第925回 糖質制限 vs 2型糖尿病リスク


糖質制限食にするとタンパク質/脂質の構成比が必然的に高くなりますが、それらが動物性由来の食品の場合には2型糖尿病の発症リスクが1.4倍に高まり、植物性由来の食品の場合には1.19倍になることが大規模な疫学研究で判りました。

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Diabetes Care
2015 Nov 17
Low-Carbohydrate-Diet Scores and Long-term Risk of Type 2 Diabetes Among Women With a History of Gestational Diabetes: A Prospective Cohort Study

目的:
低炭水化物食(LCD)で妊娠糖尿病の患者の短期的血糖コントロールを改善することができるが、妊娠糖尿病から2型糖尿病への進行への長期的な影響は明らかになっていない。
本研究の目的は、妊娠糖尿病の既往歴をもつ女性を対象として、低炭水化物の食事パターンと2型糖尿病の長期的リスクとの関連性を検討することである。

研究デザイン及び方法:
ハーバード公衆衛生大学院Dr Walter Willett主導の大規模な疫学研究the Nurses' Health Study IIに登録された妊娠糖尿病の既往歴のある4,502名の女性を対象として、1911年から2011年まで追跡調査を行った。
低炭水化物(LCD)の食事パターンについては、食品頻度アンケートを用いて総LCDスコア/動物性LCDスコア/植物性LCDスコアを計算した。Cox比例ハザードモデルを使用してハザード比(時間)と95%信頼区間を推計した。

結果:
68,897人年の間に2型糖尿病722症例が確認された。最高5分位と最低5分位との比較で、多変量調整後の2型糖尿病のハザード比は1.36(総スコア:95%CI 1.04~1.78 P=0.003 for trend)、1.40(動物性LCD:95%CI 1.06~1.84 P=0.004 for trend)、1.19(植物性LCD:95%CI 0.91~1.55 P=0.50 for trend )だった。

結論:
妊娠糖尿病の既往歴がある女性では、低炭水化物食の食事パターンが主に動物性の高タンパク質/高脂質の場合には2型糖尿病リスクが高く、植物性の高タンパク質/高脂質の場合には2型糖尿病との有意な関連性は認められなかった。