第1176回 COVID-19ワクチンについて知っておくべきこと!

2021/3/29 アップデート

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英アストラゼネカ
ワクチンはアストラゼネカと英オックスフォード大の共同開発で、英国では今年1月に接種が始まった。臨床試験(治験)では、発症を防ぐ効果は平均70%と報告されている。日本政府と1億2千万回分の供給で契約している。このうち3千万回分は3月までに輸入される予定で、残りの9千万回分は日本国内での生産を目指し、厚生労働省に製造販売の承認を5日付で申請した。日本国内でのワクチンの承認申請は、米ファイザー社に次いで2社目。

日本政府は、米ファイザーや米モデルナともワクチンの供給契約を結んでいる。
ファイザーのワクチンは零下70度、モデルナは零下20度での保存が必要だが、アストラゼネカのワクチンは通常の冷蔵庫と同程度の2~8度で保存でき、接種を大規模に広めやすいとされている…Yahoo ニュース 2021/1/27

因みに、フランス高等保健機構は、アストラゼネカのワクチンは「治験で65歳以上の参加者が少なく、有効性を結論づけることができない」として、当面は65歳未満の医療従事者などへの接種を行っていくと発表した。
因みに、すでにドイツは65歳以上への接種を推奨しない方針を示しており、イタリアが55歳以下、ポーランドが60歳以下、オーストリア、スウェーデンが65歳以下の人から接種を進めるとしていて、ヨーロッパ各国でアストラゼネカのワクチンの高齢者への接種を控える動きが出ている…TBSニュース 2021/2/3


米ファイザー社および米モデルナ社のワクチン

世界保健機関(WHO)は2020/12/31付けで、米製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンの緊急使用を承認した。米食品医薬品局(FDA)はファイザー社およびモデルナ社のワクチンを承認済みで、いずれも極めて高い効果がある。いずれも2回接種が推奨されている。
有効性はこれまでで最も効果的なワクチンに匹敵し、プラセボと比較して約95%新型コロナの発症率を低下させた。
しかし、無症状感染に関する情報が不足しているので、ワクチンが無症状感染まで予防するかは明らかになっていない。実際、感染した人の最大40%は症状がなくても、他の人にウイルスを感染させる可能性はある。従って、社会的距離を置くこと、マスクをすること、混雑した室内を避けること、手洗いは続ける必要がある。

ワクチンの副作用

ファイザー社のワクチンは、1,893,360人の初回接種後に21例のアナフィラキシーが発現している。これは初回接種100万回投与当たり11.1例に相当する。多いのは蕁麻疹、血管浮腫、発疹、喉の詰まり感だった。アナフィラキシー発現21例中、集中治療室入室3例を含む4例が入院し、17例が救急科で治療を受け、VAERSに報告された時点では20例が退院あるいは回復していた。なお、死亡は報告されていない。

モデルナ社のワクチンは、初回投与が4,041.396人に実施され、10例(2.5例/100万回)がアナフィラキシーと判断され、うち9例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往(薬剤6例、造影剤2例、食物1例)があり、そのうち5例はアナフィラキシーの既往があった。 アナフィラキシー発現例の年齢中央値は47歳(範囲:31~63歳)で、アナフィラキシーによる死亡は報告されていない。

新型コロナウィルスワクチンに関するQ&Aが、“Covid-19 Vaccine-Frequently Asked Questions”というタイトルで New England Journal of Medicineに掲載
そこには、『ファイザー社およびモデルナ社のワクチンいずれも100%ではないが、非常に安全である』、『これらの副作用は非常に稀である』と述べられ肯定的です。詳しい内容についてはDeepl翻訳でお読みください。


米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)
2021/2/4、同社は世界的に行われた大規模臨床試験(治験)でワクチンの有効性が66%だったとし、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請したと発表した。このワクチンは、ファイザー・ビオンテック製やモデルナ製とは異なり、1回の接種で済み、冷凍保存の必要がない。日本とは未だ供給契約は結んでいません。

追記2021/2/28
米食品医薬品局(FDA)は27日、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の新型コロナウィルスワクチンに緊急使用許可を出した。


