第1165回 ビタミンDはCOVID-19対策へ有効です(科学的根拠)

免疫系を含むコロナ諸文献を全般的にレビューしつつ、ビタミンDの有益性を再確認しました。
長文ですが目を通してください。きっとお役に立つと思います。
因みに、わたしはビタミンD販売業者の回し者ではありません(笑)

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高齢者の重症化と死亡率

世界保健機関(WHO)は、ヨーロッパで新型コロナ感染症で死亡した人のうち95%以上が60歳以上だとして、高齢者は重症化する危険性が高いと警鐘を鳴らしています。

日本も同様で、感染の中心になっている若者の多くは軽症で済む一方、高齢者ほど重症化しやすい特徴がより鮮明になっています。
7月末発表時点での厚生労働省の分析によると、累計感染者のうち、20代は25.4%、30代が16.6%。40代の14.3%が続き、80代以上は8.0%でした。
死亡者のうち最多は80代以上で、56.7%と半数以上を占めています。
70代(27.4%)と合わせると、計約84%に達します。
60代(10.2%)と50代(3.3%)が続いています。
死亡者数を感染者数で割った死亡率も80代以上が最高の26.9%で、70代13.5%、60代4.3%が続き、50代以下は0.0~0.9%でした。

2020年8月12日時点で、併存疾患がない患者で死亡したのは1.4%である一方、併存疾患がある場合は、心血管系疾患13.2%、糖尿病9.2%、高血圧8.4%、慢性呼吸器疾患8.0%、がん7.6%と高かったことが報告されています。

この様な状況下で、日本政府は2020年10月9日付けで、入院する感染者を原則65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人らに絞る政令改正を閣議決定しました。
現在は全感染者が入院対象ですが、医療機関などの負担を減らし、重症者治療に重点を置いています。24日に施行されます。


人が動けば感染は広がる!

2020年10月14日、フランスでは第二波として1日の新規感染者が3万人を超え、パリなど9都市圏での夜間の外出禁止を発表した。過去一週間の間で入院が必要となった感染者数は6529人に達し、そのうち1750人が重症化して救急治療室に搬送されています。
イタリア政府は17日、新型コロナ感染者が前日から1万925人増えたと発表、1日の新規感染者は4日連続で過去最多を更新した。
ベルギー保健当局は感染者が13日に1万369人確認されたと発表。同国で1日に1万人以上の感染者確認は初。オランダからの17日の報道によると、同国も過去24時間の新規感染者が過去最多となる8114人を記録。オーストリアやチェコ、ポーランドでも最多の報道が相次いだ。

入国制限の緩和やgo toを鋭意推進している日本にとって、欧州での感染の広がりは決して対岸の火事ではない。


日本の第3波は恐るるに足らず??

京都大学大学院の上久保教授は、「日本人の85%以上が既に集団免疫を持っている」、「日本人はすでに新型コロナウイルスを克服した」と言う。

同教授のCOVID-19についての研究論文“Paradoxical dynamics of SARS-CoV-2 by herd immunity and antibody-dependent enhancement” が話題として浮上しています。
日本のコロナは11月以降に消滅、第3波も来ない説の根拠” で、日本語で要約されているので参照願いたいが、その骨子は次の通りです:

「新型コロナは最初に中国で弱毒のS型が発生し、その後に弱毒のK型、強毒のG型の順に変異した。中国人観光客の入国によって昨年12月にS型が日本に上陸し、今年1月中旬にはK型がやって来た。しかも日本は3月8日まで中国からの渡航を制限しなかったため約184万人の中国人観光客が来日し、S型とK型が日本中に広がった。それにより、日本人は知らない間に集団免疫を獲得した」、「そのため、中国・上海で変異した強毒性のG型が欧米に流入した際に防御できず、同地で重症者が激増した。しかし日本は集団免疫ができていたため、G型が流入しても被害が少なかった」、「しかも、人間の細胞にくっついて影響を与えるウイルスの突起(スパイク)の変異可能な数は最大12~14回で、頻度は月1回ほど。新型コロナのS型が発生したのは昨年12月なので、早ければ11月にも最後の変異を終えて、普通のコロナウイルスに戻るとみられます。それはコロナウイルスの原則的なメカニズムと考えられることなのです。新型インフルエンザが流行しない場合は、新型コロナが11月以降に消滅して、第3波が到来することはない」、「10~80代のボランティア約370人の抗体検査をしたところ、全員がIgG抗体を持っていた。IgG抗体を持つ人でも、喉にたまたまウイルスがいればPCR検査で陽性になるが、免疫があるため症状はほとんど出ない。最近目立つようになった無症状の感染者は、そうしたケースである」と述べておられる。

しかし、上久保教授の集団免疫説の根拠となるのは、各県の陽性率、致死率等を用いた計算結果によるものです。ところが計算の前提の根拠が明白ではなく、前提そのものが間違っています。また上久保氏は計算結果を実験等で実証していません。

上久保靖彦氏の集団免疫説を検証” というタイトルのブログ記事が、上久保教授説の脆弱を鋭く指摘しています。大いに参考になります。

厚生労働省の人口動態調査によれば、季節性インフルエンザによる日本国内における死亡者数は、2015年は2,262人、2016年は1,463人、2017年は2,569人、2018年は3,325人です。他方、米疾病対策センターによると、米国ではインフルエンザが原因で毎年少なくとも1万2000人以上が死亡しており、とりわけ感染が深刻だった17~18年のシーズンには患者数は4500万人に上り、6万1000人が死亡しており、日本より遥かに多かった。この頃は両国とも厳しい入国制限はしておらず、上述の“海外からの入国者によってもたらされた集団免疫の獲得云々”という説明のくだりは宙に浮く。

また、2020年5月、米国ラホイヤ免疫研究所の研究チームは、流行が始まる前の2015~18年に米国で収集された20~60歳代の保存血液20人分を調べ、約半数から新型ウイルスを認識する免疫細胞「ヘルパーT細胞」を検出しました。ヘルパーT細胞は、「免疫の司令塔」とも呼ばれ、ウイルスを攻撃する抗体を別の免疫細胞「B細胞」に作らせるなどの役割があります。
研究チームは、通常のコロナウイルスに感染した経験によって、免疫系が新型ウイルスも認識できるようになる「交差免疫」が起きたと考えていると世界的なライフサイエンス雑誌『セル』で発表しました。メディアは未感染者の半数はすでに免疫を獲得したと報じましたが、米国での感染者/死亡者は今もなお増え続けています。
ジョンズ・ホプキンス大学によると、日本時間で17日8時の時点で感染者数は804万922人、死者数は累計21万8455人となっています。

なお、査読前のmedRxivですが、Sarah Beale et al.によれば“PCRで確認されたSARS-CoV-2感染の無症候性の割合は23%だそうだ。


日本人の重症化/死亡率はなぜ低いのか?

個別性による免疫システム機能の違いでしょう。
免疫とはシステムであり、多数の細胞などのネットワークによって担われた、「さまざまな機能」をもつものです。病原体が入ってくれば、自然免疫系は細菌やウイルスがもつ成分のパターンに反応をしてそれを排除しようとするとともに、獲得免疫系に情報を伝えます。

日本人の重症化/死亡率が低い理由として、自然免疫/交差免疫/訓練免疫など免疫系システムにBCG(日本株/ロシア株)が有益的に関与している可能性が高いと見られています。しかし、その因果関係や機序については科学的に証明されてはいません…第1153回 BCGは新型コロナウイルスに有効なのか?

(参考)2020/8/31付けCell-"Activate: Randomized Clinical Trial of BCG Vaccination against Infection in the Elderly”:高齢者198名を被験者としたランダム化比較試験で、BCGワクチン接種が主としてウイルス性気道感染症に対して保護効果(自然免疫/訓練免疫作用)があることが示された。故に、COVID-19を含むウイルス性呼吸器感染症全般に対する保護効果が期待できるが、その評価には大規模場研究が必要だと言っている。

米国人の40%以上がビタミンD不足と言われています。
日本でもビタミンD 不足が指摘されており、「日本人の食事摂取基準2020年版」では、一日のビタミンD摂取目安量が従来の5.5μgから8.5μgに大幅に引き上げられました。日本でのビタミンD摂取と欠乏症に関する研究は乏しいため、推定平均必要量および推奨量の設定が難しく、目安量が設定されています。
而も、目安量は米国の食事摂取基準を参考にし、日照による皮膚でのビタミンD の生産を考慮した値が設定されています。
耐用上限量の設定もアメリカの食事摂取基準を参考にして、100ug(4000 IU)と設定されています。日照および食事がビタミンDを得る最良の方法ですが、サプリメントも使用可です。

この様に日本人もビタミンD 不足気味と言われながらも、COVID-19の重症化/死亡率は諸外国に比べて極めて低い。従って、ビタミンDはCOVID-19感染/重症化/死亡リスクの主要かつ単一的な因子ではないとの見方が出来ます。

しかし、現実としてビタミンD とCOVID-19感染および重症化リスクに負の相関があること、つまり、血中のビタミンD濃度25(OH)Dが十分であれば、感染/重症化が少ないことを多数の研究が示しています。故に、ビタミンDも交絡因子の一つとして影響している可能性は高いと見るのが妥当でしょう。


ビタミンDの有益性(科学的根拠)

僅かばかりの研究論文を参照して、研究論文は査読付きでなければならない、或いは、比較対照試験ではないと言った理由で、ビタミンD のCOVID-19対策への有益性を端から否定する医師や教授もおられる。高用量の投与に対しては正論と言えますが、余りにも杓子定規で狭量です。
因みに、治療薬アビガンや一連のワクチンは有効性と安全性に疑義が残るが、政治的判断が色濃く滲み出て適用されようとしていることには何故か口を閉ざしています。

高齢者には来世になって大規模なRCTで立証されても手遅れです。
特に高齢者は長期間の巣ごもりによる下半身の退化や心血管フィットネスの低下が著しい。

感染リスクには3密の回避、マスク着用、手洗い、うがいなど公衆衛生的な介入が基本ですが、決定的な治療法は確立されていません。世界保健機関(WHO)は、高品質な科学的裏付けもなくBCGに群がると、すでに不足気味となっているBCGワクチンが乳幼児に行き渡らなくなる恐れがあると言っています。こんな状況下で、有益性/可能性のあるビタミンD療法は、手軽に実行できて副作用の懸念も無ければ、試みても良いのではないでしょうか。そういう意味で。ビタミンDサプリは手軽で高価なものでもなく(2000IU 120粒が約500円)、そもそも過剰摂取しない限り体に悪いものではありません。
耐用上限量を守り日光を浴びながら活発なエクササイズと併用すると、新型コロナウイルス対策だけではなく、全般的な健康促進にもつながります。“第1142回 新型コロナウイルス vs ビタミンD” で詳述しているので熟読してください。

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ご参考までに、ビタミンDの呼吸器感染症と新型コロナ感染症への有益性を示す研究論文を以下の通り取りまとめました。

呼吸器感染症に対する抗ウイルス免疫へのビタミンDの役割(エビデンス)

ビタミンDがインフルエンザなど呼吸器感染症に有益に作用することがこれまでの研究で報告されています。個々人の血中ビタミンDレベルに依存する可能性が高いようです。それでは具体的に説明しましょう。

スリランカColombo大学Ranil Jayawardena et al.による研究報告は、“ウイルス感染症の免疫力を高めるための栄養介入”についての最初の系統的レビューです。この研究ではビタミンD補給のウイルス感染の予防と治療への有益性が示されている。

脂溶性ビタミンであるビタミンDは、自然免疫および獲得免疫に調整に重要な役割を果たすことが報告されている。(Cynthia Aranow et al.)

ビタミンD欠乏症では急性ウイルス性呼吸器感染症への感受性が高まることを疫学的データが示している。(Dominique J. Monlezun et al.)

Nicolas Goncalves-Mendes et al.のレビューでは、ビタミンDがインフルエンザA及びB、パラインフルエンザ1及び2、RS体ウイルス などの呼吸器ウイルス感染に対する自然免疫応答の重要な調節的役割を果たしていることを示唆している。

急性呼吸器感染症の予防におけるビタミンDの役割に関し、断面研究(4件)/症例対照研究(8件)/コホート研究(13件)/臨床試験(14件)を精査した系統的レビューでは、大方の観察研究が“低ビタミンD状態と上下気道感染症リスクの増加との間に統計学的に有意な関連があること”を示している。しかし、ランダム化比較試験(RCTs)ので結果は一致していない。その原因は、ビタミンDの投与処方やベースライン時の被験者のビタミンD状態の不均一性によるものと思われる。(David A.Jolliffe et al.)

上記の系統的レビューに続いて、いくつかのRCTsが実施されている。その一つはAglipay et al研究で、子供たちにビタミンD高用量(2000 IU/日)または標準用量(400 IU/日)を割り当て、ウイルス性上気道感染症の発症が低減するかどうか調べたが、有意な群間差はなかったことが報告されている。しかし、被験者の約 1/3のみ ビタミン D レベルが30 ng/ml未満だった。

また、ビタミンD不足の高齢者を対象としてビタミンD補給がインフルエンザワクチン反応に及ぼす影響を調べた最近のRCTでは、抗体産生を改善することなくTGFβ血漿レベルが高くなり、免疫寛容反応に向けてリンパ球分極が行われることが示されている。(Nicolas Goncalves-Mendes et al.)

他のRCTでも同様に、ビタミンDの高用量(100,000 IU/月)の補給は、標準用量(12,000 IU/月)と比較して、長期介護の高齢者の急性呼吸器感染症の発生率を減少させたことが示された。(Adit A. Ginde et al.)

ビタミンD補給の呼吸器感染症に対する抗ウイルス免疫への役割は、個人のビタミンDの状態に依存する可能性が高いことは明らかである。(Saif Abu-Mouch et al.)

さらに、ビタミンDは、HCV遺伝子型1-2-3の患者で有益な効果を示しており、ウイルス応答を有意に改善した。(Assy Nimer et al.)

まとめると、
ビタミンD補給はインフルエンザなど呼吸器感染症に有益に作用する。
その作用は個々人の血中ビタミンDレベルに依存する可能性が高い。


新型コロナウイル感染症(COVID-19)に対するビタミンDの有効性(エビデンス)

Marta Entrenas Castillo et al.の研究は、小規模ながら初めての無作為化比較試験です。スペインのコルドバにあるソフィア大学レイナ大学病院で行われた。
被験者は入院患者76人(男性45人、女性31人)、平均年齢は53±10(平均±SD)歳、男性は54±9歳、女性は51±11歳で、全員が抗マラリア剤のヒドロキシクロロキンと抗生物質のアジスロマイシンによる治療を受けていました。
被験者は介入群50名(カルシフェジオール多量投与)と対照群26名(カルシフェジオールなし)の2群に無作為に割り付けた。カルシフェジオールとはビタミンD内分泌系の主要代謝物のことで、ソフトカプセルで割り当てられた。
介入群へのカルシフェジオール投与量は、入院初日は0.532mg(21,280 IU)、入院:0.266mgです。

その結果、カルシフェジオール治療を受けた患者は1人も死亡せず、50人全員が合併症もなく退院した。一方、カルシフェジオールが投与されなかった26人の患者のうち半分の13人は退院したが、残りの13人は集中治療室(ICU)に運ばれ、そのうち2人は死亡した。

結論として、当研究では“高用量のカルシフェジオールを投与することで重症化を軽減できること”が示されたが、決定的な答えを出すには大規模な試験が必要になると締め括っている。

出典:
J Steroid Biochem Mol Biol.
2020 Aug 29
“Effect of calcifediol treatment and best available therapy versus best available therapy on intensive care unit admission and mortality among patients hospitalized for COVID-19: A pilot randomized clinical study”


William Grant et al.は、ビタミンDは新型コロナウィルス(COVID-19)の感染リスクを低減するので、最初の数週間は1日10000IU、その後1日5000IU摂取するよう推奨しています。
論理的には、「体内のビタミンDレベルが低い人は、上気道感染症やインフルエンザへの罹患リスクと重症化リスクが高まると考えられている。つまり、ビタミンD摂取レベルを適正レベルまで増やし免疫機能を正常化することで、これらの罹患リスクと重症化リスクを下げることが期待される。このことは新型コロナウイルスでも同じである可能性がある」と言っています。
新型コロナウイルスに感染した人たちの治療には、摂取量をさらに高めると有益であろうとしながらも、“これらの推奨事項を評価するには、更なる大規模集団試験などで最終評価する必要がある”と言っており、現時点では確定的ではありません…第1142回 新型コロナウイルス vs ビタミンD

出典
Nutrients 2020 Apr
Evidence That Vitamin D Supplementation Could Reduce Risk of Influenza and COVID-19 Infections and Deaths


米国シカゴ大学David Meltzer et al.の研究では、ビタミンD欠乏症の患者は、ビタミンDレベルが十分な患者に比べて、COVID-19検査で陽性となる確率が約2倍にのぼったそうだ…第1163回 ビタミンDとCOVID-19感染/重症化/死亡リスクとの関連性

出典:
JAMAネットワークオープン
September 3, 2020
Association of Vitamin D Status and Other Clinical Characteristics With COVID-19 Test Results


Tehran University of Medical SciencesのZhila Maghbooli et al.の研究で、一般集団および特に入院患者のビタミンDの状態を改善することは、COVID-19の重症度および死亡率を減少させる上で有効であろうと結論付けている。

出典:
PLOS ONE
September 25, 2020
Vitamin D sufficiency, a serum 25-hydroxyvitamin D at least 30 ng/mL reduced risk for adverse clinical outcomes in patients with COVID-19 infection


イスラエルTel Aviv大学Eugene Merzon et al.
血漿中25(OH)D濃度の低さは、COVID-19感染および入院の独立した危険因子と思われると結論付けられている。

出典:
FEBS Journal
23 July 2020
Low plasma 25(OH) vitamin D level is associated with increased risk of COVID‐19 infection: an Israeli population‐based study


新型コロナNY重症患者の死亡リスク増加因子
The Lancet Ma19 2020
Epidemiology, clinical course, and outcomes of critically ill adults with COVID-19 in New York City: a prospective cohort study.


BMJ brief report 2020/5/13
Vitamin D and SARS-CoV-2 virus/COVID-19 disease
ビタミンDは、日光を浴びた際に皮膚で生成されるホルモンであり、骨、歯、筋肉を健康に保つために必要な体内のカルシウムとリン酸塩の量の調節に役立つ。
しかし、ビタミンDの高用量補給とCOVID-19の予防または治療への有効性はRCTによる実証で明らかになっておらず、耐用上限量4000IUを超えるビタミンDの過剰摂取には健康被害が懸念される。
また、ビタミンD不足と急性呼吸器感染症の関連が明らかになっているが、これらの研究のうち大多数は、開発途上国の人を対象に行ったものであるため、外的要因の影響も考えられ、先進国にそのままあてはめることはできないとしている。

