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zoom RSS 第479回 ダイエットには朝食が金、昼食は銀、夕食は銅ですか?

<<   作成日時 : 2013/06/22 17:40   >>

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アップデート(2013年9月14日)
American Journal of Clinical Nutritionの新しい研究論文を最後部分に追記しました。


イスラエルのテルアビブ大学Edith Wolfson メディカルセンターのDaniela Jakubowicz教授の論文を三つ紹介します。一つは 「朝食でケーキを食べて減量」で、二つ目は「健康な肥満女性では “朝食を軽くし夕食を多くしたグループ(朝食200kcal、昼食500kcal、夕食700kcal)”に比べて、“朝食を多くし夕食を軽くしたグループ(朝食700kcal、昼食500kcal、夕食200kcal)”の方が、総摂取量は同じだがより減量した」 、三つ目は「メタボリックシンドロームの肥満女性でも同様の結果を得た」と云う内容です。

画像



"Losing weight increases hunger, cravings for carbs and increases ghrelin hormone levels. But a breakfast rich with carbs and protein helps reduce the hormone levels, which in turn helps prevent reoccurring weight gain"

つまり、この論文の底流には、「減量すると空腹感や炭水化物への欲求が高まるが、炭水化物やたんぱく質が豊富な朝食を食べることで、食欲増進ホルモンであるグレリンの濃度を減じることが出来るので、肥満予防の一助となる」と云う同教授の考え方があることを念頭に置いて読んでください。

Health & Science
2012/02/17
Israeli study: Lose weight by eating cake for breakfast
“朝食でケーキを食べて減量”

要約:
年齢40〜50歳の過体重の男女193名を被験者として、1日の総摂取量を男性1600kcal女性1400kcalとした。

被験者を2つのグループに分け、一方のグループの朝食は300kcalとし、もう一方のグループには炭水化物、タンパク質およびチョコレートやアイスクリームなどのデザートまで含む600kcalの朝食を割り当てた。

16週目までは両グループともに体重は減少した。
しかし、朝食300kcalグループは空腹感を訴え続けたが、朝食600kcalグループには充足感があった。

16週目で両グループは自宅に帰され、食事は自己管理させることにした。朝食600kcalグループは引き続き減量できたが、朝食300kcalグループは幾らか増量してしまった。

実験期間32週間を通して、朝食にデザートを追加した被験者ではより多くの減量が認められ、且つ長期間にわたって維持された。
Dr Jakubowiczは、低炭水化物食グループの被験者は満足感/充足感が満たされず、デザートを含む多量の朝食を摂取したグループは、一日を通じて殆ど空腹感を経験しなかったと説明している。

Endocrine Reviews
2012 June
Comparison of the Effect of High Calorie Breakfast Diet vs High Calorie Dinner Diet on Weight Loss, Ghrelin, Lipids and Appetite Scores in Obese Non Diabetic Women

背景:
最近、総摂取量が等カロリーの低炭水化物食と比較して、朝食のみをデザートを含む高カロリー食にすると、体重減少は持続的に進み、空腹感・渇望・グレリン抑制など食事を減らすことによって起こる代償的変化による所謂リバウンドバウンドを防止し得た。
食事のタイミングによる直接的な影響は調べなかった。

目的:
食事のタイミング、つまり夕食に対し朝食のカロリーを増やすことで、減量・グレリン抑制・脂質および食欲に異なる影響を及ぼすのかどうかを検討することである。
“高カロリーの夕食で低カロリーの朝食”に比較して、“高カロリーの朝食で低カロリーの夕食”が減量・グレリン抑制・食欲を高めると云う仮説を立てた。

方法:
被験者は73名の肥満女性(年齢46歳±6、BMI 32.3±2.0kg/m2)とし、無作為に二つのグループに分けて等カロリー食(1400kcal/1日)を割り当てた。

グループ1:高カロリーの朝食で低カロリーの夕食
朝食700kcal(炭水化物:タンパク質:脂質 → 50%:30%:20%)
昼食500Kcal(20%:45%:25%)
夕食200kcal(13%:40%:47%)

グループ2:高カロリーの夕食で低カロリーの朝食
朝食200kcal(13%:40%:47%)
昼食500Kcal(20%:45%:25%)
夕食700kcal(50%:30%:20%)

