第755回 筋トレ vs 有酸素運動による成長ホルモン分泌


「筋トレをすると成長ホルモンが分泌され脂肪分解が昂進するので、筋トレをしてから直ぐに有酸素運動を行うと脂肪が燃焼しやすい」という話はウソです。
米国陸軍省環境医学研究所によれば、有酸素運動1-2時間、筋トレ1-2時間、運動なし(対照群)の5つのグループに分けて成長ホルモン分泌を調べた結果、成長ホルモンは有酸素運動2時間のみで高まり、筋トレ群は運動なし群と違いがなかったそうです。

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Medicine & Science in Sports & Exercise:
October 2014 - Volume 46 - Issue 10 - p 1917–1927
Twenty-Hour Growth Hormone Secretory Profiles after Aerobic and Resistance Exercise

イントロ:
成長ホルモン(GH)の拍動分泌パターンは、末梢組織でのGH作用の重要なパラメータであり、運動がGH分泌にどのように影響するかについてより多くの情報が必要とされる。この研究は、有酸素運動とレジスタンスエクササイズが運動時間と運動後20時間のGH分泌に関して用量-反応関係を示すであろうという仮説を立てた。

方法:
8名の健康な男性を被験者として5群に振り分けた。
・対照群:運動なし
・MA群:有酸素運動1時間
・LA:有酸素運動2時間
・MR:筋トレ1時間
・LR:筋トレ2時間
運動強度、食事、睡眠および身体活動は厳しく管理された。
運動後20時間に亘って20分毎に血液サンプルを採った。
GH分泌パラメータの解析は、クラスタ分析およびデコンヴォルーション分析を介して行われた。

結果:
有酸素運動2時間のみが成長ホルモン分泌の有意な高まりをもたらした:GH burst peak amplitude (~100%)、 GH 基礎分泌率 (~127%)、総GH基礎分泌 (~120%)、総拍動性分泌(~88%)、 総GH分泌 (~89%)それぞれ増加した。
筋トレは対照群(運動なし)と差がなかった。

結論:
成長ホルモンには運動後の脂肪分解を促進する代謝効果があることは御貴承の通りですが、有酸素運動2時間の消費エネルギーが他に比べて高かったことが、成長ホルモン増加に対する1つの説明にもなるであろう。有酸素運動(not 筋トレ)を1時間から2時間に増やすと、20時間は成長ホルモンが有意に増加すると我々は結論付ける。

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