第866回 就寝前のプロテイン摂取による筋量筋力の増大効果


“Around Workout Nutrition”つまり運動前/運動中/運動後の栄養摂取が重要な栄養戦略であることは御貴承の通りです。就寝前にプロテインを摂取すると、睡眠中の筋肉の異化(分解)の抑止/同化(合成)の昂進が促されることは之までにも報告されていますが、今般オランダMaastricht大学の研究チームから、就寝前のプロテイン摂取がトレーニング中の筋量筋力アップを助長する効果があることが報告されました。

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The Journal of Nutrition
June 1, 2015 vol. 145 no. 6 1178-1184
Protein Ingestion before Sleep Increases Muscle Mass and Strength Gains during Prolonged Resistance-Type Exercise Training in Healthy Young Men


背景:
就寝前にプロテインを摂取すると、睡眠中に筋タンパク質の合成率が高まることはこれまでに示されているが、レジスタンストレーニングへの筋肉の適応応答を効果的に増大させるかどうかは明らかになっていない。

目的:
ここでは、就寝前のプロテイン摂取がレジスタンストレーニング中に筋量及び筋力に及ぼす影響を評価した。

方法:
平均年齢22±1歳の若い男性44名を次の2群のいずれかに無作為に割り付けに12週間のレジスタンストレーニグプログラムをやってもらった。
一方のグループには就寝前にプロテイン27.5g/炭水化物15g/ 脂質0.1gを含むサプリメント(PRO群)を、もう一方のグループにはノンカロリーのプラセボを割り当てた(PLA群)。
筋肥大の評価は、全身については二重エネルギーX線吸収測定法、四肢はCTスキャン、筋原線維は筋生検で、それぞれトレーニング前後に行った。
筋力は1RMテストで評価した。

結果:
筋力はプラセボPLA群に比べてプロテインPRO群で筋トレ後に有意に増大した(+164 ± 11 kg vs +130 ± 9 kg, respectively; P < 0.001)。
また、大腿四頭筋の断面積は両群ともに経時的に増大したが(P < 0.001)、PLA群よりもPRO群で一層の増大が認められた(+8.4 ± 1.1 cm2 vs +4.8 ± 0.8 cm2, respectively; P < 0.05)。
筋繊維タイプⅠ及びタイプⅡいずれもトレーニング後にサイズアップしたが(P < 0.001)、タイプⅡの増大はPLA群よりもPRO群の方が顕著であった(+2319 ± 368 μm2 vs +1017 ± 353 μm2; P < 0.05)

結論:
本研究では、睡眠前のプロテイン摂取が若い男性のレジスタンストレーニング中の筋量と筋力を増大する効果的な栄養戦略であることを示している。

マイコメント
筋委縮は年齢30~40代から始まり、年々1~2%退化していくと言われていますが、この研究では平均年齢22歳の若者が被験者となっています。故に、中高年層のあなたにもに適用できるかは更なる研究が必要でしょう。

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