第855回 僅か5日間の高脂肪食で骨格筋の代謝は変わる


短期間なら脂っこいものを食べても大丈夫だろうと考えてはいませんか?
実は、僅か5日間の高脂肪食で筋肉代謝が変わることが、米国ヴァージニア工科大学のMatt Hulver准教授らの新研究で分かりました。
通常食の脂質比率は約30%ですが、この研究ではソーセージビスケット/マカロニ/チーズ及びバターをたっぷり入れて脂質比率を約55%に高めた高脂肪食を健康な大学生に割り当てました。期間は5日間で等カロリーです。その結果、体重の増加は認められなかったものの、筋肉のグルコース酸化能が阻害され、インスリンへの反応性が低くなりました。高脂肪食がこんなに短期間で正常な代謝を阻害することを示す初めての研究だそうです

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Obesity
27 MAR 2015
Early skeletal muscle adaptations to short-term high-fat diet in humans before changes in insulin sensitivity


目的:
この調査の目的は、健康で若い男性の短期(5日間)の等カロリー高脂肪食に対する代謝適応を正しく理解・評価することだった。

方法:
大学生12人を被験者として二つの研究が行われた。一つ目の研究では、高脂肪食が骨格筋の基質代謝およびインスリン感受性に及ぼす影響を調べた。二つ目の研究では、5日間の高脂肪食の前および後の空腹時/食後における骨格筋の代謝反応/転写反応を調べるためチャレンジテストを行った。

結果:
一つ目の研究では、空腹時の筋生検サンプルを調べたが高脂肪食が筋肉代謝とインスリン感受性に及ぼす影響は認められなかった。二つ目の研究では、高脂肪食は空腹時血清エンドトキシンの有意な増加を誘発し、通常の食後血清エンドトキシン変動幅を阻害することが示された。5日間の高脂肪食によるこれら影響は、トータルP38タンパクに対するリン酸化タンパク質の割合で空腹時反応および食後反応の変化に伴っていた。これらの変化は全てインスリン感受性の変容とは関係なく生じた。

結論
我々の調査結果は、インスリン抵抗性につながると考えられている高脂肪食への早い生物学的順応のエビデンスを提供するものです。

参照記事
Science Daily
Apr14 2015
Five days of eating fatty foods can alter how your body's muscle processes food

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