第843回 中程度の減量では骨密度は減少しない


高齢者が減量すると特に女性の場合には骨密度に悪影響することが分かっている。しかし、肥満男性による中程度のカロリー制限による減量では、あらゆる解剖学的部位での骨密度の減少は生じないことが、米国ラトガース大学(州立総合研究大学)/米国Robert Wood Johnsonメディカルスクール/カナダMcMaster大学の研究チームから報告された。

画像


American Journal of Clinical Nutrition
March 2015 vol.101 no.3 659-667
Moderate weight loss in obese and overweight men preserves bone quality


背景:
高齢者の減量は特に女性では骨密度に負に影響する。

目的:
この前向き対照試験では、男性が意図的に減量した後の骨の質および内分泌変化の変数を調べた。

デザイン:
募集した38名の過体重/肥満の男性(BMI: 31.9 ± 4.4; 年齢: 58 ± 6 歳)を被験者として、カロリー制限による減量グループ(WL)または体重維持グループ(WM)に割り付けた。
期間:6ヶ月間

結果:
体重の変化は、WL群で−7.9 ± 4.4%、WM群では+0.2 ± 1.6%であった。

WL群よりもWM群において、大腿骨頸部および全身の骨密度と骨ミネラル量がより増加した(P-interaction effect < 0.05)
これとは対照的に、脛骨皮質の厚さと面積はWL群よりもWM群で減少の傾向が認められた(P ≤ 0.08)

骨膜円周は両群で経時的に減少したが(P < 0.01)、海綿骨の有意な変化は認められなかった。
循環トータル、遊離、および生物学的に利用可能なエストラジオールは、WM群に比べてWL群で減少し、その変化には群間差があった(P < 0.05)

血漿トータル及び生物学的に利用可能なテストステロンは両群で増加した(P < 0.01)

血漿25-ヒドロキシビタミンDは両群で同程度に増加した(P <0.05)

結論:
過体重または肥満の男性の中程度のカロリー制限による減量では、あらゆる解剖学的部位での骨密度の減少または皮質/海綿骨/ジオメトリの変化は見られなかった。
亦、過剰な体重を維持する場合にいくつかの部位で骨密度は高まったが、皮質骨は反対方向の傾向を示した。この試験はNCT00472745としてclinicaltrials.govに登録されました。