追記 2021/2/18
WHOがアストラゼネカ社ワクチンも承認 新型コロナで2例目
SankeiBiz 2021.2.16
世界保健機関は15日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発した新型コロナウイルスのワクチンの緊急使用を承認した。
ワクチンや治療薬などの承認は各国の保健当局がそれぞれ判断するが、自前での治験や審査が困難な途上国などは、WHOの緊急使用許可を参考に判断する。WHOの緊急使用許可を受け、ワクチンを共同購入して分配する国際的枠組みCOVAX(コバックス)でも、途上国でのワクチン接種を進めることが可能になる。
コバックスでは、ファイザー製は3月までに120万回分にとどまっているのに対し、アストラゼネカのワクチンは6月までに3億3600万回分が供給される予定。
アストラゼネカ製のワクチンは安価な上、2~8度の温度で保管が可能なため、一般の冷蔵庫でも対応できるのが特徴。設備の乏しい途上国を含めたワクチンの普及に期待がかかっている。


追記2021/2/26
ロシア製ワクチン「スプートニクV」日本も導入か 安価で英医学有力誌 も効能認める…Yahoo ニュース
新型コロナウイルスのロシア製ワクチン「スプートニクV」に、世界中が注目している。
昨年8月、ロシアで80人の治験だけで承認された時点では、日本はもとより世界中の医学界から「臨床治験数が少なすぎる!」と不安視されていた。ところが、今月に入って世界的権威のある英国の医学専門誌「ランセット」がスプートニクVの臨床治験に関する論文を掲載。それによると有効率は91%超で、重い副反応も出なかったとされる。
この「ランセット」の論文によって流れが一気に変わった。医学有力誌が認めたうえに、値段がファイザーの2回分約4000円に対して半額に近い同約2800円。ドイツやフランスが受け入れを検討し始めた。
この話題を取り上げたテレビ朝日系「ワイド!スクランブル」に出演したテレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏は「もともとロシアの科学水準は高いですし、実際にそのワクチンを接種しているわけですから」安全性は高いはずとコメント。
かつて日本にポリオ(小児まひ)が大流行した1960年、米国からのワクチン供給が間に合わず、日本では未治験だったにもかかわらず、ソ連から1300万人分を緊急輸入して使用したところ、劇的な効果によって流行が終息したことがあった。
ロシアはスプートニクVを日本に輸出することもいとわないというだけに、歴史は繰り返されるかも。


2021/2/28 アップデート
ドイツワクチン委員会、立場一転、アストラゼネカワクチンを65歳以上にも接種勧告か…Yahoo ニュース
AFP通信が27日(現地時間)報じたところによると、韓国の疾病管理本部にあたるロバート・コッホ研究所(RKI)傘下のドイツワクチン委員会(STIKO)は、これまでの立場を覆し、アストラゼネカワクチンを65歳以上の高齢者に勧告することを検討している。
ドイツ政府は委員会の勧告によって、アストラゼネカワクチンを65歳未満の対象者にだけ接種した。65歳以上に対する信頼できる十分なデータがないという理由からだった。これは、このワクチンを全ての年齢層に勧告した欧州医薬品庁(EMA)の立場とは異なるものであり、注目を集めた。
ドイツワクチン委員会委員長は前日(26日)夜、ドイツ公営放送のインタビューで、最近の研究結果と関連し、アストラゼネカワクチンがすべての年齢層に承認されるかという質問に「それは可能で、我々はそうする」と明らかにした。
また「委員会はまもなく新しい勧告案を発表する」とし「スコットランド研究チームから詳しい内容を待っている」と付け加えた。
今月22日、英エディンバラ大学と保健当局はスコットランドで行われたコロナワクチンの接種結果、アストラゼネカワクチンのコロナ重症予防率が94%、ファイザーワクチンは85%だったと発表した。
特に、これらのワクチンは80歳以上でも効果が表れ、症状悪化による病院入院率が81%も減少したという。今回の調査は1回の接種対象者114万人を対象に行われた。114万人のうち65万人はファイザーワクチンを、49万人はアストラゼネカワクチンの接種を受けた。


追記2021/3/1 
ワクチン接種に否定的な意見も紹介しておきます。
こちらです↓
NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)編集委員会
COVID-20 用ワクチン:日本では有用か?
高齢者・若者いずれでも利益よりも害が上回る!
医療・福祉関係者では正確なデータがなく不明!



