第923回 炭水化物を脂質に置き換えると死亡リスクと体重変化はどうなるの?


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Clinical Nutrition
2015 Aug28
The association of substituting carbohydrates with total fat and different types of fatty acids with mortality and weight change among diabetes patients.

背景:
2型糖尿病患者の食事を炭水化物から脂質へ置き換える是非について議論は依然として続いている。

目的:
本研究では、2型糖尿病患者が炭水化物の摂取を同カロリーの脂質(総脂質/飽和脂肪酸/一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸)に置き替えた場合の全死因死亡および心血管疾患死亡リスクと5年間の体重の変化を検討した。

方法:
ヨーロッパの癌と栄養に関する前向き研究(EPIC)の15コホートから6,192名の2型糖尿病患者を対象にして、食事内容に関する質問票からデータ収集し評価した。
コックスと線形回帰を用いて心血管疾患死亡率と体重の変化を推計した。
交絡因子を調整し、異なる方法でエネルギー摂取量を調整した。

結果:
平均9.2年 ± 標準偏差2.3年の追跡期間中に791名(13%)が死亡し、その内268名(4%)は心血管疾患が死因だった。
全死因死亡リスクは、炭水化物10g又は5%を総脂質(ハザード比1.07;1.02-1.13)または飽和脂肪酸(ハザード比1.25;1.11-1.40)に置き替えると高まったが、多価不飽和脂肪酸(ハザード比0.89;0.77-1.02)に置き換えると低くなった。
心血管疾患死亡リスクは、飽和脂肪酸(ハザード比1.22;1.00-1.49)または一価不飽和脂肪酸(ハザード比1.29;1.02-1.63)に置き換えると高まった。
これらの結果は異なるエネルギー調整方法においても一貫していた。

結論:
糖尿病患者では、炭水化物を飽和脂肪酸に置き換えることで心血管疾患死亡リスクが高まり、総脂質に置き換えると全死因死亡リスクが高まる。炭水化物を多価不飽和脂肪酸に置き換えると死亡リスクは低くなり体重減少につながる可能性がある。単に炭水化物を総脂質に置き換えるよう推奨するのではなく、栄養ガイドラインは飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換えるなど脂質のサブタイプの置き替えに焦点を当て続ける必要があろう。

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