第748回 ハーブ/サプリは肝臓損傷をもたらす


ダイエット食品業者は、「ハーブを主成分としたサプリメントは、減量期のボディビルダーやアスリート或いは一般女性でも、安全で効果的に脂肪を燃焼させることが出来る」とPRしていますが、ハーブやサプリメントによる肝臓損傷が此処10年で7%から20%に増えていることが、米国アインシュタイン医療センターのDr Victor Navarroらの調査で分かりました。

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多くの人がハーブやサプリメントの安全性を信じ、米国では50%近い人が使用しており、今後も増える傾向にあると見られています。

因みに、これまでは非ヒスパニック系で高等教育を受けた40歳以上白人女性がサプリメントを多用していることを医学的エビデンスが示しています。
米国保健省(U.S Department Health and Human Service's)傘下の国立健康統計センター(National Center for Health Statistics:NCHS)によって1988-1994年に実施された第3回目の米国健康・栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANESⅢ)では、マルチビタミン、ミネラル、カルシウム、魚油が最も一般的なサプリメントでした。

その後、国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)傘下の国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases:NIDDK)の資金援助によって薬物誘発性肝障害ネットワーク(DILIN)が2004年に立ち上げられ、従来の医薬品だけでなく、ハーブやサプリメント(herbals and dietary supplements=HDS)に起因する肝毒性についての調査が2013年まで行なわれました。

その結果として次の事が分かりました:

ボディビルディング系HDSは45症例、非ボディビルディング系HDSは85症例、残りの709症例は医薬品に因るものであった。

HDSに起因した肝障害は、研究期間の10年間で7%から20%に増えた(P < 0.001)

ボディビルディング系HDSは若い男性で遷延性黄疸(平均91日)を引き起こしたが、死亡や肝移植には至らなかった。非ボディビルディング系HDS症例としては、主に中年女性で幹細胞損傷を起こし、死亡や肝移植に至る症例が医薬品よりも頻繁であった(13% vs 3%; P < 0.05)

本研究はDILINに限定されているので、米国全体でどの程度の症例が存在するのか不明であり、人口ベースの研究が必要であると主筆者のDr. Victor Navarroは語っています。

参照文献
Hepatology(米国肝臓病学会誌)
25 AUG 2014
Liver injury from herbals and dietary supplements in the U.S. Drug-Induced Liver Injury Network

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ハーブ(Herb)とは薬草の事で、ハーブサプリメントとはハーブを主成分としたサプリメントの事です。種類としてはウコン、イチョウ葉、青汁、ケール、高麗人参などがあります。

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