身体計測は4週間ごとに行われた。
被験者全員の空腹時血糖、インスリン、グレリン、脂質、ブドウ糖負荷試験(OGTT)、渇望度が、ベースライン(実感開始前)と12週間後の時点で検査された。

結果:
12週間の実験介入後の体重減少は、グループ1(高カロリーの朝食で低カロリーの夕食)は8.7±1.4kg、グループ2(高カロリーの夕食で低カロリーの朝食)は3.48±2.3 kgであった。
グループ2に比較してグループ1は、体重61%減(P<0.05)、ウェスト周り35%減(P<0.06)、
体脂肪率17%減(P=NS)を示した。
グレリンレベルは、グループ1(高カロリーの朝食で低カロリーの夕食)で46.2%減、グループ2(高カロリーの夕食で低カロリーの朝食)で18.5%であった(P>0.005)
グループ2(高カロリーの夕食で低カロリーの朝食)に比べて、グループ1(高カロリーの朝食で低カロリーの夕食)では、満腹感が有意に改善され、空腹感と渇望感は有意に低減した(P>0.005)
血清トリグリセリドレベルの平均値は、グループ1(高カロリーの朝食で低カロリーの夕食)で44%減少し(84.2±16.6から102.2±7.7mg/dl)、グループ2(高カロリーの夕食で低カロリーの朝食)では6.3%増加した(180.5±20.6 から192.4±17.5mg/dl)・・・P> 0.005
グループ2(高カロリーの夕食で低カロリーの朝食)
総コレステロール(C)、HDL-CおよびLDL-Cについては、グループ差は認められなかった。

結論:
総摂取量は同じでも、食事のタイミングを変えると、体重減少、グレリン、食欲及び脂質レベルに異なる影響を与える。
仮説の通り、“高カロリーの朝食で低カロリーの夕食”は、減量効果とグレリン抑制を高め、肥満の管理のための有用策と考えられる。

Obesity
2013 Mar20
High caloric intake at breakfast vs. dinner differentially influences weight loss of overweight and obese women

目的:
食べる時刻とメタボリックシンドロームとの関連を検討した研究は殆どない。
そこで1日の摂取量を等カロリーとした条件下で、朝食を高カロリーにする場合と夕食を高カロリーにする場合の体重減少を比較した。

デザインと方法:
実験期間は12週間とし、メタボリックシンドロームの過体重および肥満の女性(BMI:32.4±1.8 kg/m2)を、朝食グループ(朝食700kcal、昼食500kcal、夕食200kcal)及び夕食グループ(朝食200kcal、昼食500kcal、夕食700kcal)に分けた。

結果:
朝食グループは減量と腹囲の著しい減少を示した。
空腹時血糖値、インスリン、グレリンは両グループ共に減少したが、空腹時血糖、インスリンおよびHOMA-IRは朝食グループでより大きく減少した。
平均トリグリセリド(中性脂肪)のレベルは朝食グループで33.6%減少したが、夕食グループでは14.6%増加した。
経口ブドウ糖負荷試験では、朝食グループはグルコースとインスリンのより大きな減少をもたらした。
食事介入の反応として、全体的な日常の血糖値、インスリン、グレリン及び空腹感は有意に低くなり、平均満腹指数は朝食グループで有意により高かった。

結論:
朝食を増やし夕食を軽くすることは有益で、肥満やメタボリックシンドローム管理の有用な代替策となると思われる。

マイコメント

最初の研究論文では、炭水化物の特定作用(血糖値&グレリン)に焦点が置かれていますが、栄養疫学研究の世界的な権威者と知られる米国ハーバード大学公衆衛生院のウォルターウィレット教授は、「炭水化物抜きはノー」「ベストチョイスは全粒穀物」と語っています。
ケーキ、チョコレート、菓子パンなどの油脂・砂糖を多く含む菓子類(特に洋菓子)が心臓病や糖尿病のリスクを高めることが報告されています。因みに、ショートケーキ100gのカロリーは344kcalあり、その内訳は、タンパク質:7.4g(29.6kcal)、脂質:14g(126kcal)、炭水化物:47.1g(188.4kcal)となっています。更に、脂質の内訳を見ると、飽和脂肪酸:5.33g、一価不飽和脂肪酸:5.8g、多価不飽和脂肪酸:0.97g、コレステロール:150mgとなっており、問題とされる飽和脂肪酸が多く含まれています。

