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zoom RSS 第1030回 ビタミンD vs がんリスク

<<   作成日時 : 2017/11/28 08:20   >>

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ビタミンDについては当ブログでも数多くの研究を紹介してきましたが、適正用量および心疾患/脳卒中/がん/転倒・骨折/うつ病/関節リウマチ/多発性硬化症/死亡などのリスク軽減に関するアウトカムは辟易するほどに一貫していません。
故に、相反する研究結果を闇雲に紹介しても読者に混乱を与えるだけなので、ビタミンDに関する研究報告の紹介は敢えて見合わせてきました。
今般、ギリシャIoannina大学の研究チームが、大規模遺伝子疫学ネットワークのデータを用いたメンデル無作為化試験を実施して、ビタミンDの血中濃度とがんリスクの因果関係について報告しているので採り上げることにしました。

画像


BJM
BMJ. 2017;359(j4761)
Circulating Vitamin D Concentration and Risk of Seven Cancers: Mendelian Randomisation Study

イントロ:
イン・ビトロ(試験管)および動物モデルによる研究では、ビタミンDに抗腫瘍性の作用があることが報告されているが、血中ビタミンD濃度やがんリスクに関する疫学研究結果については一貫性が見られない。
血中25(OH)Dと癌との関連性を調べた先行の観察研究はサンプルサイズも小さく、且つ、方法論的な問題があり、また、ランダム化比較試験の確定データも揃っていない。

目的:
血中のビタミンD濃度が癌リスクと因果的に関連しているか探求することが本研究の目的である。

設計:
遺伝疫学的統計手法MRS(メンデル無作為化研究)

セッティング:
大規模な遺伝的疫学ネットワークを用いて、がん患者70,563例(*)と対照群84,418例のデータを評価した。
・GAME-ON(Genetic Associations and Mechanisms in Oncology)
・GECCO(Genetic and Epidemiology of Colorectal Cancer Consortium)
・PRACTICALコンソーシアム
・MR-Base platform

*がん患者の内訳は、前立腺癌22,898例、乳癌157,478例、肺癌1,253例、結腸直腸癌11,488例、卵巣癌4,369例、膵癌1,896例、神経芽腫1,627例

曝露:
ビタミンDに関連する4つの一塩基多型(rs2282679、rs10741657、rs12785878およびrs6013897)を循環25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)濃度の多多型スコアを定義するために使用した。

評価項目:
結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、肺がん、膵臓がん及び神経芽腫の発症リスクを主要評価項目とし、逆分散法を用いて特異的多型との関連を評価した。
尤度ベース方法による評価も行った
性別、解剖学的位置、病期(ステージ)、および組織学による癌の亜型に基づく副次評価も併せて実施した。

結果:
25(OH)Dの多型スコアが7種の癌またはそのサブタイプの発症リスクと関連しているという証拠はほとんどなかった。具体的には、遺伝学的に決定した25(OH)D濃度での25 nmol/L増当たりのオッズ比は、結腸直腸癌では0.92(95%信頼区間0.76〜1.10)、乳癌では1.05(0.89〜1.24)、乳癌では0.89(0.77〜1.02)、肺癌では1.03(0.87〜1.23)であった。
この結果は、その他2つの解析アプローチ結果と一致しており、試験の相対的効果サイズの検出力は中程度であった(例えば、大部分の主要評価項目について25(OH)Dの25nmol / L低下あたりのオッズ比は1.20-1.50であった)。

結論:
ビタミンDの血中濃度と様々なタイプの癌リスクとの間に、臨床的に意義のある効果の関連性を完全に否定はできなかったが、線形の因果関係があるという証拠はほとんどなかった。これらの結果は、先行の文献と併せて、ビタミンD欠乏の人口全体的なスクリーニングとその後の広範なビタミンD補充は、主要ながん予防のための戦略として現在の処では推奨されるべきではないという証拠を提供している。

関連ブログ記事
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Journal of General Internal Medicine
July 2016
Vitamin D: A Narrative Review Examining the Evidence for Ten Beliefs

この論文でも、『ビタミンDは、転倒や骨折の減少、うつ病や精神的健康の改善、関節リウマチの予防、多発性硬化症の治療、がんや死亡の発生率の低下に有効であると一般的に信じられているが、これらを裏付ける科学的なエビデンスは殆どない』と報告されている。








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