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zoom RSS 第965回 砂糖業界の隠ぺい工作?

<<   作成日時 : 2016/09/17 06:11   >>

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米国医師会が発行する査読付き医学ジャーナル“JAMA Internal Medicine”に面白い論文が掲載されました。砂糖 (蔗糖) の冠状脈性心疾患リスクへの懸念は1950年代に浮上しましたが、米国の砂糖研究財団と言われる業界団体がこれを覆い隠すために、ハーバード大学の科学者たちにお金を払い、砂糖への風当たりを弱めるべく犯人は飽和脂肪酸やコレステロールであるという主旨の論文を書いてもらい、一流の医療ジャーナル“The New England Journal of Medicine”に載せていたことが、内部文書の公開で明らかになりました。

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The New York Times
Sept12 2016
How the Sugar Industry Shifted Blame to Fat

砂糖産業界が1960年代に科学者に金を支払い砂糖と心臓病の関連を重要視せず、飽和脂肪酸をその代わりに飽和脂肪酸を犯人として促すように、最近公開された歴史文書が示している。

最近カリフォルニア大学の研究者によって発見され、JAMA Internal Medicine に発表された、砂糖産業界の内部文書が、今日の食事に関する勧告の多くを含め、栄養の役割とと心臓病の五十年におよぶ学術研究は主に砂糖業界によって方向づけられてきようだ。

「彼らは何十年も砂糖についての議論を逸らすことができました」と本論文の著者であるカリフォルニア大学のStanton Glantz教授は述べている。

この文書は、今では砂糖協会として知られている砂糖研究財団と呼ばれる業界団体が、砂糖、脂肪および心臓病に関する研究レビューを1967年に公開するにあたって、ハーバード大学の科学者に現在のドル換算で約$ 50,000相当を支払ったことを示している。
このレビューで引用された研究は、砂糖研究財団により厳選されており、権威あるニューイングランド・ジャーナルに掲載された記事は、砂糖と心臓の健康の関連を最小限に抑え、飽和脂肪酸の役割を中傷している。

斡旋収賄は50年前に遡って示されてはいるが、今でも多くのレポートが食品産業界が栄養学に影響を与え続けていることを示しています。

昨年のニューヨークタイムズの記事で、世界最大の甘味飲料メーカーであるコカ・コーラ社が甘味飲料と肥満の無関係を装うよう模索すべく数百万ドルの資金調達を準備したことを報じられた。
本年6月には、AP通信がキャンディキャンディを食べる子供の方が食べない子供たちより体重が少ないことを主張する研究に資金が供給されていることを報じた。

結託したハーバード大学の科学者や砂糖研究財団の幹部は既に亡くなっている。
砂糖産業界からお金を受け取った科学者の一人はDr. Mark Hegstedで、米国農務省の栄養のトップに上り詰め、1977年には連邦政府の栄養ガイドライン前身の草稿作成に加わっている。
もう一人は、ハーバード大学の栄養部門のチェアマンDr. Fredrick J. Stareです。

砂糖協会はJAMAの記事に対する声明文の中で、『1967年のレビュー時点では医学ジャーナルは研究者に資金源の開示は求めておらず、New England Journal of Medicine誌も同様であった』、更に『砂糖産業界として研究活動のすべてにおいてより高い透明性を行使すべきであった。仮にそうだとしても、産業界が資金提供している研究は、科学的な議論で重要かつ有益な役割を果たしており、“砂糖は心臓病で独自の役割を有していない”という何十年にわたる研究が出した結論を擁護する』と述べている。

Dr. Glantzは、『砂糖と飽和脂肪酸の相対的な害についての議論は今日も続いているので、今までわからなかったことを明らかにすることは重要である』、『保健当局は何十年も米国人に脂質の摂取を減らすように推奨してきた結果、現在では多くの人たちが低脂肪で砂糖を多く含む食品を食べるようになっている。これを一部の専門家は肥満クライシスを煽るものだと咎めている』、『砂糖産業界が行ったことは非常に抜け目がなかった。なぜなら、レビュー論文は特に超一流のジャーナル紙で公開されると全体的な科学的議論を形作る傾向があるからだ』と語っている。

渦中の人物Dr. Hegstedは政府の栄養ガイドラインで自分の研究を利用した。その研究では、飽和脂肪酸が心臓病の主因であると強調され、砂糖はエンプティカロリーで虫歯に結び付くという点が主に特徴づけられている。
現在においても飽和脂肪酸への警告は政府の栄養ガイドラインの礎石となったままだが、近年では米国心臓協会、世界保健機関、および他の保健当局が遊離糖の過剰摂取は心血管疾患リスクを高める可能性があると警告し始めている。

ニューヨーク大学Marion Nestle教授は新聞の論説で、『砂糖産業界は、“砂糖が冠動脈性心疾患の主たるリスク因子という嫌疑を晴らす”ために研究を始めたという説得力のある証拠が文書で示されていることを明らかにしている。
「ひどいと思う。こんな露骨な例は見たことがない」と同教授は語っている。

Harvard T.H. Chan School of Public Health(旧Harvard School of Public Health=ハーバード公衆衛生大学院)栄養部門の現チェアマンDr. Walter Willettは『学術的な利益相反のルールは1960年代から顕著に変更されている。業界の論文は、業界の資金援助に依存せず公的資金によって支えられるべき理由を思い起こさせるものである』、また、『当時は砂糖と脂肪の相対リスクを評価するデータに限界があった。現在手持ちのデータでは、精製された炭水化物や特に砂糖入り飲料は心血管疾患のリスク要因だが、脂質の種類も非常に重要であることが示されている』と述べている。

今般JAMAで公開された当該論文は、何千ページにも及ぶ関連文書やその他の論文に基づいており、これらデータはカリフォルニア大学のポスドクCristin E. Kearnsがハーバード大学やイリノイ大学のアーカイブや他の図書館で見つけ出したものです。

これら文書は、1964年に、砂糖産業界のドンJohn Hicksonが、自分たちの研究や情報並びに法制上のプログラムを介して世論を変えるべく、業界内で計画の打ち合わせをしていたことを示している。

当時は、砂糖を多く使った食事と心臓病の高蔓延率との関係を強く示唆する研究が始まった。時をおなじくして、著名なミネソタ生理学者Ancel Keysなど他の科学者は、「心臓病への最大リスクをもたらしたのは、飽和脂肪酸とコレステロールである」という競合理論を探求していた。

Mr. Hicksonは、業界の資金による研究で砂糖に関する驚くべき知見で対抗することを提案した。「我々はデータを公開して、我々を中傷する人たちに反論する」と彼は書いている。

1965年、Mr. Hicksonはハーバード大学の研究者に、砂糖を否定する論文の誤りを暴くレビュー論文を書くように協力を求め、$6,500(現在に換算すると$49,000相当)を支払った。彼はレビューするための論文を自ら選別し、砂糖に都合の良い結果となるよう望んだ。

ハーバード大学のDr. Hegstedは、砂糖業界の幹部を安心させた。
「私たちはあなたの特定の関心をちゃんと承知している」、「できる限り隠蔽しましょう」と言ったことが書かれている。

ハーバード大学の科学者たちは、Mr. Hicksonに論文の草稿を見せて打ち合わせしつつ、砂糖に関するデータを脆弱として棄却して、飽和脂肪酸に関係があるとするデータの信憑性を大きく取り上げた。

『確かにこれは我々が考えていた通りの内容となっている。活字で出版されるのを楽しみにしている』とMr. Hicksonは書いている。

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