第1058回 糖質の摂取比率と死亡リスク(コホート研究)…まとめ


代表的な大規模の観察研究の内容骨子を整理すると下記の通りとなります。死亡率との因果関係はコホート研究(観察研究)で断定することは出来ませんが参考になさってください。

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第1017回 炭水化物の多い食事は死亡リスクを高める!?
PURE研究:発展途上国18ヶ国に住む35~70才の男女135,335名を対象に、食生活に関するアンケート調査を行い7.4年間の追跡調査。高炭水化物食(総エネルギーの60%以上)は、心血管疾患リスクはないが死亡率が高い。

第1049回 糖質制限は寿命を縮める!?
アテローム性動脈硬化リスクにつてのコホート研究 ARICで、15,428名(45–64歳)を対象に25年間の追跡調査。炭水化物の摂取比率と死亡率との関連はU字型で、低炭水化物食および高炭水化物食いずれも死亡率は高く、ほどほどの摂取比率50~55%で最も低い。上記↑のPURE研究を含めたメタ解析でも同様にU字型の関連が見られる。

第1055回 欧州心臓病学会:糖質制限はノー!!
米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した24,825名を対象に平均6.4年間の追跡調査を行った。炭水化物の摂取量が最も高い参加者に比較して、炭水化物の摂取量が最も低い参加者は、全死因死亡リスクは32%高く、更に、冠状動脈性心疾患、脳血管疾患および癌による死亡リスクは、それぞれ51%、50%、および35%高い。

NIPPON DATA80:低炭水化物食で女性の総死亡・心血管疾患死亡リスクが低減
このコホート研究では、糖質の摂取比率が欧米にくらべて高い日本人を対象にして、比較的軽度の低糖質食の総死亡ならびに心血管疾患死亡リスクへの影響を検討。30歳以上の9200人を29年間追跡調査。主筆者の京都女子大学・中村 保幸 氏は、『男性で有意な関連がみられなかった理由として、男性では女性にくらべて外食が多いことや、喫煙などほかの危険因子の頻度が高いことなどにより効果が希釈された可能性が考えられます。ただし今回は、低糖質食とはいっても意図的に糖質制限を行っていたわけではない一般住民での食事データであり、結果の解釈には注意が必要です。なお、欧米の糖質制限食トライアルでは、総摂取エネルギーに占める糖質の比率がベースライン時で約47~48%、制限目標が約10%というものもあります。日本人では、経年的にみると1960年代は約80%であったのが1980年代には約60%、2010年の国民健康・栄養調査のデータでは約56%と徐々に少なくなってきてはいますが、今回の対象者では、もっとも低いカテゴリーでも平均51.5%であり、欧米にくらべるとやはり多いといえるでしょう』とコメントしています。