第842回 減量中の筋量減少を抑える(中高年)


オランダAmsterdam University of Applied Sciencesの研究報告です。

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American Journal of Clinical Nutrition
February 2015 vol. 101 no. 2 279-286
A high whey protein–, leucine-, and vitamin D–enriched supplement preserves muscle mass during intentional weight loss in obese older adults: a double-blind randomized controlled trial


背景:
肥満高齢者の意図的な減量は、筋肉減少およびサルコペニアのリスク因子である。

目的:
高ホエイプロテイン/ロイシン/ビタミンDリッチなサプリメントが肥満の高齢者における意図的な体重減少中の筋肉量の保持に及ぼす効果を検討することであった。

デザイン:
80名の肥満高齢者を対象とした二重盲検ランダム化比較試験
13週間の減量プログラム中、すべての被験者は-600kcal/日の低カロリー食とし、週3回のレジスタンストレーニングを行った。
被験者は無作為に2群に別けられ、介入群にはその他の多量栄養素や微量栄養素が混ざった高ホエイプロテイン/ロイシン/ビタミンDリッチなサプリメントが割り当てられた(150kcal、プロテイン21g、10週間)
対照群は等カロリーとした。
主要評価項目:四肢の筋量の変化
副次評価項目:体組成値、握力、体力
データは、ANCOVA(共分散分析)/混合線形モデル(固定効果:性別)/共変量としてベースライン値を用いて解析した。

結果:
ベースラインでの平均年齢±標準偏差は63 ± 5.6歳、BMI(in kg/m2)は33 ± 4.4であった。
実験中のプロテイン摂取は、介入群が体重1kg当り1.11 ± 0.28g、対照群は0.85 ± 0.24g であった (P < 0.001)

両群ともに体重および脂肪量が減少したが、顕著な群間差は認められなかった(P < 0.001)
<減量>
介入群:−3.4 ± 3.6kg
対照群:−2.8 ± 2.8kg

<脂肪量>
介入群:−3.2 ± 3.1kg
対照群:−2.5 ± 2.4kg

しかし、四肢筋肉量の13週間の変化は両群で異なり、介入群+0.4 ± 1.2 kg/対照群−0.5 ± 2.1 kgであった[β = 0.95 kg(95% CI: 0.09, 1.81); P = 0.03]

筋力および機能は群間の有意差なしに経時的に改善された。

結論:
高ホエイプロテイン/ロイシン/ビタミンDリッチなサプリメントは、等カロリーの対照群と比べて、低カロリー食/筋トレ実行中の肥満高齢者の四肢筋量を保持し、延いてはサルコペニアのリスクを減らす可能性が考えられる。