第859回 高齢者はウェイトトレーニングをやるべし


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American Journal of Clinical Nutrition
First published March 11, 2015, doi: 10.3945/ajcn.114.105270
By Wake Forest University
Effects of resistance training with and without caloric restriction on physical function and mobility in overweight and obese older adults: a randomized controlled trial


論文タイトル
“カロリー制限あり”、或いは、“カロリー制限なし”のレジスタンストレーニングが過体重/肥満高齢者の筋肉と機動性に与える影響

背景:
レジスタンストレーニングは、高齢者の筋力や全体的な身体機能を向上させる。筋肉機能に支障をきたしている肥満の高齢者には特に重要であると云えよう。機能を高めるためにカロリー制限がレジスタンストレーニングと相乗的に作用するかどうかは不明である。

目的:
Improving Muscle for Functional Independence Trial (I’M FIT)の主要目標として、過体重/肥満の高齢者が減量のためのカロリー制限をレジスタンストレーニングと組み合わせて追加的に行う場合の筋肉および身体機能に及ぼす影響を決定した。

デザイン:
I’M FITの期間は5ヶ月
過体重/肥満の男女126名(65~79歳)を無作為に2群に割り付けて、週3日の中程度強度のレジスタンストレーニングをやってもらった。
減量介入ありグループ:レジスタンストレーニング(RT)+カロリー制限(CR)
減量介入なしグループ:レジスタンストレーニング(RT)のみ

主要評価項目:最大膝伸展力
副次評価項目:筋パワーと質(筋肉量当たりの筋力)、全体的な身体機能、全体的な体組成と太ももの組成

結果:
体重はRT+CR群では減少し、RT群では認められなかった。
脂肪量、体脂肪率、及び太腿の脂肪量の減少が両グループで認められた。
LBMが減少したのはRT+CR群のみであった。
調整後の介入後体組成/大腿組成は筋肉内脂肪組織を除いてRT+CR群で全て低かった。

膝の強さ、パワー、質、4m歩行速度は両群で同様に増加した。
400m徒歩時間と自己報告障害に対する調整後の介入後平均はRT+CR群で良好であったが、膝の強さなどその他の機能評価では群間差は認められなかった。
ベースライン時に体脂肪率と筋肉内脂肪組織が低い被験者は、400m徒歩と膝の筋力とパワーで大きな改善を示した。

結論:
レジスタンストレーニングは肥満高齢者の体組成(筋肉内脂肪組織の減少を含む)、筋力、及び身体機能を改善したが、肥満度が高くなるほどに改善は少なかった。
レジスタンストレーニングに食事制限を組み合わせると機動性が高まり、その他レジスタンストレーニングへの機能的順応は損なわれない。
これらの知見は、カロリー制限が治療の一部であるかどうかに拘わらず、レジスタンストレーニングを肥満治療に採り入れることを支持するものである。

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