2021/3/6 アップデート
米ファイザー社ワクチンの有効性がイスラエル接種者データで実証…ジャーナル四天王のN Engl J Med誌に発表(2021/2/4)

論文名:BNT162b2 mRNA Covid-19 Vaccine in a Nationwide Mass Vaccination Setting
イスラエルClalit Health ServicesのNoa Dagan氏らは、全国集団接種者のデータを用いて、16歳上でSARS-CoV-2感染の既往がない59万6,618人のワクチン接種者と非接種の適合対照者について行った試験で、米ファイザー社ワクチンのSARS-CoV-2感染感およびCOVID-19発症/入院/重症化/死亡について有効性を明らかにした。
詳細は次の通りで、各期間におけるワクチンの有効性は、年齢にかかわらず一貫して認められた。

1回目接種後14〜20日目
 ・感染率46%(95%CI 40〜51%)低下
 ・発症率57%(95%CI 50〜63%)低下
 ・入院率74%(95%CI 56〜86%)低下
 ・重症化率62%(95%CI 39〜80%)低下
 ・死亡率72%(95%CI 19〜100%)低下

1回目接種後21〜27日目
 ・感染率60%(95%CI 53〜66%)低下
 ・発症率66%(95%CI 57〜73%)低下
 ・入院率78%(95%CI 61〜91%)低下
 ・重症化率80%(95%CI 59〜94%)低下
 ・死亡率84%(95%CI 44〜100%)低下

2回目接種後7日目〜経過観察終了日
 ・感染率92%(95%CI 88〜95%)低下
 ・発症率94%(95%CI 87〜98%)低下
 ・入院率87%(95%CI 55〜100%)低下
 ・重症化率92%(95%CI 75〜100%)低下
 ・死亡率(NA)


2021/3/7 アップデート
COVID-19ワクチンに関する日本での安全性/有効性について:日本感染症学会の提言(ケアネット)

2021年2月よりわが国でも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が始まった。これを受けて、日本感染症学会(理事長:東邦大学医学部教授 舘田 一博氏)は、2021年2月26日に「COVID-19ワクチンに関する提言」(第2版)を同学会のホームぺージで発表、公開した。

第1版は2020年12月28日に発表され、ワクチンの開発状況、作用機序、有効性、安全性、国内での接種の方向性、接種での注意点などが提言されていた。今回は、第1版に新しい知見を加え、とくにワクチンの有効性(変異株も含む)、ワクチンの安全性などに大幅に加筆があり、筋肉内注射に関する注意点の項目が新しく追加された。

ワクチンの有効性

・COVID-19ワクチンの有効性の追加
ファイザーの臨床試験:55歳以下で95.6%、56歳以上で93.7%、65歳以上で94.7%の有効率。しかし、75歳以上では対象者数が十分でなく評価できていない。

モデルナの臨床試験:65歳未満で95.6%、65歳以上で86.4%の有効率。それ以上の年齢層では評価されていない。

アストラゼネカの臨床試験:接種群における70歳以上の割合は5.1%にすぎず評価不十分。

いずれのワクチンも、75歳を超える高齢者での有効性については今後の検討課題であり、接種群で基礎疾患のある人の割合は、ファイザーの臨床試験で20.9%、モデルナで27.2%、アストラゼネカで24.7%と比較的多く含まれているものの、それぞれの基礎疾患ごとの有効性の評価は十分ではなく、今後検討が必要としている。

「変異株」とワクチンの効果

提言では「SARS-CoV-2の変異速度は24.7塩基変異/ゲノム/年とされており、2週間に約1回変異が起き、その変異によってウイルスのタンパク質を構成するアミノ酸に変化が起こることがある」とされ、「とくにスパイクタンパク質のACE2との結合部位近くのアミノ酸配列に変化が起きると、SARS-CoV-2の感染性(伝播性)やワクチンで誘導される抗体の中和作用に影響が出る」と述べている。

また、イギリス変異株について、「感染力(伝播力)が36%から75%上昇すると推定されているものの、ファイザーのワクチンで誘導される抗体による中和作用には若干の減少がみられるが、ワクチンの有効性には大きな影響はない」としている。

一方、南アフリカおよびブラジルの変異株は、「COVID-19回復期抗体の中和作用から回避する変異であることが報告され、ワクチンの有効性に影響が出ることが懸念されている」としている。

ワクチンの安全性

・海外の臨床試験における有害事象
海外の臨床試験では、「活動に支障が出る中等度以上の疼痛が、1回目接種後の約30%、2回目接種後の約15%に、日常生活を妨げる重度の疼痛が、1回目で0.7%、2回目で0.9%報告された」と紹介している。また、「この接種後の疼痛は接種数時間後から翌日にかけてみられるもので、1~2日間ほどで軽快。注射の際の痛みは軽微と思われる」と推定している。そして、海外での高齢者や基礎疾患を有する者への接種では、「現在のところ死亡につながるなどの重篤な有害事象は問題になっておらず、COVID-19に罹患して重症化するリスクに比べるとワクチンの副反応のリスクは小さいと考えられる」と考えを示している。

・わが国での臨床試験における有害事象
ファイザーのCOVID-19ワクチン「コミナティ筋注」では、海外での臨床試験の結果と比べ、「局所の疼痛、疲労、頭痛、筋肉痛、関節痛はほぼ同等、悪寒の頻度がやや高くなっている。発熱は、37.5℃以上対象(国内定義/海外定義は38℃以上)で1回目が10%、2回目が16%と高い頻度だったが、発熱者のほぼ半数を37.5~37.9℃の発熱が占めているため、その割合は海外の結果と大きな違いはなかった」としている。

・mRNAワクチンによるアナフィラキシー
1回目接種直後のアナフィラキシーの報告について、米国での当初の調査では、「100万接種あたりのアナフィラキシーの頻度が、ファイザーのワクチンで11.1、モデルナのワクチンで2.5と、すべてのワクチンでの1.31に比べて高くなっている。両ワクチンのアナフィラキシーに関する報告をまとめると、女性が94.5%を占め、アナフィラキシーの既往をもつ者の割合は38.7%、接種後15分以内に77.4%、30分以内に87.1%が発症している。その症状は、ほとんどが皮膚症状と呼吸器症状を伴うもので、アナフィラキシーショックを疑わせる血圧低下は1例のみだった。なお、その後の米国の調査で、アナフィラキシーの頻度は両ワクチン合わせて100万接種あたり4.5」と報告している。

国内での接種の方向性

優先接種対象者として(1)医療従事者などへの接種、(2)65歳以上の高齢者、(3)高齢者以外で基礎疾患を有する者、および高齢者施設など(障害者施設などを含む)の従事者の順番で接種を進める予定と追記するとともに、妊婦については、「『妊婦および胎児・出生時への安全性』が確認されていないため、現時点では優先接種対象者には含まれていない。国内外の臨床試験において『妊婦などへの安全性』が一定の水準で確認された時点で再検討すべきと考えている」と方向性を示している。

筋肉内注射に関する注意点

・接種部位と接種方法
接種部位は上腕外側三角筋中央部で、成人では肩峰から約5cm(3横指)下にあたる。標準的には22~25G、長さ25mmの注射針で、皮膚面に90℃の角度で注射。なお「COVID-19ワクチンの臨床試験ではすべて三角筋外側中央部に接種されており、その他の部位への接種の有効性については検証されていないとし、臀部への接種は、坐骨神経損傷の可能性があることと皮下脂肪のために筋肉内に針が届かない懸念もあることから推奨されていない」としている。

そのほか「逆流を確認は不要」、「接種する腕は、利き手ではない側に接種することが望ましい」、「接種後は注射部位を揉む必要はない」などの具体的な接種方法が示されている。

・接種時の感染対策
接種時の感染対策として「接種者は、マスクを着用するとともに、被接種者ごとに接種前後の消毒用アルコールによる手指衛生が必要」とし、「手袋を着用する場合は被接種者ごとに交換が必要であり、手袋着用前と脱いだ後に手指消毒が必須」としている。

