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zoom RSS 第1113回 糖尿病・前糖尿病患者に個別化された食事プランを推奨…コンセンサスレポート 2019年版

<<   作成日時 : 2019/05/20 20:07   >>

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米国糖尿病学会(ADA)から“Nutrition Therapy for Adults with Diabetes or Prediabetes(糖尿病/前糖尿病を患っている成人のための食事療法)に関するコンセンサスレポート”が発表されました。この新しいコンセンサスレポートは、ADA 2014 position statement(=第548回 米国糖尿病学会が推奨する栄養療法)をアップデートしたもので、個別化された食事プラン、最適なウェイトマネジメントのための栄養ガイダンス、及び心血管疾患・腎臓病・胃不全麻痺を含む糖尿病合併症の予防と管理について詳述しています。因みに、今回のコンセンサスレポートは、Standards of Medical Care in Diabetes—2019 にも ”Living Standards Update” として組み込まれています。

要点は次の通りです。


 当該コンセンサスレポートは、外来の“前糖尿病/1型糖尿病/2型糖尿病患者(成人)への食事療法の個別化に関するガイダンス”を臨床専門家に提供することを目的としている。


 最新のエビデンスを提供するために、2014年1月1日〜2018年2月28日の間に発表された研究をPubMedで検索した。ランダム化比較試験(RCT)、系統的レビュー、及びRCTメタ解析に重きを置いている。


 医学的栄養療法(MNT)が全体的な糖尿病管理プランの基本であることを強調している。そして、医学的栄養療法(MNT)の必要性は医療提供者によって、一生涯を通じて糖尿病を有する人々と協力し、頻繁に再評価されるべきである。
健康状態やライフステージが変化する時期には特別な注意が必要であることは言うまでもない。


 糖尿病の予防や管理に、“one-size-fits-all” つまり “単一で誰にでも当てはまる万能型”の食事プランはない。糖尿病や前糖尿病の罹患者は広範囲にわたっており、彼らの文化的背景・個人的な嗜好・併存疾患・社会経済的状況を考えると非現実的である。


 コンセンサスレポートで取り上げられた食事パターンは、米国食事摂取基準、地中海食、ベジタリアン食・ビーガン食、低脂肪食(総脂肪≦30%、飽和脂肪酸≦10%)、超低脂肪食(炭水化物70〜77%、脂肪10%、たんぱく質13〜20%)、低炭水化物食(炭水化物カロリー比率26〜45%)、超低炭水化物食(炭水化物カロリー比率26%未満)、DASH食、旧石器時代食(パレオ)の9つである。
各食事パターンのPotential benefitsとして、地中海スタイル食/ベジタリアンorビーガン食/低脂肪食/DASH食には“糖尿病リスク減少” と特記されている。しかし、低炭水化物食/超低炭水化物食によるA1c減少は報告されているが、糖尿病リスク減少の利点はない。


 糖尿病患者の炭水化物の摂取量を減らすことで、血糖値が改善することは多くのエビデンスで示されており、これは個人のニーズや嗜好に合ったさまざまな食事パターンに適用できるかもしれない。


 血糖値の目標に到達しない、または、抗血糖薬の服用量を減らすことが優先される2型糖尿病を患う一部の成人では、低炭水化物or超低炭水化物の食事プランで炭水化物の摂取量を減らすことは現実的なアプローチである。


 しかし、全ての糖尿病患者や糖尿病リスクのある人たちにとって、炭水化物・タンパク質・脂肪の最適なカロリー比率というものは存在しない。糖尿病の管理にはさまざまな食事パターン(色々な食品or食品群の組み合わせ)が許容される。


 低炭水化物食と高炭水化物食を比較したメタ解析では、炭水化物の制限が大きいほどA1Cの減少が大きくなるが、1年以上の期間では有意な差異はない(112)。


 慢性腎臓病、摂食障害、或いは妊婦に超低炭水化物の食事パターンを推奨するにはさらなる研究が必要である。


 三大栄養素の割合は、個々の患者の現在の食事パターン、嗜好、および代謝目標に基づいて個別化する必要がある。


 個人的・文化的な嗜好、健康リテラシー及びニューメラシー(計算能力)、健康的な食品選択へのアクセス、行動変革の意欲および能力、ならびに変革への障壁を考慮して個々の栄養ニーズに対処する。


 これまでは1型糖尿病における肥満については特に言及されていなかった。2型糖尿病と同様に、肥満はインスリン抵抗性、血糖変動性、微小血管疾患合併症および心血管危険因子を悪化させる可能性がある。故に、ウェイトマネジメントは過体重/肥満の1型糖尿病患者のケアに必要不可欠である。


 体重減少には、総エネルギーが同じなら栄養素率は異なっていても効果は同じである。エネルギー収支バランスがマイナスとなるような食事プランを念頭に個別化を図ることが成功の鍵である。


 食事パターンを比較した研究は、パターンの定義、パターン遵守の評価、試験期間、被験者の特徴などに違いが見られ、いずれも2年以上の長期のランダム化比較試験は殆ど行われていない。


 個々の食事パターンを比較したエビデンスが個々の患者への特異的な利益を示すまで、医療提供者はパターン間で共通となっている次の重要ポイントに焦点を当てるべきである:@非でんぷん質の野菜に重きを置く、A添加糖や精製穀物を最小限に抑える、B可能な限り加工されていない食品(whole foods)を選ぶ。


 sugar入り飲料(SSB)はできるだけ水に置換える。

参考:此処で言っているsugarとはいわゆる砂糖ではなく、free sugars(遊離糖)を指します。WHO及びFAOの定義では、free sugars(遊離糖)とは、“製造業者、調理人、或いは消費者が食品や飲料に添加するグルコースやフルクトースなど単糖類、スクロース(ショ糖=砂糖)やテーブルシュガー(グラニュー糖)など二糖類” 並びに “蜂蜜、シロップ、果物ジュース、果実濃縮ジュースに天然に存在するsugars”を意味します。


 一般に、飽和脂肪酸を不飽和脂肪酸に置換えると、総コレステロールとLDL-Cいずれも低下し心血管疾患(CVD)のリスクも低減する。


 2型糖尿病の成人に対する医学的栄養療法(MNT)は、現行の薬物治療と同等あるいはそれ以上にヘモグロビンA1cの減少をもたらす可能性があることが研究により示されている。


 CVD、糖尿病性腎臓病、および胃不全麻痺を含む糖尿病合併症の予防と管理において食事療法が果たす不可欠な役割に関する重要な情報も注目に値する。


 加えて、医学的栄養療法(MNT)と薬物や身体活動を含む全体的な管理戦略とのコーディネートも重視している。


 前糖尿病患者に糖尿病予防プログラムをモデルとした集中的なライフスタイル介入プログラムand/or個別化された食事プランを紹介し、食習慣の改善、1週間に少なくとも150分の中強度の身体活動の実践、必要に応じて7〜10%の体重減少を目指す。


 管理栄養士(RDN)や糖尿病教育者を含む医療提供者が、ウェイトマネジメントについて糖尿病や前糖尿病の患者に人にカウンセリングするときは、摂食障害の予防、診断、治療に特別な注意を払うべきである。


マイコメント
今回のコンセンサスレポートでは、低炭水化物食の立ち位置が一歩も二歩も前進しているのは事実ですが、それにしても戦時下で戦果を誇張した大本営発表のごとく、Y専門医が低炭水化物の利点のみを誇大喧伝しているのは見るに耐え難い。読者の皆さんには正確に理解していただきたく、追ってフルテキストを和訳する予定です。




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