第1076回 禁煙するなら一気に?それとも徐々に?


徐々に本数を減らすより一気に減らす方が良い理由が明らかになりました。
米国Minnesota大学/Texas大学/Duke大学/Pennsylvania大学/Philadelphia大学/Johns Hopkins大学/Mayoクリニック/Moffittがんセンターなどによる共同研究チームからの報告です。

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JAMA
2018 Sep 4;320(9):880-891. doi: 10.1001/jama.2018.11473.
Effect of Immediate vs Gradual Reduction in Nicotine Content of Cigarettes on Biomarkers of Smoke Exposure: A Randomized Clinical Trial.

重要度:
米国で販売されている総ての煙草について、ニコチンを最小限または依存性のないレベルに減らすための最適な時間的アプローチは決定されていない。


目的:
煙草のニコチン含有量を非常に低いレベルまで減らすに当たって、即時に減らすやり方と徐々に減らしていくやり方が有毒性暴露バイオマーカーへ及ぼす影響を、通常のニコチンレベルの喫煙(対照群)と比較して検証することである。


設計、設定、および参加者:
二重盲検、無作為化、並行デザイン
2週間の喫煙期間(ベースライン)に続いて20週間の介入を全米10施設で実施した。
2016年7月から9月にかけて、30日以内に禁煙の意思がなく毎日吸っているボランティアを募集し、2017年3月まで追跡調査を行った。


介入:
被験者1250名(平均年齢45歳、女性549名)を下記の3群に割り付けた。
(1) 煙草のニコチン量を0.4mg/gへ即時に減らす(即時型)
(2) 5ヶ月かけて15.5mg/gから0.4mg/gへと徐々に減らす(緩徐型)
(3) 15.5mg/gを維持(対照群)


主要評価項目:
呼吸一酸化炭素(CO)、尿中3-HPMA(アクロレイン代謝物)、尿中PheT(多環芳香族炭化水素)の3つの喫煙毒性曝露バイオマーカーの介入20週間における群間差を
濃度-時間曲線下面積(AUC)で評価した。


結果:
被験者958名(77%)が試験を完遂した。

緩徐型に比べて即時型は3つの喫煙毒性曝露バイオマーカーいずれにおいても有意に低値だった。

・呼吸一酸化炭素(CO):平均値-4.06 95%信頼区間CI-4.89~-3.2,、P < 0.0055)

・尿中3-HPMA(アクロレイン代謝物): クレアチニン幾何平均値 0.83 95%CI 0.77~0.8,、p<0.0055

・尿中PheT(多環芳香族炭化水素):クレアチニン幾何平均値0.88 [95% CI, 0.83 ~ 0.93,P <0 .0055).

また、即時低下群は対照群と比べても、3つのマーカー値が有意に低値だった。

・呼吸一酸化炭素(CO):平均値 -3.38 95% CI, -4.40 to -2.36, P <0 .0055

・尿中3-HPMA(アクロレイン代謝物): クレアチニン幾何平均値0.81 95% CI, 0.75 ~0.88, P < .0055

・尿中PheT(多環芳香族炭化水素):クレアチニン幾何平均値0.86 95% CI, 0.81~ 0.92 , P < .0055

緩徐型と対照群では3つのマーカー値ともに有意な群間差は無し

・呼吸一酸化炭素(CO):平均値 0.68 95% CI, -0.31~1.67, P =0 .18

・尿中3-HPMA(アクロレイン代謝物): クレアチニン幾何平均値0.98 95% CI, 0.91 ~1.06, P = 0.64

・尿中PheT(多環芳香族炭化水素):クレアチニン幾何平均値0.98 95% CI, 0.92~1.04, P =0.52


結論と妥当性:
喫煙者の間では、煙草のニコチンを即時に減らす方が、緩徐型や対照群に比べて喫煙曝露のバイオマーカーが有意に減少し、緩徐型と対照群との比較では有意差はなかった。