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zoom RSS 食事の回数が代謝に及ぼす影響

<<   作成日時 : 2017/11/29 20:22   >>

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代謝を高めるためには食事の回数を増やした方が良いのですか?
ダイエットを成功させるには食事を1日3回から1日6回にした方が良いのですか?
トータルの摂取カロリーが同じでもそうなのですか?

このような類の質問がヤフー知恵袋で頻繁に見受けられます。
それでは真相を解明しましょう!

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食事回数が代謝に及ぼす影響については諸説紛々たる状態です。
そんな中でISSNの考え方を “第85回 ダイエットと食事の回数” で紹介しましたが、Mr. Martin Berkhanは特にitem2 の ”If protein levels are adequate, increasing meal frequency during periods of hypoenergetic dieting may preserve lean body mass in athletic populations…プロテインレベルが十分なら、低カロリーダイエット中に食事の回数を増やすことで、運動する人達はLBMを維持することが可能である” の文言に目くじらを立てて吠えています。“リーンゲインズ”つまり朝食抜き/16時間の絶食/8時間の食事時間を特徴とするインターミッテントファスティングを提唱する彼としては当然でしょう。Mr. Alan Aragonも同じく批判しています… “A Critique of the ISSN Position Stand on Meal Frequency”


Mr. Alan Aragon は、2015年1月13日付けの “Effects of meal frequency on weight loss and body composition: a meta-analysis” で、「these findings need to be interpreted with circumspection」としながらも、「this meta-analysis suggest a potential benefit of increased feeding frequencies for enhancing body composition…食事頻度を増やすことは体組成の向上に良いであろう」と結論付けています。


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Examine.comのMr. Kamal Patelは タイトル記事 “Do I need to eat six times a day to keep my metabolism high?” で、上記のISSN論文も含めて34件の研究論文を引用し、『Eating food six times a day, or very high meal frequency, does not seem to increase the overall metabolic rate more than simply eating three times a day. If such a meal frequency can help you feel better on a diet then it can be useful but it alone won't cause weight loss or prevent weight gain…食事の回数を1日3回から6回、或いは、もっと小分けに増やしても、全体的な代謝率は変わらないようだ。もし食事回数を増やすことで気が楽になるのなら、それはそれで有用と言えるだろうが、それだけでは体重は減少しないし体重増加の防止にもならない」 と結論付けています。

それではMr. Kamal Patelの説明内容を詳しく見ましょう。

食事の頻度が代謝率に及ぼす影響

「全身熱量測定と二重標識水を用いてトータル24時間のエネルギー消費量を評価する研究では、まとめ食いしても小分けで食べても違いは無い」ことがメタ解析で示されている。(1)
単一の研究を除いて、低カロリー食での減量が食事の頻度によって変化するというエビデンスはない。食事パターンが体重に及ぼす影響はエネルギー収支バランスによると結論付けられている。(1)
食事の頻度と体重減少の相互作用を評価する10件の研究では、両者の間に有意な関係は見られなかった。(2,3,4
カロリーはそのままにして食事の回数を変える介入試験で、代謝率(24時間のエネルギー消費)に群間差がないこと(5,6)、そして試験終了後に体重減少に変化はない(7,8)ことが示されている。
カロリーが有意に低下すると代謝率はわずかに低下するが、それは食事の頻度に因るのではなく専らカロリーである。(8

最近公表された1つの論文で、健康な男性を代謝室に閉じ込めて、36時間にわたり3回の食事と14回の食事を比較した結果、総エネルギー消費で有意差は無かったが安静時代謝量は3回の食事の方が僅かに上昇したことが示されている。(9

高頻度の食事と筋量アップ
食事回数の増加と体重増加を調べた研究はあまり多くはなくエビデンスは限られているが、体重の増加は食事の頻度ではなくカロリー摂取量によるものであることが示されている。(10