・接種後の発熱・疼痛に対する対応
接種後の発熱や疼痛に対し「アセトアミノフェンや非ステロイド性解熱鎮痛薬を使用することは可能。ただし、発熱・疼痛の出現する前にあらかじめ内服しておくことは望ましくない」としている。その理由として「解熱鎮痛薬の投与が免疫原性に影響を与える可能性があるため」と説明している。

提言では、ワクチンの有効性と安全性を評価したうえで、ワクチン接種を望む一方で、「ワクチン接種を受けることで安全が保証されるわけではなく、接種しても一部の人の発症、無症状病原体保有者として人に感染を広げる可能性があること」についても注意をうながし、COVID-19の蔓延状況が改善するまでは、マスク、手洗いなどの基本的な感染対策の維持を推奨している。


アップデート 2021/3/14
アストラゼネカ製の新型コロナワクチンで血栓症の報告、死亡例も 欧州で接種停止相次ぐ
欧州各国で、英製薬大手アストラゼネカ製の新型コロナウィルスワクチンの接種を一時停止する動きが相次いでいる。接種後に血栓ができる例が複数報告されたためで、死亡例もある。ただ、欧州連合(EU)規制当局の欧州医薬品庁(EMA)は11日の声明で、因果関係は確認できていないと説明した。
詳細はこちら↓
東京新聞 2021年3月12日
Yahooニュース 2021/3/14


アップデート 2021/3/19

英国変異株は死亡リスクが高い

BMJ 2021/3/10
Risk of mortality in patients infected with SARS-CoV-2 variant of concern 202012/1: matched cohort study

英国・エクセター大学のRobert Challenet al.は、新しい変異株VOC-202012/1への感染が、他のSARS-CoV-2変異株と比較して死亡率に差があるかを検証する目的で、約10万人の地域住民を対象にマッチングコホート研究を行った。
VOC-202012/1感染群の227例に対し、対照群では141例であり、感染確認から28日以内の死亡のハザード比は1.64(95%信頼区間:1.32~2.04)であった。これは、死亡リスクが比較的低い地域住民集団において、1,000人当たりの死亡が2.5例から4.1例に増加することに相当した。研究者は、“医療供給体制および国内や国際的な感染管理政策はCOVID-19による死亡を減少させるため、さらに厳格な対策をとるべきだ”とまとめている。


2021/3/20 アップデート

英アストラゼネカ製ワクチン

世界保健機関(WHO)、アストラ製ワクチン改めて推奨 諮問委が結論
WHOのワクチン安全性諮問委員会は声明で、アストラゼネカ製ワクチンは現在も接種のメリットがリスクを上回り、「世界中で感染を防ぎ死者を減らす非常に大きな可能性がある」と明言。データからは、接種後に血栓発症例が全体的に増加したことは示されなかったとした。
委員会は、ワクチン接種後の血栓発症数は通常の範囲内にとどまると説明。深部静脈血栓症や肺塞栓(そくせん)症などの血栓症は「自然発生し、珍しいことではない」とし、「こうした事象の発生率は予想より低かった」と結論付けた。
アストラゼネカ製ワクチンをめぐっては、欧州医薬品庁(EMA)が18日に「安全で有効」とする声明を発表。これを受け19日には欧州数か国が接種を再開した…AFPBB News 2021/3/19

“AZワクチン”中断していた欧州主要国が「接種再開」
ドイツとフランス・イタリアは、アストラゼネカ製ワクチンを再び接種することにした。ヨーロッパ連合(EU)の医薬品規制当局である欧州医薬品庁(EMA)が、アストラゼネカ社ワクチンが血栓(血液凝固)の危険増加に関連していないという結論を出したことによるものだ。
「アストラゼネカ社ワクチンは安全で効果的だ」というEMAの発表が出たことから、状況が変わった。EMAの エマ・クック長官は記者会見で「依然として、アストラゼネカ社ワクチン接種はリスクより利益が大きい」と語った。ただ アストラゼネカ社ワクチンと、非常に稀なケースで血栓との関連性を明確に排除できていないとして、これに関する追加の分析が必要だと付け加えた。
一方 ノルウェーとスウェーデンは、まだ再開には慎重な立場である…Yahoo News 2021/3/20