二番目及び三番目の研究については、残念ながらアブストラクトからは次の重要なポイントが読み取れません。従って、あくまで推量ベースでの単なる素人のコメントとして読んでいただければ幸甚かと思います。
12週間の実験期間中、被験者は特定の施設に滞留して、朝食を含む1日の総摂取量は徹底管理されたのだろうか?
メタボリックシンドローム発症の肥満女性の研究で、Edith Wolfson メディカルセンターの入院患者を被験者としたのであれば、規定食による徹底管理は可能だったであろう。
しかし、健康な肥満女性93名を12週間も特定施設に閉じ込めることにはコスト的にも無理があり、カロリー管理は被験者の自己管理としたのではないのだろうか?
因みに、これまでの被験者の自己申告による観察研究の約30%は不適切であったことが指摘されています。

Daniela Jakubowicz教授は、食事のタイミングの直接効果は調べていないと述べており、更に、脂質プロファイルや血糖値に大きな影響を及ぼすエクササイズに関しての説明もありません。

第159回の朝食 vs ダイエットで説明した通り、道徳的/宗教的な教義として“勤労は美徳”であり、“早起き/朝食”は、その延長線上で重要な意味合いを担います。そういった意味では私も朝食の大切さを否定は致しません。
亦、腹が減っては戦が出来ぬという諺の通り、「Around Workout Nutrition(運動前、運動中、及び運動後の栄養摂取)は激しい高強度の運動で欠かせことは周知の事実であり、食べることがパフォーマンスに大きく影響することは紛れもない事実です。
故に、朝食が健康面や社会面、あるいはパフォーマンス上のメリットもあろうことについては口を挟みません
しかし、ダイエット(減量)には朝食/昼食/夕食が金銀銅であるとか、朝食を摂ると痩せるとか、摂らないと太ると決めつける話になると断固として否定します。
一番大事なことは基礎熱力学の第一原則(エネルギー保存則)であって、1日のエネルギー収支がプラスなら太るし、マイナスなら痩せるのです。

1日に必要なエネルギー(A)=基礎代謝量+DIT(10%)+生活活動+運動
A<摂取量なら太ります。
A=摂取量なら不変です。
A>摂取量なら痩せます。

追記:
昼食に関する話ですが、昼食の時間帯が早いと減量しやすいとのスペインの研究結果が、2013年1月29日発行の英医学誌「International Journal of Obesity」に掲載されているので、ついでに紹介しておきます。
研究内容の和訳については、こちら「昼食時間を早くすると減量しやすい?」で詳しく書かれているので参照してください。
伝統的なスペイン系の国々の昼食/夕食の時間は日本よりもかなり遅いです。
商店、企業、官公庁など昼の休憩時間(シエスタ)が非常に長く、昼食後にお昼寝する習慣もあり、日本とは大きく異なります。従って、この研究結果をそのまま日本に当てはめるのは無理があると思います。因みに、私もシエスタは実体験済みです。

アップデート(2013年9月14日)
正に上記で述べたことを裏付ける研究論文が、2013年9月4日付けのAmerican Journal of Clinical Nutritionに “Belief beyond the evidence: using the proposed effect of breakfast on obesity to show 2 practices that distort scientific evidence” というタイトルで掲載されているのでご覧ください。
簡単に説明すると、「朝食抜きは太る原因である」という考え方を主張している研究論文(92件)についてメタ解析を行ったが、朝食と肥満の因果関係は認められない。「証拠力を欠く研究」や「言葉の不適切な使い方や偏った解釈による研究報告」が、科学的エビデンスを超越して読者の信奉に影響を与えてしまっている。
朝食をスキップする人たちに過体重や肥満者が多いようだが、朝食をスキップしている人が朝食を摂ると減量できるか、或は、朝食を摂っている人が朝食をスキップすると体重増加の原因になるかは、いずれも明らかになっていない。

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