断食が代謝率に及ぼす影響

短期間の断食
36時間の絶食後に代謝率の上昇が見られたが、72時間ではそれ以上の変化なし。(11
アドレナリンは72時間で(not 36h)増加した。
48時間の測定では大量の熱産生を誘発した。(12

意図的な断食
非肥満者によるAlternate Day Fasting(隔日絶食)では、22日後に代謝率の低下は見られなかった(尤も、食事をすることができる日に2倍の量を食べるよう支持された場合だが)(13

ラマダン中に行われた研究では、断食者と非断食者との間に全体的な代謝パラメータの差がないことが示されている(14,15
特に健康でない人を対象としたいくつかの研究では、摂食量が比較的安定している場合には(16,17)、ラマダン中の断食でいくつかの健康上の利点が示されている。(18,19
代謝率それ自体はほとんど調べられていないが、有意な程度に変化しないようだ。


Possible reasons / Harmony of Data

疫学研究
大規模な調査研究は、食べる回数と肥満に相関性を示す傾向があり、小分けにして頻度を増やすアプローチはBMIと逆相関している…太った人は食べる頻度が低く、痩せた人はより頻繁に食べる傾向がある。(1,20,21
これらの研究は、筋肉量そのものを見ておらずBMIを見ている…1日の食事の回数が多いと体重とBMIが増える傾向があるようです。
反証エビデンスは限られており、高い活動レベルと交絡している。(22

加えて、食事頻度についてのISSNの声明は、食事の頻度が減量や脂肪減少に影響を及ぼすことを否定してる複数の観察研究にも注目している。(24
影響をサポートしている観察研究もいくつかありますが、喫煙、飲酒、ストレスなどの交絡要因をコントロールすると相関はなくなります…それらが原因となる可能性があることを示している。(25,26
さらに、食事の頻度は、総カロリー摂取量と正の相関がある(26,27)

食事誘発性熱産生
食べ物の熱効果(食物を消化するのに必要なエネルギー)を、一部の研究者は肥満の重要で長期的な制御ポイントと見ている。(28,29

頻度とは関係なく不規則な食生活が食物の熱産生効果の低下と関連しているようである。(30,31

運動
運動には急性的なエネルギー消費と食欲を抑制する能力があるため、疫学研究では交絡変数であることが示唆されている。(27,32

調査研究概要
手短に言うと、調査研究は食事の頻度と体重増加の間に間接的な関係があることを示しており、これは全体的にカロリーが増加したためです。 食事の頻度を低くすると、カロリーレベルが同じでもBMIが低くなるのは、運動が起因している可能性がある。食事の頻度そのものが代謝率に良いか悪いかを示唆する多くの証拠はありませんが、それは代謝率や体重変化に影響を与える他の習慣の疫学的指標に過ぎない。


その他の注目点

食事の回数を増やすと筋肉組織を保つのに有益たり得る。1日に3回の食事と極端な場合として14回の食事を比較した研究で、カロリーが同じで代謝率にも差がないにもかかわらず、1日14回の食事と比較して1日13回群の方が、タンパク質酸化率は約17%高かった(106.9±7.1vs90.6 ±4.3g /day)(9)
しかし、肥満者を対象とした6週間の介入試験では、casein pulse群/casein spread群/milk-soluble protein pulse群/MSP spread に分けて割り付けて1日4回の食事を割りあてた。この研究では、ホエーによるタンパク質の酸化および合成速度が高かったが、カゼインで窒素保持(筋肉量保持)の傾向が認められた。(33

毎日食事を増やすと窒素保持を改善することは理論的に可能であるが、この問題に関する最近のヒトを対象とした研究で、食後の状態がより重要であることが示唆されている。

前述の研究では、1日14回の食事と比較して1日3回の食事の方が、下のグラフのグルコースAUCが示すように血糖コントロールが良好であることが指摘されている。

このことは、1日12回と1日3食を比較した先行研究(平均年齢24歳の健康な男性5名、等カロリー食、C:64% F:23% P:13%)でも示されている。(34

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1日のカロリーが同じであれば、高頻度(14)より低頻度(3)の食事の方が、満腹感があり空腹感が生じにくい。(34)

マイコメント/補足説明
次の研究論文も、1日6回よりも1日3回の方が、グルコースAUCが低いことを示しています。


European e-Journal of Clinical Nutrition and Metabolism
December 2010
Effect of meal frequency on glucose and insulin excursions over the course of a day

18〜35歳、非肥満の男女8名を、3CHO群(高炭水化物1日3食:C65%,F20%,P15%)、6CHO群(高炭水化物1日6食:C65%,F20%,P15%)、及び6PRO群(高タンパク1日6食:C35%,F20%,P45%)に割り付けた。各群ともに1500kcalの低カロリー食となっている。グルコースAUCは3CHO群より6CHO群の方が大きかった。

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上述の3つの研究論文によれば、高血糖の管理には食事回数を小分けにして増やすより1日3食の方が良いことになる。しかし、下記の最近の研究では1日3回と6回のグルコースAUCには有意差がないことが示されており断定はできないようだ。

Obesity (Silver Spring). 2013 Feb
Effects of increased meal frequency on fat oxidation and perceived hunger

BMI<25 の男女15名を対象にして、等カロリー(C55%,F30%,P15%)の1日3食と6食の2群に割り付けた。24時間のエネルギー消費量および脂肪酸化に有意な群間差はなかったが、1日6食の方が空腹感は増した。この研究ではグルコースAUCに有意な群間差はない(P = 0.08)
因みに、この研究では維持カロリー食が割り当てられている。

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それでは、Mr. Lyle McDonaldは食事の頻度についてどのような考え方をしているのでしょうか?

彼の『Meal Frequency and Meal Patterning Part 1 – Book Excerpt』から抜粋しました。

健康や脂肪減少に関する神話や誤解、或いは、形骸化した古い考え方が巷間にあふれています。食事の回数もその中の一つで、例えば1日6回といったように小分けにして食べると代謝上の利点があると信じられています。

食事の頻度を高めると代謝が上がるという最も一般的な主張の一つとして、食べ物による熱効果が挙げられます。専門用語では食事誘導性体熱産生(TEF/DIT)と言いますが、これは食べる量に関連し平均すると総カロリーの約10%であることを忘れないでください。

つまり、1日の総摂取量が1800kcalであればTEFは180kcalになります。1日3回の食事であれば1回当たり60kcalで、6回に小分けして食べると1回当たりは30kcalになります。1日の総摂取カロリーが同じであれば、食事の頻度がTEFやエネルギー消費量に及ぼす影響は変わりません。(

もう一つの主張としては、食事をスキップしたり食事の間隔を空けすぎると、体が飢餓モードになりカロリーをため込んだり、脂肪減少が制限されたり、代謝率が低下するというものです。これは朝食を抜くと飢餓モードを引き起こす、或いは、朝食を食べると一日の代謝が昂進するといった考え方に由来しているようですが、。これも間違い情報です。

多くの観察研究では、“朝食を抜く人たちには過体重や肥満が多く、朝食を抜くことで太る”と説明されており、因果関係が歪められています。実際には太ったから食事抜きを始めているのです。食事を抜くことが肥満の原因ではないのです。

朝食を摂ると行動的となり思考力も高まると言われていますが、これは特に子供やスクールパフォーマンスで見受けられます。しかし、これには適応の問題があり、数日後には朝食を食べないことに慣れてしまいます。
いつも朝食をスキップする人が食べたり、いつも朝食を食べている人がスキップすると、いずれもパフォーマンスは悪化します。(14

食事をスキップするとエネルギー消費量の低下や飢餓モードが起きるという考え方は、初期のマウスやラットの動物研究に由来しており、食べる物がないと短期間でもこういった状態が起こることは間違いありません。しかし、重要なことは、小動物の寿命は非常に短く、マウスの寿命は約2年、ラットはその3倍くらいだということを認識する必要があります。これらの動物は体脂肪もあまり多くは保持していないので、わずかなカロリー欠損であっても実際には非常に危険な状態になることがあります。
しかし、われわれは齧歯類ではありません。

ヒトの代謝率は3〜4日間の完全絶食でさえも低下が始まらない。食事を1回スキップしても1日くらいの絶食でも顕著な影響が出ることはありません。
食事の頻度を増やすことで脂肪の減少が昂進したり、ダイエット中のLBM減少が抑えられると一般的に言われていますが、これは実際には食事の頻度に極端な差異がある場合やタンパク質の摂取量が十分でない場合にのみ当てはまります。タンパク質の摂取量が十分であれば、食事の回数は多かれ少なかれ関係ありません。
1日3~4回の食事頻度では、脂肪減少またはLBM維持いずれにおいても差異が無いことが研究で明確に示されています。(2

小分けにして食事の回数を増やすと血糖値の安定や満腹感がもたらされるといった利点を主張する人たちもいますが、血糖値については1日3回vs 1日17回といった非現実的な食事頻度で試験されており、通常の食事パターンとは関連しません。また、空腹感については最近の研究が“食事の回数を増やすとより食べたくなる”ことを示しています。(3
加えて、食事回数を増やしても脂肪燃焼は高まりません。

食事の頻度には、総体的な健康、満腹感、或いは、体脂肪の減少を成就させる魔法のパワーはありません。
食事の頻度について”one size fits all”という考え方は間違っています。個人個人のニーズや嗜好に最も適した回数を選ぶべきです。

具体的な例を挙げると、小柄な女性が食事の回数を増やすと重要な課題が浮上してきます。例えば、米国スポーツ医学団体ACSMは女性1200kcalを下回らないように指導していますが、1日4食にすると1回当たり300kcalで、6回に小分けすると1回当たり200kcalとなり、こんなメニューの食事を考えるのは難しいだけでなく、満腹感とは程遠く強い空腹感に耐えねばならなくなるでしょう。
逆に、エネルギー消費量の大きい大柄な男性やアスリートには、食事の回数を増やすことにメリットがあることは明白です。

繰り返しますが、食事の回数は個人のライフスタイル、空腹感、エネルギーレベル、目的、気分、体脂肪率、性別、年齢(高齢者)、閉経前or閉経後など諸々の要素を考えて、自分に合った回数を選定すべきでしょう。

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因みに、Mr. Alan Aragonは、上述の論文との時系列が定かでないですが、Nutrition Facts 101 (Part 2)では食事の回数について次のように語っています:
『Meal Frequency – 6 meals, 3 meals, 1 giant meal (intermittent fasting): is there an optimal way to eat or does your body adapt to whatever you give it as long as you fulfill your macro and caloric needs?
Alan: Bottom line is that meal frequency should be set according to personal preference, tolerance, & goals. There is not metabolic advantage to higher meal frequency. This has been demonstrated repeatedly in tightly controlled research…カロリーと五大栄養素を満たしている条件下では、1日の食事の回数は個人の嗜好、耐容、目標に合わせて設定すべきである。食事回数を増やすことに代謝上の利点はない。それはコントロールされた研究で繰り返し示されている。』


加えて、Authority Nutrition(Health line)も、『You've probably heard that breakfast is the most important meal of the day. However, this is largely a myth. Although it may be true for some people, others actually do better when they skip breakfast.…あなたも1日の中で朝食が一番大事であると聞いたことがあるでしょう。しかし、それは広く流布されている神話なんです。実際には、朝食べるのが良い人もいれば、スキップした方が良い人もいます』と述べています。


最後に、
小生がマイコメントで締め括らなくてもお分かりになったと思いますが、食事の回数を増やしても代謝的な優位性は無く、体重減少や脂肪減少が促進されることもありません。


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