第787回 運動後の冷水浴による回復効果はプラセボ?


オーストラリアVictoria大学からの研究報告です。

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参照文献
Medicine & Science in Sports & Exercise:
November 2014 - Volume 46 - Issue 11 - p 2139–2147
Postexercise Cold Water Immersion Benefits Are Not Greater than the Placebo Effect

目的:
基本的なメカニズムが未解明にもかかわらず、冷水浴(CWI)がアスリートに回復を目的として広く採り入れられている。本研究では、プラセボ効果が急性的なパフォーマンスまたは心理的利益の原因であるかどうかを調査することで、冷水浴の高強度運動後の回復に対するメリットを調べた。

方法:
30名の男性(平均年齢24 ± 5;最大酸素摂取量51.1 ± 7.0 mL/1kg/1分)に高強度インターバルトレーニング(30秒スプリントx4回、15分インターバルx3回)やってもらった。
インターバルは、冷水浴(10.3°C ± 0.2°C:CWI群)、温水浴プラセボ(34.7°C ± 0.1°C:TWP群)、又は温水浴対照群(34.7°C ± 0.1°C:TWI群)とした。
筋肉内サーミスタは運動中と回復期に挿入して筋肉の温度を記録した。
太もも回り膨潤肥大、疼痛閾値及び公差、IL―6濃度、総白血球、好中球、及びリンパ球数は、ベースライン、運動後、回復後、並びに運動1時間後/24時間後/48時間後に記録した。
運動後を除いて上記と同じ時点で大腿四頭筋の最大随意等尺性収縮(MVC)を調べた。
運動準備、疲労、活力、眠気、痛み、および自覚的な回復効果についての自己評価も行った。

結果:
運動準備/痛み/活力に対する自己評定およびMVC後の脚力はいずれも、CWI群とTWP群と比較してTWI群で有意に損なわれた。因みに、CWI群とTWP群は同等であった。

結論:
急性的な高強度インターバルトレーニング後のTWP(プラセボ温水浴)による回復は、TWI(温水浴対照群)に比較して、CWI(冷水浴)と同程度に48時間後の筋力回復に優れている。これは、プラセボ温水浴が運動準備、痛み、および活力の評定を改善し得ると言うことであり、冷水浴による生理的利点には少なくとも何がしかのプラセボ効果が絡んでいることを示唆している。

マイコメント(補足説明)
高強度インターバルトレーニングはエアロバイクで行いました。運動準備/痛み/活力に対する自己評定および筋力テストの結果は一致しており、プラセボ温水浴と冷水浴による回復効果は、温水浴対照群に比べて同等に優れていました。プラセボ温水浴群には、新しく開発された回復オイルの効能が書かれたニセのパンフレットを見せ、競技パフォーマンスの回復には冷水浴と同等の効果があると信じ込ませた上で、実際に入浴の直前に彼らの前で投入されたのは単なるスキンクレンザーでした。

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