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zoom RSS 第178回 肥満のメカニズム

<<   作成日時 : 2011/12/04 16:24   >>

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三大栄養素の摂取について様々なことを書いてきましたが、それらのおさらいとしての恰好の英文記事がありましたので、和訳(ダイジェスト)して紹介します:

基礎熱力学の第一法則(エネルギー保存則)
◆ 摂取量>消費量、つまりオーバーカロリーなら太ります。
◆ 摂取量=消費量、つまり現状維持です。
◆ 摂取量<消費量、つまりアンダーカロリーなら痩せます。

基礎熱力学の法則は人間には適用できないと唱える人達がいます。それは、彼らが単純に間違っているだけで、かれらの研究を支えているデータそのものに必ず欠陥があります。例えば、アンケートを含む観察実験では、肥満者は摂取量と消費量を大体30%の誤差で、過小報告/過大報告していることが、これまでの20〜30年に亘る数々の研究を通じて判明しています。肥満者がウソをついていると言う訳ではなく、皆さんも経験があると思いますが、正しい摂取量と消費量を把握することが非常に難しいからです。
肥満にはホルモンその他の諸要因も絡んできますが、そういったことは別途詳しく取りあげることにし、ここではカロリーに焦点を絞って話を進めます。

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栄養素の摂取、燃焼、貯蔵
大部分の脂肪は脂肪組織に貯蔵されます。これがいわゆる皮下脂肪と呼ばれるもので、腸などの臓器周辺に溜まるのが内臓脂肪です。さらに肝臓や膵臓のような悪所に溜まるのが異所性脂肪です。ここでは皮下脂肪についてお話します。

蓄積脂肪量の増減=脂肪貯蔵量−脂肪燃焼量
脂肪貯蔵量が脂肪燃焼(酸化)量を超えると脂肪は増加し、その逆に脂肪燃焼量が脂肪貯蔵量を超えると脂肪は減少します。
炭水化物やタンパク質についても同様のことが言えます。

脂肪燃焼率と脂肪蓄積率を決定するのは何か?
キーポイントを並びたてると次の通りです。
・炭水化物が脂肪に変換されて貯まることは滅多にない。
・炭水化物を多く摂取すると、炭水化物の燃焼率が高まり脂肪の燃焼率が下がる。
・炭水化物の摂取を少なくすると、炭水化物の燃焼率は下がり脂肪の燃焼率が上がる。
・タンパク質は基本的には脂肪に変換されて溜まることはない。
・タンパク質を多く摂取すると、タンパク質の燃焼率は高まり、炭水化物と脂肪の燃焼率は下がる。
・タンパク質を少なく摂取すると、タンパク質の燃焼率は下がり、炭水化物と脂肪の燃焼率が上がる。
・食物で摂取した脂質は主に脂肪として貯められるが、脂質を多く摂取しても脂肪燃焼に有意な影響は及ばない。


「脂肪燃焼を高めるために脂質を多く摂取する」という考え方は、基本的に間違っています。
また、グルコースを毎日1.5のレベルで点滴注入すると、DNL(炭水化物→脂肪へ変換)が生じたという実験結果がありますが、これは非生理的であるばかりか、実にくだらない研究だと思います。
座りがちな肥満者によく見られる高インスリン血症のケースでは、DNLは高まると言うエビデンスが有ります。


この様に、炭水化物を多く摂ると、炭水化物の燃焼が高まり、脂肪の燃焼が下がります。だから、炭水化物は脂肪に変換されて貯蔵されないのです。しかしこの場合、摂取した脂質は燃焼されずにそのまま脂肪として貯まります。これは、炭水化物を500Kcal余分にとっても、脂質を500Kcal余分にとっても、同様に太ってしまうことを意味します。


タンパク質についても同様のことが言えます。
タンパク質は基本的に脂肪に変換されて貯蔵されません。しかしタンパク質の過剰摂取は、炭水化物と脂肪の燃焼を押し下げることによって、直接的でないにしても太る誘因になるのです。
もちろんタンパク質は最も熱効果が高いので、摂取したカロリーは燃焼し尽くしますが、過剰に摂取すると、ある条件下ではインパクトは大きくないとは言え、定性的には脂肪蓄積の誘因になると言えます。

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以上をまとめますと、

1.過剰に脂質を摂取すると、そのまま脂肪として蓄積される。

2.炭水化物の過剰摂取は炭水化物の燃焼を高め、脂肪の燃焼を低下させる。
故に、摂取した脂質は脂肪として蓄積される。


3.タンパク質の過剰摂取はタンパク質の燃焼を高め、脂肪の燃焼を低下させる。
故に、摂取した脂質は脂肪として蓄積される。


このように3つのメカニズムはそれぞれ違いますが、肥満の原因になります。
念のため付け加えておきますが、だからと言って低炭水化物ダイエットや低タンパク質ダイエットが脂肪減少に優れたダイエット方法だと考えるのは早合点というものです。その場合、脂肪の燃焼率は確かに高まりますが、脂質の摂取量が相対的に高くなっている中での話であって、ネット(正味量)の脂肪バランスは変わっていません。結局は、脂肪減少の絶対量はエネルギー収支の欠損に因って決まるのです。


最後に、
脂質の摂取をゼロにするのがベストではないかと考える人がきっといるでしょう。
その答えは“ノー”です。
なぜなら、脂肪が全体のカロリーの10%以下になるとDNL(炭水化物から脂肪に変換)率が高まり、脂肪が増えてしまうのです。
人間の体は、このように上手く出来ており、脂質が十分だと脂肪として貯えられると同時にタンパク質と炭水化物が使われ、脂質の摂取が少なすぎると、食べた炭水化物やタンパク質(probably & rare)が脂肪に変換されるのです。

参照記事
“How We Get Fat” by Mr Lyle McDonald:

マイコメント
だからと言って、ただ闇雲に炭水化物・タンパク質・脂質の全てを極端に抑える人が散見されますが、これは無知以外の何ものでもありません。そんなことすれば、摂食障害や神経系疾患と言った悪魔たちが、もろ手を広げてあなたを待ち受けてくれるでしょう。


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