第298回 食事による熱産生(TEF)

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「食物による産熱効果」は英訳すると“thermic effect of food”となり、食事誘導性体熱産生(diet-induced thermogenesis=DIT)と同義語です。

TEF/DITは、単に食物の栄養素の酸化(燃焼)のみならず、“消化、吸収、輸送、代謝、貯蔵など食物の体内プロセスに必要とされるエネルギー”を指します。

国際的に使用されているTEF/DITの推定値は、総エネルギー消費量(24H)の約10%とされています。

TEF/DITは主として“摂取量”と“栄養素の構成”により異なり、且つ各人各様ですが、参考までに米国人の健常者が、エネルギー収支が見合う条件下でミックス食を摂取するとき、TEF/DITの内訳は、おおよそ次の通りです。
・タンパク質:20~30%
・炭水化物:5~10%
・脂質:3%未満

(註)通常、日本ではたんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%が使われています。

因みに、アルコールのTEF/DITは約20%とされています。
しかし、アルコールは他の栄養素と違ってエンプティカロリーであり、体内に吸収される前に約30%はそのままの形で直ぐに燃焼・排出され、残りの約70%が、消化・吸収後に他の栄養素に優先して消費されます。
亦、 “アルコールはグレリン(食欲増進)分泌の抑止作用を持ち、且つ、ペプチドYY(満腹感の低減)レベルには影響しない” ことが分かっています。