第858回 筋肉増強サプリは精巣胚細胞性がんリスクを高める


“クレアチンやアンドロステンジオンなど筋肉増強サプリを使用すると、精巣胚細胞性癌の発症リスクが有意に高まる可能性がある”という米国Brown大学からの研究報告です。

精巣癌の発症率は1975年に100,000人当たり3.7症例で、2011年には10万人当たり5.9症例に増えたが、これまで筋肉増強サプリメントの使用と精巣胚細胞性癌リスクの関係を検討した分析疫学研究はなく、その理由は研究者にも分からなかった。しかし、今回の研究でサプリ使用が精巣がん発症の高リスクにつながることが同定された。

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研究を実施するに当たって、米国マサチューセッツ州とコネチカット州に在住の900名近い男性から細やかな聞き取り調査を行った・・・356名は精巣胚細胞がん患者で、513名は健常者だった。
聞き取り調査では、サプリ使用についてだけでなく、喫煙、飲酒、運動習慣、精巣がんの家族歴など様々な要因について尋ねた。

集計したデータを年齢、人種、および他の人口統計学データだけでなく可能性のある交絡因子を調整した結果、サプリ使用者は非使用者に比べて、精巣がんリスクが1.65倍であることが分かった(オッズ比=1.65, 95% confidence interval (CI): 1.11–2.46)

サプリの“使用”は、“1種類以上のサプリを少なくとも連続4週間以上に亘って週1回”と定義された。

2種類以上のサプリを使用する男性のオッズ比は2.77で、3年以上に亘って使用した男性では2.56であった。更に、25歳未満で使用し始めた男性のオッズ比は2.21であった。

「関連性の大きさと観察された容量反応の傾向から言って、筋肉増強サプリメントの使用は精巣胚細胞性癌に関連し得る重要かつ潜在的に修正可能な危険因子である」と研究者は結論付けている。

論文:
BJC
Mar31 2015
Muscle-building supplement use and increased risk of testicular germ cell cancer in men from Connecticut and Massachusetts

参照記事:
Science Daily
Testicular cancer link found for muscle-building supplements