Nice Body Make・・・よもやま話

アクセスカウンタ

zoom RSS 第1033回 ケトジェニックダイエットは運動パフォーマンスと体組成を向上させる?

<<   作成日時 : 2017/12/25 18:04   >>

トラックバック 0 / コメント 0


画像


Metabolism
2017 Dec 2. pii: S0026-0495(17)30328-1
Keto-adaptation enhances exercise performance and body composition responses to training in endurance athletes


背景:
最近では耐久力アスリートの間で低炭水化物ダイエットの人気が高まっているが、ケトン産生食(LCKD)を長期間(>4週間)続けて行った場合のパフォーマンスへの影響については殆ど報告されていない。

方法:
非ランダム化群間比較試験
炭水化物ベースの食事を常食とする持久力を鍛えた男性アスリート20名(年齢33 ± 11歳、体重80 ± 11kg ; BMI 24.7 ± 3.1)を被験者として、高炭水化物食(HC群11名-PFCバランス14:65:20)またはケトン産生食(LCKD群9名-PFC17:6:77)のいずれかを二者選択させた。両群ともに有酸素運動、筋トレ、およびHIITを実施した。食事介入およびトレーニング介入ともに期間は12週間で、その前後に体組成値を測定して100kmタイムトライアル、6秒間の全力疾走、クリティカルパワーテストを行った。測定方法はゴールドスタンダードとも言われる二重エネルギーX線吸収法(DXA)である。介入後試験中は、HC群は30-60g/hの炭水化物を摂取したが、LCKD群は水および電解質のみであった。

結果:
体重および体脂肪率の減少はLCKD群の方が有意に大きかった。
体重:HC群 -0.8 kg vs LCKD群 −5.9 kg; P = 0.006, 効果サイズ: 0.338
体脂肪率:HC群 -0.7% vs LCKD群 -5.2%; P = 0.008, 効果サイズ: 0.346

空腹時血清β-ヒドロキシブチレート(βHB)は、12週目にLCKD群でベースライン時0.1から0.5mmol / Lに有意に増加した(P = 0.011、効果サイズ:0.403)。

100kmタイムトライアルのパフォーマンスに有意な変化はなかった(HC -1.13 min/sec LCKD −4.07 min/sec P = 0.057, ES: 0.196)

6秒間の全力疾走のピークパワーについては、LCKD群で体重1kg当たり0.8 watts高まったが、HC群では0.1watts減少した(P = 0.025, ES: 0.263)

クリティカルパワーテストでは、LCKD群で1.4 w/kg増加したが、HC群では−0.7w/kg減少した(P = 0.025, ES: 0.263)

100kmタイムトライアル中の脂肪酸化はLCKD群が有意に大きかった。

結論:
HC(高炭水化物食)群と比較して、LCKD(ケトジェニックダイエット)群で体組成の向上、運動中の脂肪酸化の高進および持久力競技アスリートに関連する所定のパフォーマンス評価項目での優位性が観察された。


マイコメント
Full textを読んでいないので精査することが出来ませんが、山田悟先生が訳しておられる諸データを基に、私なりの所感を述べたいと思います。


体重および体脂肪率の減少はケトン産生食群が大きかった?


太っている人が食事制限すると、LBMの減少は僅かだが脂肪は多く減ることは先にも何度か述べた。この研究ではベースライン時の体重は高炭水化物食群よりケトジェニック食群の方が約10kg重い。
高炭水化物食群では、体重は介入前/介入後76.5kg±9.9/75.7kg±8.7、体脂肪率は10.6%±5.1/12.1%±4.7
ケトジェニック食群では、体重は介入前/介入後86.3kg±14.3/80.4kg±13.4、体脂肪率は17.5%±5.5/12.3%±4.7

もしインスリンとカテコールアミンが同時に高まったらインスリンの作用が勝る。例えば、運動中にはインスリンレベルは低くカテコールアミンレベルは高いが、有酸素運動中にcarb drinkを飲むと脂肪分解が損なわれる。
この研究では、介入後の試験中に、HC群のみ30-60g/hの炭水化物を摂取しており、LCKD群は水および電解質のみであった。そして、この後で採血を行っている。

このような条件下でケトン産生食群で脂肪酸化が大きかったのは寧ろ当然であり、条件設定に欠陥があるのではないか。


除脂肪量はケトジェニック食群で減少しなかった?


高炭水化物食群では、除脂肪量は介入前/介入後63.6kg±5.4/63.7±5.0、骨密度は1.13%±0.12g-cm/1.12±0.11であり、ケトジェニック食群では、除脂肪量は介入前/介入後67.6kg±9.0/67.9±9.4、骨密度は1.16±0.11/1.14±0.11と報告されている。

10代や20代の初心者ならまだしも、この研究の被験者はトレーニングを積んだ平均年齢33歳のアスリート(トライアスロン/アイアンマン/自転車競技/マラソンなど)である。因みに、12週間の運動介入の内容は、中強度有酸素運動(週7時間以上)、筋トレ(レッグプレス・スクワット8〜10reps x 6sets x週2回)、HIIT(VO2max70% x 1分間 & インターバル1分x 10回)である。

ウォッシュアウト期間がなく、炭水化物454.8±152.0gを常食としていた被験者が、食事介入で41.1±13.3gまでいきなり落として水分の減少が生じぬ筈がないだろう。
本研究も都合よく水分の分析は報告されていない。


インスリン感受性

インスリン感受性が高い人では高炭水化物食で脂肪減少が大きく、インす論抵抗性の高い人では低炭水化物食で脂肪減少が大きいことが分かっているが、本研究ではベースライン時にインスリン感受性の測定はしていないのか?


介入管理

この研究は厳しい管理下で行われたものではなく、食事管理も運動管理も指導のみで1週間ごとの自己報告である。


血中βヒドロキシ酪酸

ケトン産生食群では血中βヒドロキシ酪酸の濃度が上昇していたが0.5mmol/L程度であったとのこと。
HIITトレーニング中にケトン体と乳酸が生成され、脳内で利用可能なエネルギー源となることが先行研究で示されているので、もう一歩踏み込んで調べる必要があろう。

関連記事
第753回 超低炭水化物食が運動能力と耐性に及ぼす影響





テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

第1033回 ケトジェニックダイエットは運動パフォーマンスと体組成を向上させる? Nice Body Make・・・よもやま話/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる