第763回 循環血漿量 vs ナトリウム含有量


循環血漿量とは血管内の水分量のことです。下痢を起こさず循環血漿量を増やすドリンクに含まれるナトリウム量について、筑波大学の研究報告がEuropean Journal of Applied Physiologyに掲載されたので紹介します。

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European Journal of Applied Physiology
October 2014, Volume 114, Issue 10, pp 2139-2145
Hypervolemia induced by fluid ingestion at rest: effect of sodium concentration

目的:
ナトリウム飲料は体液喪失への対策として用いられる。しかし、高濃度のナトリウムは胃腸障害(例えば下痢)を引き起こすことがあります。私たちは、胃腸障害のリスクが最小限で循環血漿量増加を誘発するナトリウム濃度を決定することに努めた。

方法:
8名の健康で活発な男性を椅子で休息させ、水(体重1kg当り16−17 ml)又はナトリウム
(60/120/180 mmol )含有のソリューションを、10分間インターバルで6回(等分量)を割り当てた。
水分補給状態を標準化するために、各試験2時間前に同じ食事と水を摂取してもらった。
飲料試験は別々の日に無作為に実施した。
血漿量の変化は、飲水後30分毎x5回(150分間)のヘモグロビン濃度とヘマトクリットから推定した。

結果:
血漿浸透圧(水:289.4 ± 1.4、60Na:287.0 ± 3.5、120Na:287.6 ± 2.3、180Na:288.9 ± 3.3 mmol)の体水分正常の状態で試験を開始した。
血漿量は、120分の時点で水(−0.8 ± 4.5 %)と60Na (2.4 ± 4.9 %)の両試験では増えていなかったが、120Na (7.2 ± 4.6 %) 及び180Na (9.4 ± 6.6 %)では増加した。
水と60Naの試験で下痢は報告されなかったが、120Na (1名) 及び180Na (6名)試験では報告された。

結論:
ナトリウム120 mmolを含む飲料は、胃腸障害の発症をミニマムに抑えて循環血漿量増加を誘発する。

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