アストラゼネカ製ワクチン、接種再開に河野氏安堵
河野太郎規制改革相は19日の閣議後の記者会見で、欧州各国がアストラゼネカ製ワクチンの接種を再開する見通しとなったことについて「胸をなで下ろしている」と語った。
日本政府はアストラゼネカから計1億2000万回(6000万人)分のワクチンの供給を受ける契約を結んでいる。同社は2月5日に新型コロナワクチンの製造販売承認を厚生労働省に申請した…日本経済新聞 20213/19


2021.3.23 アップデート
ファイザー/モデルナ製ワクチンは無症候性感染リスクも低下

掲題のmRNAワクチンは米国で緊急使用承認の下で臨床的に利用可能であり、症候性COVID-19に対する有効性は実証されているが、無症候性SARS-CoV-2感染に対するワクチンの影響はほとんど知られていない。しかし、今回の米国メイヨークリニックのAaron J. Tande et al.による大規模調査で、無症候性の感染リスクも低下することが明らかになった。

Clinical infectious diseases
2021/3/10
Impact of the COVID-19 Vaccine on Asymptomatic Infection Among Patients Undergoing Pre-Procedural COVID-19 Molecular Screening.

ワクチン接種が始まった2020年12月17日から2021年2月8日の間に、処置/手術前にSARS-CoV-2検査を受けた無症状の患者(3万9,156例)の検査4万8,333件を対象として、後ろ向きコホート研究を実施した。

ファイザーもしくはモデルナ社製を1回以上接種した群(接種群)と、同じ期間内に接種しなかった群(未接種群)の間でSARS-CoV-2検査の陽性率を比較し、相対リスク(RR)を算出した。RRは混合効果log-binomial回帰を用いて、年齢、性別、人種/民族、病院と居住地の相対位置(医療アクセス)、地域の医療システム、反復検査について調整した。

主な結果
・患者の年齢中央値は54.2(SD:19.7)歳で、2万5,364例(52.5%)が女性だった。接種群の検査数は3,006件(6.2%)、未接種群は4万5,327件(93.8%)だった。
・接種群の初回接種から検査までの日数の中央値は16(四分位範囲:7~27)日だった。
・接種群の検査3,006件中、陽性は42件(1.4%)、未接種群の検査4万5,327件中、陽性は1,436件(3.2%)だった(RR:0.44、95%CI:0.33~0.60、p<0.0001)。
・接種群が未接種群と比較して調整後RRが低かった検査時期は、ワクチンの初回接種後11日以降2回目の接種前(RR:0.21、95%CI:0.12~0.37、p<0.0001)、および2回目の接種翌日以降(RR:0.20、95%CI:0.09~0.44、p<0.0001)だった。

研究者らは、mRNAワクチンは症候性の感染同様に無症候性感染のリスクも減らすことが裏付けられた、としている。


2021.3.23 アップデート
アストラゼネカ製ワクチンは南アフリカ変異株へ効果なし

NEJM 2021/3/16
Efficacy of the ChAdOx1 nCoV-19 Covid-19 Vaccine against the B.1.351 Variant.

ウィットウォーターズランド大学のShabir A. Madhi et al.氏らによって行われた約2,000例のHIV非感染者を対象とした試験で、アストラゼネカ製ChAdOx1は、南アで見つかったB.1.351変異型による、軽度~中等度の症候性COVID-19発症に対する有効性は認められないことが示された。



2021/3/29 アップデート

米国第III相試験の主要解析でAZ製コロナワクチンの安全性・有効性を確認
2021/3/2付けAZ社プレスリリースで発表

アストラゼネカ製ワクチンは日本を含む各国で臨床試験が進行中だが、米国での32,449名を対象とした第III相試験で、主要評価項目である症候性COVID-19 発症予防に対するワクチンの有効性は、4週間隔で2回接種後、15日以降において76%(信頼区間[CI]:68%~82%)だった。
また、すべての年齢集団における結果も同程度で、65歳以上におけるワクチンの有効性は85%(CI:8%~95%)だった。副次評価項目である重症・致死性な疾患、および入院予防に対する有効性は100%であった。本主要解析において、8例のCOVID-19重症化が見られたが、いずれもプラセボ群だった。ワクチンの忍容性は良好で、安全性上の懸念は特定されなかった。








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