第869回 赤肉と乳製品がインスリン感受性に及ぼす影響


画像


American Journal of Clinical Nutrition
June 2015 vol. 101 no. 6 1173-1179
Red meat, dairy, and insulin sensitivity: a randomized crossover intervention study

背景:
疫学研究によれば、赤肉や加工肉の高摂取は2型糖尿病の発症リスクと関連するが、乳製品の高摂取はリスクを軽減することが示されている。しかし、これらに関する介入試験は限られている。

目的:
本研究では次の3種類の食事がインスリン感受性に及ぼす影響を比較した。
・乳製品を最少に抑えて脂身の少ない赤肉を多く含む食事
・主に牛乳/ヨーグルト/カスタードなど低脂肪の乳製品が多く赤肉は含まれていない食事
・対照群として乳製品も赤肉も含まれていない食事

デザイン:
47名の過体重肥満の男女を被験者としたランダム化、クロスオーバー比較試験
被験者を「正常な耐糖能」と「空腹時血糖異常or耐糖能異常」の二つのグループに分けた。3種類の体重維持カロリー食を4週間割り当て、各食事の最後に経口ブドウ糖負荷試験を用いて血糖値、インスリン、Cペプチドを測定した。

結果:
空腹時インスリンは赤肉食の後より乳製品食の後で有意に高まったが(P < 0.01)空腹時血糖値の変化はなく、高乳製品食後にインスリン感受性の低減が生じることがインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)による評価で認められた。
食事と性別の間の有意な相互作用が認められた・・・女性のみHOMA-IRは乳製品食よりも赤肉食の後で有意に低かった(赤肉食後:1.33 ± 0.8 、乳製品食後: 1.71 ± 0.8, P < 0.01)
松田インデックスを用いて計算したインスリン感受性は、女性では赤肉食後よりも乳製品食後に14.7%低かったが(P < 0.01)、男性では差異は認められなかった。
Cペプチドは各食事で差異はなかった。

結論:
いくつかの疫学調査結果とは対照的に、これらの結果は “耐糖能障害者を含む過体重/肥満の被験者では、脂身の少ない赤肉をたくさん食べるよりも、乳製品をたくさん食べる方が、インスリン感受性を低下させること”を示唆している。