Nice Body Make・・・よもやま話

アクセスカウンタ

zoom RSS 第141回 炭水化物は太ると言う話は都市伝説?!

<<   作成日時 : 2011/08/27 07:32   >>

トラックバック 1 / コメント 0


難しいかも知れませんが、とても大事なことなので、理解するまで何度も繰り返して読んでください!


画像


余分な炭水化物は脂肪に変換され脂肪細胞に貯蔵される?

糖質が脂肪に変換されることをde novo lipogenesis(DNL)と云い、このことは定性的には間違っていません。しかし、余りにも針小棒大に語られ過ぎて、誤解している人達が沢山いらっしゃるのが実状です。de novo lipogenesis(DNL)に関する三つの海外情報を紹介します。

European Journal of Clinical Nutrition
De novo lipogenesis in humans: metabolic and regulatory aspects
摂取した炭水化物を脂質に変える酵素経路、つまりde novo lipogenesis(DNL)は、消費量>摂取量のアンダーカロリーの状態であれば生じない。
脂質を炭水化物に変換する能力は存在しない。つまり、糖質と脂肪は、「相互作用」するが「相互転換」はしない。

American Journal of Clinical Nutrition
Glycogen storage capacity and de novo lipogenesis during massive carbohydrate overfeeding in man
グリコーゲンが飽和状態ではDNLは生じるが、約475gCHO/dに対して150glipid/dであり、変換率は非常に低い。

National Library of Medicine、National Institutes of Health
American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 85, No. 4, 1023-1030, April 2007
「炭水化物の摂取量を変えても、ダイエット効果は変わらない」、と言う実験の結果報告もあります。その報告内容を和訳ダイジェストすると:
『12ヶ月の長期に亘る無作為比較試験で、エネルギー摂取、空腹感、満足度、代謝率、および体重・体脂肪減少とGL値に有意な影響が無いことが判った。これは、健康的な幅広いダイエット方法で、体重を落とすことができることを示唆するものである。他の研究では炭水化物/脂質の割合によって体重の減少具合に違いが見られたと報告されているものもあるが、そういった研究は実験の条件設定とやり方に不備な点がある。しかし、この研究はそういった点でも、他とは一線を画した実験デザインになっている』というものです。
(註)GL値とは Glycemic Loadグリセミック負荷のことで、GI値に炭水化物の重量を掛けた値です。

もうひとつ最近の興味深い研究発表があります。
イスラエルの研究者が、BMI30以上の78名の警察官を被験者として、特に夕食に炭水化物を摂取するという方法で、六か月のダイエット実験を行った。その結果、体重は有意に減少し、空腹時血糖値、インスリン濃度、インスリン抵抗性、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、C反応性たんぱく(CRP)、TNF−α、IL−6、レプチン、アディポネクチンが、全て好転したことが、“Greater Weight Loss and Hormonal Changes After 6 Months Diet With Carbohydrates Eaten Mostly at Dinner.”というタイトルで発表されました(2011年4月)。米国のU.S. National Library of Medicine “Pub Med”で閲覧可能です・・・これは「夜遅く食べると太る」という都市伝説を否定するデータとしても面白い。

<まとめ>

1. 人間の体は基本的に、基礎熱力学の第一法則(エネルギー保存則)によって、エネルギー収支バランスが摂取量>消費量であれば脂肪が蓄積して太ります。

2. アンダーカロリー(摂取量<消費量)の状態では、糖質は脂質に変換されません。

3. オーバーカロリー(摂取量>消費量)で血中グルコース及び筋肉中のグリコーゲンが飽和状態のときには、糖質は脂質に変換されるものの、DNLの変換効率が低いことに加えて、例えば炭水化物を毎日続けて700〜900gの大量レベルで摂取しない限り定量的に有意なDNLは生じません・・・Lyle McDonald

4. しかし、炭水化物の過剰摂取が、脂質蓄積に一切関係しないと言うことではありません。オーバーカロリーの状態では、炭水化物を過剰摂取すると、炭水化物が優先的に消費され、その結果、脂肪の分解燃焼が鈍化することによって、摂取した脂質は消費されずにそのまま体脂肪として貯蓄される。つまり、理由とメカニズムは異なるけれども脂肪として蓄積されるということです。

5. タンパク質の場合も同様で、通常の環境では、定量的に有意な脂肪への変換は起こりませんし、過剰摂取は間接的に脂肪を増やすことになります。

6. 余分な脂質摂取は、そのまま体脂肪として蓄積されます。

7. 炭水化物を300kcal過剰摂取しても、脂質を300kcal過剰摂取しても結果は同じことで、いずれも脂肪として蓄積されて太るということを意味します。

8. 更に、日本人の脂質の適正摂取量は、年齢によって異なりますが、成人で1日に必要なエネルギーの20〜25%ほどを脂質からとるのが良いといわれています。しかし、無理なダイエットで、脂質の摂取をトータル摂取カロリーの10%以下の偏った食事制限を続けると、脂肪を増やす作用が生じます。

最後に、炭水化物が欠乏した時の代謝については、第143回の「炭水化物の欠乏とケトン体」というタイトルで簡単に説明し、もっともっと詳しいことは追々お話して行く予定ですので読んでください。


アップデート記事
第811回 炭水化物は太るってホントなの?

アップデート記事(2017/02/19)
第995回 炭水化物は脂肪に変わる?









テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
第924回 炭水化物の摂取量と高低GI値が安静時代謝量と体組成に及ぼす影響
米国Tufts大学から、“炭水化物の摂取量を減らし、且つ、グリセミック指数(GI値)の低い食品を選択しても、体脂肪の減少/LBMの維持/代謝適応において特異的な違いは認められなかった“との研究報告がありました。 ...続きを見る
Nice Body Make・・・よもや...
2015/11/30 16:38
第141回 炭水化物は太ると言う話は都市伝説?! Nice Body Make・・・よもやま話/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる