第879回 下半身/上半身HIITの代謝反応と炎症反応の相違


HIIT(high intensity interval training) 又はHIIE(high intensity intermittent exercise)は同じで、高強度インターバルトレーニングを意味します。

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European Journal of Applied Physiology
July 2015, Volume 115, Issue 7, pp 1467-1474
Differences in metabolic and inflammatory responses in lower and upper body high intensity intermittent exercise

目的:
本研究の目的は、上半身と下半身の高強度インターバルトレーニング(HIIE)が、代謝と免疫の概念を結びつける免疫代謝学(immunometabolism)プロファイルに及ぼす影響を比較することである

方法:
7名の柔道選手に少なくとも48時間の間隔を空けて二つの実験をやってもらった。
ウインゲートテストとは、自転車エルゴメーターを全力で30秒間こいで、そのときの最大パワーや平均パワーなどで評価するテストのことですが、これを上半身と下半身それぞれ3分間の休憩を挟んで4回やってもらった。
血清中のIL-1RA(インターロイキン1受容体拮抗薬)、インターロイキン(IL-1)、IL-2、IL-4、IL-6、IL-10、TNF-α(腫瘍壊死因子α)、コルチゾール、グルコース及びNEFA(非エステル脂肪酸を解析した。
ピークパワー(30秒の試験の間に到達した最大パワー)および平均値平均を算出した。
また、各ウインゲートテスト終了後1分および2.5分後に、耳たぶから血液を採取し乳酸分析を行った。

結果:
上半身HIIEに比べて下半身HIIEで代謝率およびメカニカルパフォーマンスはいっそう高まった。ウインゲートテスト前 vs ウインゲートテスト後のそれぞれの値は次の通り。

下半身
乳酸:1.02 ± 0.16 vs 14.44 ± 1.08 mmol/L
グルコース:112.5 ± 16.7 vs 147.9 ± 23.5 mg/dL
平均パワー:621 ± 46 vs. 427 ± 40 W
最大パワー:794 ± 61 vs. 602 ± 109 W

上半身
乳酸:0.85 ± 0.18 vs. 12.69 ± 0.74 mmol/L
グルコース:115.3 ± 20.4 vs. 123.7 ± 28.6 mg/dL
平均パワー:480 ± 46 vs. 341 ± 45 W
最大パワー:672 ± 83 vs. 501 ± 120 W

しかし、NEFA(非エステル脂肪酸)についは有意な差異は認められなかった。

結論:
パフォーマンスは下半身HIIEでより高まったが、炎症反応については上半身/下半身HIIEに差異は認められなかった。