第114回 ビバリーヒルズダイエット


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ビバリーヒルズダイエットとは、1981年にJudy Mazel女史が書いたダイエット本で、一流モデルやハリウッドスターの間で流行りました。短期集中型の過激ダイエットで、食事を800kcal/日に抑え、35日間で15ポンド(≒6.8キロ)減量するというものです。米国では別称Yo-Yo Dietとも呼ばれます・・・リバウンドのことで、体重がヨーヨーのように下がったり上がったりするからです。
最近このダイエットは改訂され、『ニュービバリーヒルズダイエット』と題して、食べ方の順番&タイミング/食べ合わせ/健康食材にスポットを当てています。体は食物を消化するには、見合いの酵素が必要で、消化されない食物はそのまま体脂肪として蓄積されるという考え方です。
実にトンチンカンな考え方です。

女史の説明をもっと詳しく聞いてみましょう:
肥満の原因は、何をどれだけ食べるかではなく、何時に何を何と食べ合わすかです。
果物を食べるときは果物だけ、炭水化物を摂る時は炭水化物と脂質と一緒に、タンパク質はタンパク質と脂質を一緒に食べるんです。
パイナップル、いちご、ブドウ、スイカなど酵素たっぷりの果物を、いくら食べても構いません。
但し、ある果物から他の果物に移る際は1時間の間隔を開けてください。
果物の後、炭水化物、脂質、タンパク質を摂取するまで2時間の間隔を開けてください。
果物から他の食物グループに一旦変えると、その日はもう果物は食べてはいけません。
果物の後に炭水化物を食べるなら、炭水化物ばかりを食べ続け、コーヒーのミルクのように少量であっても、一旦タンパク質を摂ると、1日のそのあとの食事で食べる80%はタンパク質として下さい。
因みに、
果物はミニ炭水化物で基本的に自己消化され、酵素は小腸で15~20分位で栄養素に変えます。
炭水化物は、口の中で唾液と共に噛むプロセスから消化まで3時間掛かります。
タンパク質は消化するには胃酸の助けが必要で、10時間或いはそれ以上掛かります。
私たちは脂質のみを食べるケースは殆どありません・・・だから消化システムで脂質が単独でどのようになるのか分かっていません・・・個人的にはゆっくりした消化だと思っています。
炭水化物が豊富なポテトは消化が早いので、消化が遅いステークの後に食べちゃうと、消化不良が起きるんです。
つまり、食事そのものが体重増の原因にはなりません。色々な物を食べると、酵素が混乱し消化不良になるから太ってしまうのです!

米国栄養士会(American Dietetic Association:ADA)のスポークスマンのDavid W. Grottoを始め多くの見識者はこれを酷評しています。
どうやら彼女の頭の中は、炭水化物とタンパク質がメインで、脂肪は二の次になっているようだ。
このダイエットプランで痩せるかも知れないが、栄養の妥当性を欠いているのは問題だし、更に体内水分の増減を考えておらず、そもそもこのプランで痩せるのは食物の食べ合わせによってではなく、摂取カロリーが低いからである。米国人の大半は果物と野菜不足だが、このダイエットプランはそのプロモーションではないのかい?
Grotto氏は、このダイエットプランは、アレクサンダー大王の「酒以外の何も口に入れない』という逸話と、同レベルの曖昧で役に立たない話しだと締めくくっています。

<参照記事>
Diet Digest Net
「Beverly Hills Diet Plan - Eating foods in order」

WebMD
「The New Beverly Hills Diet」
Reviewed in 2009年2月6日