第783回 加糖は子供たちの血圧と中性脂肪に悪影響する


sugar freeは“sugar含まず”の意ですが、free sugarと書くと“遊離糖”を指します。
この論文で対象となっているadded sugarsとは、砂糖(table sugar)ではなく食品に添加される全ての単糖類と二糖類を指し、食品に天然に含まれるsugarは対象外となっています。ここではadded sugarsは“加糖”と訳しています。

画像


American Journal of Clinical Nutrition
July 2014 vol.100 no.1 46-52
Added sugars in the diet are positively associated with diastolic blood pressure and triglycerides in children

背景:
高血圧および脂質異常症は、食事性ナトリウム及び脂質の摂取と関連していると之まで考えられてきましたが、最近では成人や青年において加糖摂取と関連すると言われています。しかし、このような兆候はもっと若い年頃からあるのかどうか明確に示されていません。

目的:
本研究では子供を対象として、中性脂肪、総コレステロール、LDL悪玉コレステロール、HDL善玉コレステロールなどの空腹時血中脂質レベルや血圧と加糖摂取(食品に天然に含まれるsugarは除く)との横断的な関連性を調査した。

デザイン:
AMERICO研究に参加した7~12歳のヨーロッパ系アメリカ人122名、アフリカ系アメリカ人106名、ヒスパニック系アメリカ人84名、および混血児8名から血圧/血中脂質/摂取量に関するデータを収集した。
AMERICO (Admixture Mapping of Ethnic and Racial Insulin Complex Outcomes)とは、人種・民族の違いが代謝や健康に及ぼす影響を調査した横断的研究で、米国アラバマ州の都市バーミングハムで実施されたものです。
重回帰分析を行い、加糖/ナトリウムの摂取と血圧との関係、加糖/脂質の摂取と血中脂質との関係を評価しました。
性別、人種・民族、社会経済的地位、Tanner pubertal status(思春期の身体発育状態)、体脂肪率、身体活動、および総エネルギー摂取量でモデル調整を行った。

結果:
加糖は拡張期血圧(P=0.0462; β=0.0206)及び血漿トリグリセリド(P=0.0206;β=0.1090)と正相関していた。
ナトリウムは血圧と有意に関連していなかったし、食事からの脂質も血中脂質と関連していなかった。
ヨーロッパ系およびアフリカ系の子供たちに比べて、ヒスパニック系の子供たちは中性脂肪レベルが高かったが加糖の摂取は少なかった。
ヨーロッパ系およびヒスパニック系の子供たちに比べて、アフリカ系の子供たちは血圧とHDLコレステロールは高かったがトリグリセリドは低かった。

結論:
これらのデータは、子供では加糖の摂取を増やすと心血管の有害な健康因子、特に拡張期血圧およびトリグリセリド(中性脂肪)と相関し得ることを示唆している。
幼少期に心臓血管の健康に影響を与える栄養因子を同定することは、心血管疾患リスクを低減するためのツールとして役立ち得るであろう。この試験はNCT00726778としてclinicaltrials.govに登録されました。