第932回 脂質は”量“よりも”質“が大事!


スペインRovira i Virgili大学/Carlos III衛生研究所/Navarra IDISNA大学/Valencia大学/Barcelona大学などで構成されたスペイン共同研究チームからの報告です。

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American Journal of Clinical Nutrition
First published Nov11 2015
Dietary fat intake and risk of cardiovascular disease and all-cause mortality in a population at high risk of cardiovascular disease

背景:
心血管疾患(CVD)の予防には、脂質の総摂取量よりも“脂質の質”と“脂質の置き替え”がいっそう重要である。

目的:
本研究の目的は、「脂質の総摂取量および脂質のサブタイプ」と「“CVDリスク(心筋梗塞+脳卒中+心血管死)”並びに“心血管死および全死因死亡”」との関連を評価することであったが、脂質のサブタイプを等カロリーで他と置き替えた場合の影響についても調べた。

デザイン:
スペインPREDIMED研究に参加したCVDリスクの高い7,038名を前向きに検討した。実験は2003年~2010年に行われたが、当該解析は2012年まで延長した追跡期間に基づいている。
ベースライン時およびそれ以降は毎年、食品頻度アンケートを用いて脂質の総摂取量と特定の脂質サブタイプを繰り返して測定した。時間依存性のCox比例ハザードモデルを用いた。

結果:
フォローアップ6年後にCVD症例336件と総死亡414件が確認された。最低五分位と比較して、総脂質/一価不飽和脂肪酸(MUFA)/多価不飽和脂肪酸(PUFA)摂取に対する最高五分位のハザード比(95% CI)は、それぞれ0.58 (0.39, 0.86)/0.50 (0.31, 0.81)/0.68 (0.48, 0.96)だった。
飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取が増えると、CVDリスクへはそれぞれ81% (ハザード比1.81、95% CI: 1.05, 3.13)、67% (ハザード比、1.67 95% CI: 1.09, 2.57)高まった。
一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の摂取による全死因死亡は逆相関した。
飽和脂肪酸を等カロリーの一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸へ、或いはトランス脂肪酸を多価不飽和脂肪酸へ置き替えるとCVDリスクは低減した。
ペストリーや加工食品の飽和脂肪酸はCVDの高リスクと関連していた。

結論:
一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸を摂取するとCVDリスク及びCVD死との関連はより低くなるが、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を摂取するとCVDリスクはより高まった。
飽和脂肪酸を一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸へ置き換える、或いはトランス脂肪酸を多価不飽和脂肪酸へ置き替えるとCVDと逆相関した。

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