追跡期間いずれにおいても群間差は認められなかった。

・脂肪組織のグルコース取り込み及び心血管の健康の全身インデックスも同様に群間差は無かった。

・介入最終週まで朝食あり群の血糖値は、朝食抜き群に比べて午後と夕方において安定した・・・CV:3.9% 95%信頼区間0.1%~7.8%

結論:
リーンな成人が朝食を毎日摂ると、身体活動量が高まり全体の食事エネルギー摂取量が増大したが、安静時の代謝変化は認められなかった。心臓血管の健康指標は朝食あり/朝食抜きのいずれにも影響されなかったが、朝食ありは朝食抜きより午後と夕方の血糖が安定した。