当ブログが推奨しているのは、“食事+日光浴+サプリ”で4000IU(耐用上限量)をこえない適正量であることは御貴承の通り。


ハーバード大学医学部の教授、且つ、マサチューセッツ州ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ・ホスピタルの予防医学部門のチーフでもあるDr. JoAnn Mansonも当ブログで取り上げた研究論文を引用して、ビタミンD補給が新型コロナウイルスの感染リスクと重症化リスクを軽減する可能性があることを指摘しています。


Medscape
Does Vitamin D Protect Against COVID-19?
May 11, 2020


Paul Lips et alの研究では、ビタミンD欠乏を血清25(OH)Dレベル<50 nmol/L or 20 ng/mLと定義すると、北欧では人口の20%未満、西欧/南欧/東欧で30~60%、中近東では最大80%が欠乏レベルであり、重度の欠乏(血清25(OH)D<30 nmol/Lまたは12 ng/mL)はヨーロッパ人の10%以上に見られる。

出典:
European Journal of Endocrinology
2019 Apr
Current vitamin D status in European and Middle East countries and strategies to prevent vitamin D deficiency: a position statement of the European Calcified Tissue Society


Petre Cristian Ilie et al.の研究では、高齢者の25(OH)Dレベルの平均値は、スペインで26nmol / L、イタリアで28 nmol / L、北欧諸国で45 nmol / Lとなっている。
重度のビタミンD欠乏を30nmol/L未満と定義すれば、スイスでは老人ホームの平均値は23 nmol / Lで、イタリアでは70歳以上の女性の76%が30nmol/Lである。
これらの国はCOVID–19感染の症例数が多く、高齢者のCOVID–19による死亡率が最も高い。この研究論文では、ビタミンDとCOVID–19感染率/死亡率とは関連性があると結論付けており、ビタミンDの補給を推奨している。

出典:
Research Square
2020 April 8
The role of Vitamin D in the prevention of Coronavirus Disease 2019 infection and mortality


Healthline 2020/9/13
Vitamin D Can Help Reduce COVID-19 Risks: Here’s How
By Bob Curley


✔ New studies conclude that vitamin D can reduce your risk of developing COVID-19 as well as decrease the severity of the illness.
✔ Experts say vitamin D boosts the immune system, which can help fight off ailments such as COVID-19.
✔ The best way to get vitamin D is through sunshine and healthy meals, but supplements can also be used.


上述したスペインのMarta Entrenas Castillo et al.の研究について、Dr. Chiris Masterjohnは、「ビタミンDとCOVID-19に関する初のランダム化比較試験である」、「小規模研究のため、潜在的な交絡変数は2つのグループ間で完全に均等に分散されていなかった。対照群では高血圧がより多く、対照群では糖尿病患者の境界線が多かった。統計的に有意ではないがが、ビタミンDグループには、60歳以上の人が多く、臓器移植を受けた人や免疫抑制薬を服用している人の5倍の人がいました。これらすべての違いを説明するために、彼らは統計的にそれらを調整した」と述べて、この研究を絶賛しています。

出典
Chiris Masterjohnm,Phd
Finally Confirmed! Vitamin D Nearly Abolishes ICU Risk in COVID-19 | Chris Masterjohn, PhD


米国ルイジアナ州立大学健康科学センターFrank H. Lau et al.による研究によると、ICU(集中治療室)行きの13名を含めた計20名のCOVID-19患者の血清25(OH)Dレベルを調べたところ、一般病棟患者の57.1%、ICU患者の84.6%がビタミンD欠乏(Vitamin D insufficiency)だった。特筆すべきは75歳以上のICU患者の100%がビタミンD欠乏だった。加えて、ICU患者の62.5%に血液凝固障害があり、92.3%にリンパ球の減少が認められた。
『ビタミンD欠乏はCOVID-19重症化と大いに関連している。ビタミンD欠乏とCOVID-19重症化は凝血、免疫反応不全、高血圧、肥満、性別、高齢などと共に関連性がある』と結論付けている。


ご参考:
これまでに報告されたOVID-19の感染リスク及び重症化・死亡リスクの諸因子は下表の通りです。


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