第1074回 着圧ストッキングの副作用は?


レクレーションランナーやジョガーの多くが着圧ストッキングを着用して走っています。血液凝固系や線溶系活性化に問題はないのでしょうか?

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European Journal of Applied Physiology
October 2018, Volume 118, Issue 10, pp 2171–2177 | Cite as
Compression socks and the effects on coagulation and fibrinolytic activation during marathon running

By オーストラリアTasmania大学/Perth大学/ Technology大学/Queensland大学

目的:
着圧ソックスは下肢病変の治療および予防に頻繁に使用される。しかし、持久力の運動をする場合の止血活性化に及ぼす影響は不明なままである。

主要評価項目:
着圧ソックス着用がマラソン後の血液凝固とフィブリン溶解に及ぼす影響を調べることである。

方法:
男性43名(平均年齢46.7 ± 10.3歳)と女性24名(40.0 ± 11.0歳)を被験者として、着圧ソックス群(34名)と着用なしの対照群(33名)に割り付けた。
マラソン前後に静脈血を採取しトロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)、組織因子(TF)、組織因子経路阻害剤(TFPI)、D-ダイマーについて分析した。

結果:
対照群に比べて、着用群の運動後のD-ダイマーの増加は有意に減衰した。
着用群:+ 9.02 (- 0.34 to 60.7) ng/mL
対照群:+ 25.48 (0.95–73.24) ng/mL

運動後に組織因子(TF)は全員で高まったが、トロンビン-アンチトロンビン複合体(TAT)と組織因子経路阻害剤(TFPI)に有意な変化は観察されなかった。

結論:
線溶系活性化とフィブリン溶解による血液凝固はマラソン後にすべてのランナーで明白であったが、着圧ソックスを着用するとフィブリン溶解の活性化は、D-ダイマー濃度も低減によって示されるように、低下することが示された。着圧ソックスは長時間の運動による止血活性化を低下させるようである。

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