第1148回 新型コロナウイルスは高温多湿に弱いのか?

雑談あれこれ

dunai.jpg


 米国ペンシルベニア州立大学のElizabeth McGraw氏は、『冬季は屋内に集まり(クラスター)感染のリスクが高まる。更に、感染は咳やくしゃみで放出される飛沫(水滴)によって広がるが、空気が冷たくて乾燥しているときは浮遊しやすく、空気が湿っていて暖かい場合、水滴は速く地面に落下するので伝播しにくい』と説明している。


 米国University of Maryland School of Medicine/イランShiraz University of Medical Sciencesの研究チームは、「Covid-19感染が著しい国の気候に類似点があり、平均気温は5〜11°C湿度47〜79%で拡大している」と報告している。

SSRN
“Temperature, Humidity and Latitude Analysis to Predict Potential Spread and Seasonality for COVID-19”
2020 Mar9


COVID-19感染地域.png


 米国の「アレルギー感染症研究所」「国立衛生研究所」「国防総省先端技術開発庁」「全米科学財団」などの委託を受けて行われた「COVID-19媒介物報告書」の中には、このウイルスの弱点は湿度に弱く、加湿器を使い、湿度50%で華氏72度(摂氏22‐22度)にすれば、ウイルスの活動が収まることが判明したという。

私はシンガポールに4年間住んでいました。気温は温暖で湿度は高く、ゴルフをハーフすると頭から水をかぶったように全身汗びっしょりです。
今般、シンガポールでCOVID-19感染が低かった理由として大いに頷けます。

首都テヘランにも住んだこともあります。
夏は暑く乾燥状態で、冬は非常に寒く乾燥状態です。
11月から3月の平均最高気温は 14°C 未満で、雪が降ることもあります。
こんなイランでCOVID-19が拡大したことも合点です・

東京の2019年の気温はグラフの通りで、湿度は1月が最低で51%、最高が7月の89%、平均すると70%です。COVID-19は高温多湿に弱いという説が正しければ、5月からウイルス拡大は右肩下がりになります。
是非ともそう願いたいです。

monthly_s2.png

ところがこれらを否定する材料もあります。
アラブ首長国にも住んだことがあります。
日本には四季があると話したところ、アラブにも四季があるという答えが返ってきた。「Hot」「Very Hot」「Terribly Hot」「Unbelievably Hot」だと言う。

Dubaiには蚊がいない。暑くてボーフラが死んでしまうからである。
車のボンネットで目玉焼きが出来る。
それに湿度はなんと90%だ。

こんなDubaiに何故かCOVID-19感染が拡大している!

300420 KAIMRC Infograph V2-02upload (1).jpg

エアコンの効いた屋内(クラスター)にいる時間が多いことが理由の一つとして挙げられるが、それはシンガポールも同様なのに感染率が低い事実に相反する。

Dubaiの男性は、ターバンのような“クーフィーヤ”を頭に巻いて、黒くて丸い輪“イカール”で止め、マキシ丈のワンピースのような白いカンドゥーラを着て全身を覆っており(通称オバケのQ太郎ルック)、しかも直射日光に当たることも殆どない。
そこで紫外線の暴露量が少ないことがやはり大きな理由として浮上してくる。
それを裏付けるデータとして、上述したイラン然り、アラブ首長国もサウジアラビアいずれも、ビタミンレベル25(OH)Dが不十分であることがPaul Lips et al. の研究で示されている。

European Journal of Endocrinology
Current vitamin D status in European and Middle East countries and strategies to prevent vitamin D deficiency: a position statement of the European Calcified Tissue Society


新型コロナウイス感染症とビタミンDの関連性を示す直近の研究論文は査読前であり、ランダム化対照試験を行う必要があります。従って、その有効性を断定して販売するのは早計かと思うが、だからといって大きな可能性を端から否定することはあるまい。
否定論者に告げたい…堅牢な否定的データがあれば示して頂きたい。


Take Home message
新型コロナウイルス感染症には、気候が関係している可能性があること、同時に紫外線暴露量/ビタミンD量も大いに関連しているのではないかという考え方を払拭できない。




この記事へのコメント